広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2007年2月21日発行 第109号

 ODAメールマガジン第109号は、モルドバ共和国からの「モルドバ共和国:美しいヨーロッパの小国」「全国に広がるトラクター」と、平成18年度ODA民間モニター・バングラデシュ班からのご報告、そして「公開セミナー参加者募集 『日本のODA-その現状と将来-』(参加無料)」をお届けします。

モルドバ共和国地図

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 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


モルドバ共和国:美しいヨーロッパの小国 原稿執筆:在ウクライナ日本国大使館 南野 大介 二等書記官

 モルドバは旧ソ連を構成した共和国の一つで、1991年に独立した。ウクライナとルーマニアに挟まれた人口約420万人の小国である。ヨーロッパの最貧国と呼ばれている。国内の道路網は長い間改修されておらず、都市間を車で移動する時すら突然のくぼみに注意が必要だ。6割以上のモルドバ国民が暮らす農村部での生活も厳しい。水道など基本的な生活インフラの整備も十分でない。

 しかしながら、モルドバを単に「貧困国」とだけ見るのはあまりにも一面的である。首都キシナウは緑に囲まれ、落ち着いた街である。建国の父シュテファン大王の名を冠した中心部の公園は市民の憩いの場で、夏にはアイスクリームや冷えた飲み物を売る人の前に行列が出来ている。市場や新しいスーパーマーケットは、モルドバ特産の色鮮やかな野菜や果物を求める人たちでいつも賑わっている。ソ連の崩壊から15年が経って、都市部では消費生活を楽しむ人々も増えているようである。

キシナウの市場
キシナウの市場

 個人的な印象ではあるが、モルドバ人はのんびりとしていて穏やかな性格である。同時にとても陽気な性格である。街のレストランで時折見かける結婚式や誕生日のパーティでは、人々がテンポの早い民族音楽に乗りながら輪になって踊っている。私の仕事のパートナーの一人は笑い話が大好きで、食事の時に5分に1回は笑わせてくれる。

 忘れてはならないのが、ワインである。モルドバ人にとってワインは単なる特産品というだけでなく、生活の一部であり、誇りでもある。毎年秋に行われるワイン・フェスティバルは国を挙げての行事である。また、石灰岩の採掘場跡を利用したキシナウ郊外のワイナリーは世界最大級で、自動車のまま入れる地下道が蟻の巣状に張り巡らされている。一つのワイナリーは、ワインの貯蔵本数が世界一であるとしてギネス・ブックにも登録されている。

ワイナリー ワイナリー
ワイナリー

 こういう事情もあり、ワインはモルドバの主要な輸出産品となっているのだが、現在のところは輸出先が限られている。モルドバの政府首脳はワインの輸出振興を重視していて、日本でもモルドバのワインが気軽に飲めるようになることを強く希望している。

ブドウ畑
ブドウ畑


全国に広がるトラクター 原稿執筆:在ウクライナ日本国大使館 南野 大介 二等書記官

 モルドバの主要な産業は農業であるが、日本からのODAが同国の農業機械化と貧困削減に大きな貢献をしている。モルドバ政府は、これまで6回にわたって供与された日本からの無償資金を使い、トラクターやコンバインなどの農機を輸入し農民にリース販売している。ここで重要な役割を果たしているのが、モルドバ農業省によって設立されたプロジェクト事務所である。

 首都キシナウの一角にあるこの事務所は、日本の支援で調達した機材の販売先の募集と選考、リース販売と代金の回収と積み立て、そして農機のメンテナンスや修理などを行っている。回収された代金の積み立ては、更に新しい農機を輸入するために使われ、同じように農家にリース販売している。これまでで、日本からの供与資金と積み立て代金による調達を合わせると、合計2400台以上のトラクターやコンバインがモルドバ国内で活躍している。これらの農機には日章旗とプロジェクト独自のマークが付されているが、モルドバ国内のたいていの村でこの日本の支援による農機を目にすることが出来る。

事務所敷地のトラクター 事務所敷地のトラクター
事務所敷地のトラクター

 プロジェクト事務所には、いつも多くの農民が訪れている。これから農機を購入しようと考えている農家が資金調達の相談をしたり、すでに農機を購入した農家がメンテナンスの相談に訪れている。こうした農民を大切にするきめ細かな対応がこのプロジェクト成功の秘訣である。支援による農機が販売されていることについて疑問があるかもしれないが、こうすることによって、新しい農機を購入する機会がより多くの農家に与えられている。また、クレジットを活用しながら事業を拡大するという市場経済で不可欠な経済習慣を、モルドバの農民が知るきっかけにもなっている。

 このプロジェクトは単に農機の普及という面のみならず、地元の経済にも大きな効果を与えている。モルドバ北部のバルツィ市近郊には、モルドバ経済省のコンサルタントがJICAの専門家と共に経営指導を行った農機部品の工場がある。この工場では、整理・整頓といった日本の工場における生産性向上のノウハウが実践されている。そして、まさに日本の支援による農機普及プロジェクトの成功によって部品の注文数も増え、工場に活気が戻ってきたのである。

農機部品工場
農機部品工場

 プロジェクト事務所は、農村を何とか復興させたいと日々奮闘する10人ほどのモルドバ人によって運営されている。笑い話好きな技術局長はアイデア・マンでもあり、農機を扱う農民のためのトレーニングなど、事務所が人々に近い存在になるように更に事業を拡大させようとしている。「モルドバ農村復活」の成功物語が、いずれ他の国々で語られる日がくるのもそう遠くないのかもしれない。

2001年度調達トラクター(Balbanest村)
2001年度調達トラクター(Balbanest村)


平成18年度ODA民間モニターからの報告 原稿執筆:平成18年度ODA民間モニター・フィリピン班 福島 怜 さん(学生)
視察先のクムディニ病院にて
視察先のクムディニ病院にて

 今回のODAの現場を実際に見てみて、また現地の人の生活や生のお話を見たり聞いたりすることで、ODAによって生活がどうよくなったのか具体的に知ることができ、その必要性を実感できたことがとても良かった。

 今回分かった事は、援助の活動は地道であり、その効果は具体的な数値としてすぐには目に見えにくいものであるということである。だからこそODAは不透明といわれ、本当に必要な援助が効果的に行われているのか、多くの国民が疑問に感じている。しかし援助は、ただ困っている人達を助けるのではなく、「バングラデシュの自助努力」を支援する事が目標である。

 日本が昔援助を受けて、今こうやって素晴らしい日本の技術や知識、仕組みなどを発展途上国に提供しているように、バングラデシュの人たちがこれから自分達の力で、自分なりに国を発展させていけるような支援が、バングラデシュ・モデルに沿って現地での沢山の日本人の活躍によって行われている。

 物資や技術を提供するだけでなく、住民をメンバーに入れ、村の人達と一緒になり、コミュニティのレベルから、計画・組織作りの段階から住民と一緒に作っていくことで、現地の人のモチベーションや意識、自分達にもできるんじゃないかというやる気を上げるようなかかわりがたくさん見られた事がとても印象的であった。

 今回グラミン銀行の案件で「もっとお金を増やして、皆で大きなことがしたい」「皆がこのシステムを利用できるといいと思う」といった声や、農村開発においても「このシステムをバングラデシュ全体に広げていきたい」という発言があり、自立を促す支援が確実に行われている事を実感した。意識の変化という効果は目には見えにくいかもしれないが、将来の国益として期待できるものではないだろうか。

 最後に、現場で必死に頑張っている日本人の活躍とバングラデシュの人からの感謝がもっと国民に伝わるような広報活動の方法を考える必要がある。



公開セミナー参加者募集「日本のODA-その現状と将来-」(参加無料

 日本のODAを取りまく現状と将来について、国際開発ジャーナル社・荒木光弥主幹の基調講演、海外のODA事業を国民の視点で視察したODA民間モニターの報告とともにこれからのODAの方向性について探っていきます。

<日時>
 2月27日(火曜日)(開場14時00分/開演 14時30分)
<場所>
 時事通信ホール http://www.jiji.com/hall/access.html(他のサイトヘ)
<プログラム>
 1)基調講演 (14時40分~15時40分)
   国際開発ジャーナル社 荒木光弥 主幹
 2)ODA民間モニター報告会(15時45分~16時45分)
  -市民が見たODAと今度の期待-
 3)地球ハーモニーコンサート (16時45分~17時15分)
   出演:ジャズピアニスト 河野康弘さん
      アジア・アフリカの子供たちへ
      ピアノを贈り続けている河野康弘さんの
      ピアノコンサート。 
<申込>
 event@apicplaza.ne.jp まで
 氏名・連絡先・所属をご連絡ください。
(先着250名まで)
<事務局>
 財団法人 国際協力推進協会(APIC) 

 詳細は http://www.apic.or.jp/plaza/seminar2007.pdfをご覧下さい。



編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

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