広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2006年10月25日発行 第101号

 ODAメールマガジン第101号は、ドミニカ共和国から「ドミニカ共和国~カリブの島でのODA~」「“太陽とビーチ”から住民参加型の観光産業へ。/ドミニカ共和国の“持続的な観光開発プログラム”」をお届けします。

ドミニカ共和国地図

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 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


ドミニカ共和国~カリブの島でのODA~ 原稿執筆:在ドミニカ共和国日本国大使館 田井 真和 二等書記官

 ドミニカ共和国と聞けば大リーグ、日本球界で多く活躍している野球選手の母国ということでピンと来るでしょう。でも「で、どんな国?」と質問されれば詳しく答えられる方は少ないのではないでしょうか。

 ドミニカ共和国はカリブ海に位置し、キューバに次いで2番目に大きな国で、その面積は九州と高知県を足した程度。気候は亜熱帯で年間通じて26度以上あり一年中夏です。また、国民性も大変陽気で、街角では夜遅くまでメレンゲの音楽が流れ、人々が踊っている風景が見られます。歴史的にもコロンブスが第1回航海に踏み入れ、スペイン新大陸で最初に町を作った国として有名です。

澄み渡るカリブ海のビーチはドミニカ共和国の魅力のひとつ。まさにドミニカ共和国の光。
澄み渡るカリブ海のビーチはドミニカ共和国の魅力のひとつ。まさにドミニカ共和国の光。
スペイン植民地時代からの歴史的建造物が残るソーナ・コロニアル(旧市街地)は首都の観光名所
スペイン植民地時代からの歴史的建造物が残るソーナ・コロニアル(旧市街地)は首都の観光名所

 そのように、「野球大国」、「カリブ海のリゾート」、「メレンゲ」、「陽気な国民」といった印象がありますが、国内貧富の格差は非常に大きい国です。いわゆる光の部分と光に隠れた陰の部分、このコントラストがあまりにも大きく、一歩地方へ行けば、電気、水道、医療、保健、教育など本来国民平等に享受されるべき必要最低限の環境さえ存在していない光景が多く見られます。

農村地域の風景
首都の繁栄とは対照的な生活で過ごす子供達
農村地域の風景
首都の繁栄とは対照的な生活で過ごす子供達
すこし首都を離れると無秩序にバラックが立ち並び、貧しい地域が多く存在する。
すこし首都を離れると無秩序にバラックが立ち並び、貧しい地域が多く存在する。

 日本との外交関係は一昨年70周年を迎えるなど意外に古くから友好関係が存在し、総じて親日的感情が強いと言えます。この親日感情を醸成し、現在に至る友好な二国間関係の礎となったのは「日系移住者の存在」、そして「ODA」への評価です。

 日本政府の支援は1990年代から加速し、農業、医療、保健といった「光に隠れた陰」に住む住民に直接裨益する資金援助を中心に展開され、トップドナーとしてドミニカ共和国の基礎体力の強化に大きく貢献しました。

 一方で今ドミニカ共和国は変革の時期を迎えています。経済成長を支えるため観光立国として役割が益々大きくなり、また米国・中米との自由貿易協定発効を直前に控えた現在、政府は中南米のみならずアジア、アフリカ諸国との関係強化や投資誘致に向けた施策にも目を向けつつあります。このため日本政府は貿易投資促進や観光振興という分野においても支援を行い、同国の経済成長を支えるべく取組んでいます。

 日本のODAは一先進国の技術移転という側面のみならず、日本人が先人から培った文化生活様式、モノの考え方など、ひとつの技術に含まれる「日本文化」を現地人とともに共有し、認識・定着させていくことでもあります。当たり前のことですが、ラテンであるからこそ今更ながらその必要性を強く感じています。ドミニカ社会に融和した日系移住社会の如く、日本のODAに根付く「日本文化」がドミニカ共和国の人々へ広く溶込み、ODAの成果がより光輝くことを期待しています。



“太陽とビーチ”から住民参加型の観光産業へ。ドミニカ共和国の“持続的な観光開発プログラム”原稿執筆:ドミニカ共和国JICA事務所 青木 孝 企画調査員

 カリブ海の島々の中で最も多くの観光客が訪れるのが、ここドミニカ共和国です。コロンブスが発見したイスパニョーラ島の三分の二を占める同国には、年間約370万人の観光客がカリブ海の青い海と眩しい太陽を求めて訪れます。その多くが、アメリカ・ヨーロッパからのパッケージツアーで1-2週間、外国資本により立てられたオールインクルーシブ型(すべてのものが料金に含まれている)の大型ビーチリゾートホテルに滞在します。カリブ海の観光地の中でも、その安さと気軽さで人気を集めてきたというわけです。

 こういった“太陽とビーチ”を売りとした観光産業は、外貨獲得と雇用創出の面で、目立った産業がない同国の経済に大きな貢献をしてきました。その一方で、近年国内貧富格差が拡大し、地域住民に裨益しない観光産業のあり方が問われています。

手付かずの自然が残る南西部(ハラグア国立公園)。ここでも無計画な観光開発が始められようとしている。
手付かずの自然が残る南西部(ハラグア国立公園)。
ここでも無計画な観光開発が始められようとしている。

 日本はこれらの問題への取り組み支援として“持続的な観光開発プログラム”を設定し、各種の協力を進めています。青年海外協力隊によるコミュニティーを巻き込んだエコツーリズム開発やシニアボランティアによる国家人材育成機関での民芸品開発等を通して、観光産業の多様化と同時に地域振興と国内格差の是正に貢献しています。

コミュニティーの人々により毎週エコツーリズム開発の進め方に関して会合が開かれる(バジャイベ)
コミュニティーの人々により毎週エコツーリズム開発の進め方に関して会合が開かれる(バジャイベ)
コミュニティーツーリズム振興のために地元ホテルでの聴き取り調査を実施する青年海外協力隊。(コンスタンサ)
コミュニティーツーリズム振興のために地元ホテルでの聴き取り調査を実施する青年海外協力隊。(コンスタンサ)

 そんな中、観光省と環境天然資源省が合同で“国家エコツーリズム開発計画マスタープラン”を策定するため、日本政府に支援が要請されました。たとえば貴重でありながら住民に薪としてしか利用されてこなかったマングローブ林やこの島にしか存在しない動植物など、様々な自然資源を観光資源として保護し、有効利用しながら、住民に利益をもたらすようなエコツーリズムを国家レベルで推し進めようというものです。

 現在、観光省と環境省の合同委員会を立ち上げ、エコツーリズム開発の枠組みについての検討が行われており、JICAがその調整役として重要な役割を果たしています。これまで両省の関係は必ずしも良いものではなく、今回のマスタープラン策定作業を通して、関係改善も期待されています。準備会合において幾度となく、その関係の悪さが表面化したこともあります。

 JICAの役目は両省のバランスをとりながら、コミットメントを引き出し、実施可能なマスタープランの作成を縁の下から支えることです。これまでの“太陽とビーチ”とは異なる自然環境に配慮した新たな住民参加型の持続的な観光産業を推進するものとして大いに注目されています。

観光省と環境省合同のワークショップ。JICAが調整役として重要な役割を果たす。
観光省と環境省合同のワークショップ。
JICAが調整役として重要な役割を果たす。


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