広報・資料 ODAメールマガジン


ODAメールマガジンバックナンバー


□●□ ODAメールマガジン □●□ 2005年2月9日発行 第60号
 ODAメールマガジン特別号VIIでもご案内しましたが、3月5日(土曜日)の日比谷公会堂において開催される「町村大臣と語るタウンミーティング(テーマ:国連改革)」(参加申し込み締め切り2月20日)の参加者を引き続き募集しております!皆様の参加をお待ちしております!

 ■詳細、申し込み方法はこちら
  http:/www.mofa.go.jp/mofaj/annai/event/tm_050305.html

 また、2月21日放送のテレビ番組「ご存じですか」(日本テレビ11時25分~11時30分)では、インド洋・スマトラ島沖地震で緊急援助隊の一員として現地へ行った方に現地の状況と、日本に今後求められている援助について解説していただきます。是非ご覧下さい!

 ■詳しくはこちら(政府広報オンライン「メディア別広報 テレビ番組」)
  http://www.gov-online.go.jp/pr/media/tv/index.html(他のサイトヘ)

 ODAメールマガジンは第50号からODA民間モニターに参加した方のお話も含めた3話をご紹介しています。今回は、平成16年ODA民間モニター・フィリピン班から「フィリピンの自立を促す効果的なODA」、ジンバブエからFor a better tomorrow for all(よりよい明日を、世界の人々と。)」と、ラオスから「ラオス開発のカギを握るコミュニティー」をお届けします。

 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を次々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した民間モニターの方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


 ◆ODAホームページ
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html

 また、このODAメールマガジンの内容について改善していきたいと考えておりますのでご意見・ご要望がありましたら、こちらからどうぞ。

 ◆ご意見・ご要望 E-mail:ご意見メール


 ○● トピックス ●○

 ○フィリピンの自立を促す効果的なODA
  (原稿執筆:平成16年度ODA民間モニター・フィリピン班
   平井 秀治さん)
 ○For a better tomorrow for all(よりよい明日を、世界の人々と。)
  (原稿執筆:ボランティア調整員 JICAジンバブエ事務所
   藤木 明代さん)
 ○ラオス開発のカギを握るコミュニティー
  (原稿執筆:在ラオス日本大使館 草の根外部委嘱員
   三好 陽さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報




 ◇◆ フィリピンの自立を促す効果的なODA  
(原稿執筆:平成16年度ODA民間モニター・フィリピン班
 平井 秀治さん) ◆◇ 


「自分さえよければよいのか」という問いは、
人間関係を築き集団生活を営む上でよく発する問いである。
これはグローバルな世界における国際関係においても重要な視点になりうる。
その具体化の一つとしてODAがある。

しかし一方で、ODAに対し批判があるのも事実である。
批判を検証することも大事であるが、今回の短時間の限られた
視察内容で答えを出すのは無理な話。

従って私は、様々な批判を踏まえつつ「よかった」一辺倒の感想に陥らないように、
次のような三つの問題意識で案件を視察した。

(1)本当にフィリピンの人々の暮らしに役立っていると言えるのか。
(2)フィリピン社会や経済の自立に向けた協力となっているのか。
(3)日本の関係者は自信を持って事業に取り組んでいるのか。

視察先では疑問も忌憚なく出し、理解に努めた。
この姿勢は、大使や大使館、フィリピン国家経済開発省(NEDA)との懇談でも
変えなかった。結果は、総じて日本のODAはフィリピンの自立を促す効果的な
援助・協力であることを実感することができた。

ストリートチルドレン施設 ストリートチルドレン施設

目の前に路上で生活する子どもがいる、
結核で苦しむ人がいる、
劣悪な教育環境がある...
こうした貧困に対しアジアで唯一の経済大国である日本が
座していてよいはずがない。
私レベルでも何ができるか、真剣に考えざるを得なかった。

日本人スタッフも実にいい表情をしていた。
「人のために働いている」ことが笑顔に繋がっている。
恐らく人に言えないような苦悩があるに違いないが、それを感じさせない。

行く先々で大歓迎を受けた。相手の感謝は視察団を通して
日本人全体に対する感謝であることは言うに及ばない。
高野大使は日本のODAとフィリピンの関係を端的に表現する、
「フィリピンほどODAが素直に受け入れられている国はない」と。
ODAが友好関係を築き発展させる礎の一つになっているのである。

青年海外協力隊活動現場 青年海外協力隊活動現場

しかし一方で、フィリピン国家が解決しなければならない問題も実感した。
街を見れば富の格差と偏在の大きさは容易に想像つく。
また視察中目にした新聞が「来年度予算債務返済が3割超」
(8月27日付『まにら新聞』)と報じる様に、財政危機は深刻である。

これらは確かにODAの範囲外に位置するフィリピン国の問題であるが、
援助・協力を以って自立を促しているのだから無関心ではいられない。
ODAを考えることは、自国と相手の国造りのあり方を考えることでもある。

メトロマニラ メトロマニラ



 ◇◆ For a better tomorrow for all(よりよい明日を、世界の人々と。)  
(原稿執筆:ボランティア調整員 JICAジンバブエ事務所
藤木 明代さん) ◆◇ 



私の仕事はボランティア調整員(青年海外協力隊調整員)で、
2002年8月からJICAジンバブエ事務所で働いています。

青年海外協力隊は日本国民に広く知られたボランティア活動であり、
私個人も1988年7月~1991年3月、南太平洋のフィジーで隊員として
気象庁の図書館司書をしていました。

隊員と調整員では、かなり仕事(活動)の内容が違いますが、
国際協力の現場に戻ってきた手応えは十分感じています。

ボランティア調整員の仕事は大別すると2つあります。
1つは要請開拓といわれるもので、ボランティアの派遣先を探し、
相手政府との合意の下で「青年海外協力隊募集要項」の
元になる要請書を作成します。

もう一つは、日本国内で選考され、ジンバブエに派遣されてきた隊員の生活と
活動を広義で支援します。こういう仕事ですので、国内を広く動き回り、
(要請開拓と隊員の活動視察でジンバブエの10州全土を巡りました)
様々な人と出会う機会に恵まれ、自慢の「健脚と笑顔」が
大いに役立っています。

とりわけ「ああ、アフリカだ」と思えるダイナミックな自然の中で暮らす、
多様な言語、風俗習慣を持つ人々との出会いは、非常に興味深いです。

昨年10月、JICAは『独立行政法人国際協力機構』に生まれ変わりました。
私にとっての「NEW」は、新スローガン

For a better tomorrow for all(よりよい明日を、世界の人々と。)』

で、これは私の国際協力に対する意識を代弁しているように思います。
私が会いに行く人々は、ボランティア要請をはじめ、JICAに何かしらの
援助を求めていますので、相手が必要としていることに対して
具体的に何ができるかを話し合います。

要請は「食料不足」「頭脳流出」「HIV/AIDS対策」など、
国が抱える多くの問題に起因していて、それらが政治や民族性と複雑に
絡み合っているだけに、「これが一番」を提案するのは難しいです。

そんなとき、スローガンの「better(よりよい)」を土台にします。
実際、相手が直面している困窮状況を聞けば聞くほど、
何が「better」なのかの判断に時間がかかりますが、
相手が「better」を意識するまで根気強く続けます。

「少しでも前進しbetterを繰り返していたら、いつかbestになる。
そのとき私はもうこの世にいないけど」と言った校長先生がいました。

要請開拓や隊員の活動視察を通して、
卓上では得ることのできない多くのことを学び、
感動とも言える良い刺激を受けています。

「HIV/AIDS孤児」「ストリートチルドレン」はジンバブエの深刻な問題です。
教会やNGOが中心となって、この問題に取り組んでいます。

孤児は、昔から同じコミュニティに住む親類が面倒を見るのが一般的で、
地方の村落では今もこの伝統を守っています。

孤児の教育費や村で生活する女性の収入創出をサポートしているNGOから
隊員要請があり、村で行われる月一度の会合にNGOの人たちと共に出席しました。

村人はほとんどが女性で、黒い服や喪章をつけた人(縁者の死を意味します)
が目立ちました。ここで出会った最高齢の女性(81歳)は、
これまでに自分の子ども6人と、15人の孤児を育て、
今も1人で3人の孤児を育てています。

今も3人の孤児を育てている81歳の女性(右から2人目)
今も3人の孤児を育てている81歳の女性(右から2人目)

平均寿命が46歳の国で、
81歳の女性が3人の小学生を育てている事自体が驚きでしたが
「大変なことは無い。昔からこうしてきた。」
と、きりっと言い放したのには感動しました。

昔からの伝統が守られている地方はまだ良しとして、
都会では孤児たちがストリートに出て、物乞いをしながら生活しています。
この子どもたちを保護する施設が都市やその近郊にあり、
これらの施設からの隊員要請が最近増えています。

私が施設を訪問した時、昨夜、路上から保護されてきたという14歳の少女が
ベッドに横たわっていました。
ベッド際に立っている男子(2歳)は、この少女の子供だと言います。
母子共にストリートチルドレンとして保護されました。

せっかく保護されても、長年路上生活を続けてきた子供の中には
「施設は厳しい。自由になりたい。」
と、又もとの路上に帰っていく子もいるそうです。
「何を自由と感じるかは成育歴によって大きく異なり、押し付けられない」
施設長の言葉は、ストリートチルドレン問題の難しさを語っています。

隊員から「バオバブの木は貧困のバロメーター」と聞き驚きました。
バオバブは『星の王子様』に出てくる容姿がユニークな木ですが、
未、羽、樹皮と全てが利用でき、特に樹皮はマットや
バスケットの材料になります。

国内で一番大きなバオバブの木 国内で一番大きなバオバブの木

昔は、村の大切な行事をこの木の元で行ったそうです。
しかし、村の貧困が進むと、マットやバスケットを売って収入を得ようと、
多くのバオバブの樹皮が剥がされています。
一度剥がされた樹皮は再生できず、
剥がす範囲が広がると木は死んでしまいます。

今、NGOがバオバブの樹皮に代わる材料やそれで作った製品を紹介し、
木も人も生きる方法を提案しています。
こういう取り組みは時間がかかりますが、
この活動が広がるよう応援したいと思っています。

「よりよい明日を」めざして取り組んでいる様々な人の出会いに、
調整員業務の醍醐味を感じ、「よりよい明日」の実現に向けて
ジンバブエの人と困難を分かち合っていきたいと思っています。


 ◇◆ ラオス開発のカギを握るコミュニティー  
(原稿執筆:草の根外部委嘱員 三好 陽さん) ◆◇ 



私は在ラオス日本大使館にて草の根外部委嘱員として
主に草の根の案件形成等に関わる仕事をしています。

ラオスでは青年海外協力隊(職種:経済)、日本国際ボランティアセンター
ラオス事務所農村開発プロジェクト担当者時代を含め約7年間、
同国の開発関連業務に携わってきました。

現在草の根・人間の安全保障無償資金協力に関わる仕事をする中での
自分なりの考えを率直に書き記したいと思います。

私は過去数年間村落開発に携わってきましたが、
村落開発を行う上で私が考える良いプロジェクトというのは、
経済、環境、コミュニティーの3つの要素がバランス良く組み合わされている
プロジェクトであり、現在の草の根業務に携わっている時も
この考え方を念頭に置き、仕事をするようにしています。

経済的効果、環境への配慮はもちろん重要ですが、
プロジェクトを実際に実施するのはコミュニティーであり、
コミュニティー開発が3つの分野の中で一番重要だと考えています。

つまり草の根案件についても、
申請されたプロジェクトの内容ももちろん重要ですが、
そのプロジェクトを行う団体の意識や考え方などにより、
プロジェクトの効果も変わってくるということが言えると思います。

日本はラオスにおいて無償支援、有償支援、技術協力などを通して、
様々な分野への支援を行っています。
草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じても教育・保健分野を中心に
多い年度には50件以上、本年度も20件近い案件の支援を行っています。

ラオスではローカルNGOの存在がラオス政府により認められていないため、
NGOが被供与団体となるケースは比較的少なく、
案件の申請者の多くが地方公共団体(県、郡、村)となっています。

ラオスという国は家族の繋がりが非常に強く、
家族内でお互いが助け合い生活をしており、
相互扶助の精神が息づいています。

また、家族内だけでなく、社会的にも
持つものが持たざるものを助けるという習慣があります。

助け合いや協力と言う意味では良いことだと思うのですが、
他人への依存体質を生むという面もあります。
外国からの援助においても、
自助努力無き依存が見受けられることが多々あります。
草の根無償もこの例外ではなく、自助努力で賄えそうな物でも
申請してくるようなケースも見受けられます。

草の根無償に関しては、ラオスの場合、
「小学校建設プロジェクト」が過去の事例では一番多く、
同プロジェクトの場合は申請者の多くが村のコミュニティーです。

草の根無償では申請書類をチェックをした後、
現地の調査を行っているのですが、村の教育に関する意識というのも様々です。

ウドムシン小学校
ウドムシン小学校

また、多くの村は学校が完成したら、プロジェクトは終了と考えています。
実際は完成した学校をいかに有効に持続的に利用できるのかが、
そのプロジェクトの効果を計る上で重要なのですが、
学校は先生と生徒のものであるという考え方から、
村ぐるみの利用や管理というのはあまり考えていないようです。

この点に関しては、学校は教師・生徒だけの物ではなく、
村あるいはコミュニティー全体で所有するものであり、
住民が協力し管理運営していくべきとの説明もしています。

また、当館では学校建設を行う際、県や郡の教育局と協力し、
教師の人員確保や完成後の管理・利用の指導など一部の責任を
負ってもらうようにしています。

さらに村側には校舎周辺の環境整備(学校周辺の柵を村人独自で
作成してもらう、校舎及び周辺の清掃を心掛けるなど)
の責任を持ってもらうようにしています。

草の根にて支援した案件を完成後、生かすも殺すもコミュニティー次第であり、
その為には建設物はコミュニティーの所有物であり、
そのコミュニティーの活動に有効に利用していくという意識が必要と考えます。

草の根外部委嘱員は小さな草の根プロジェクトが一つのきっかけとなり、
コミュニティーの活性化がなされればと考え、
コミュニティーの人々と、
草の根案件をより有効に活用するにはどうしたら良いか、
現在の管理利用に当たりどのような問題点があるのか、
問題を解決するにはどうしたらよいかについて一緒に考えています。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆政府開発援助に関する中期政策(2005年2月4日)(全文(PDF)・骨子)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2005/05t_7_1.htmlPDF
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/chuuki/koshi_050204.html

◆有償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_23.html

◆無償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_21.html

◆政府開発援助に関する中期政策(政府案)(2005年2月3日付)(PDF)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2005/05t_7_2.html

◆政府開発援助に関する中期政策(案)に関する意見募集の結果について(PDF)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/chuuki/pdfs/iken_kekka.pdf

◆日本NGO支援無償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/ngo_m17_01.html

◆政策評価法に基づく事前評価書(南アフリカ共和国)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2005/05t_7_3.html





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