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ODAメールマガジンバックナンバー


□●□ ODAメールマガジン □●□ 2004年12月22日発行 第57号
 今年、最後のODAメールマガジンの発行となりました。今回は、平成16年ODA民間モニター・中国班から「13億の人民へのODA」、南アフリカから「「虹の国」南アフリカ共和国」と、中国から「日中環境協力の現場から「二度目の挑戦PART II」」をお届けします。

 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を次々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した民間モニターの方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


 ◆ODAホームページ
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html

 また、このODAメールマガジンの内容について改善していきたいと考えておりますのでご意見・ご要望がありましたら、こちらからどうぞ。

 ◆ご意見・ご要望 Eメール:ご意見メール


 ○● トピックス ●○

 ○2005年版ODA白書ご意見募集のお知らせ
 ○13億の人民へのODA
  (原稿執筆:平成16年度ODA民間モニター・中国班
   高井 いずみさん)
 ○「虹の国」南アフリカ共和国
  (原稿執筆:在南アフリカ共和国 青年海外協力隊員(数学教師)
   三村 良平さん)
 ○日中環境協力の現場から「二度目の挑戦PART II」
  (在中華人民共和国 JICA専門家(日中友好環境保全センター派遣)
   小柳 秀明さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報




 ◇◆ 2005年版ODA白書 ご意見募集のお知らせ ◆◇ 

 外務省では現在、2005年版ODA白書の作成に向けた準備を進めています。
 2004年版の感想、改善すべき展や今後取り上げてほしい内容等について、
 皆様のご意見・ご要望がありましたら、こちらまでお寄せ下さい。

odawhitepaper2005@mofa.go.jp
(募集期間:平成17年2月14日まで)

2004年版ODA白書
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0457_1.html   
 


 ◇◆ 13億の人民へのODA  
(原稿執筆:平成16年ODA民間モニター中国班
 高井 いずみさん) ◆◇ 


 正直難しい国に当たってしまったと思った。ここ数年日本の世論は対中ODA廃止に傾いている。このところの中国批判が例え一過性の感情論だったとしても、今後も対中ODAが削減される流れは変わらないだろう。中国にODAを行うべきかどうかは自分の中で結論を出すつもりは無いが、私は中国という国について、日本人、或いは中国人一般が理解しているほど単純な論理では語れない国なのではないかという感想を持った。不安定な社会を念頭に置けば感染症対策や教育といった重点支援分野に即してODAを行う事はそれなりに理に適っている。いずれにしろ10年後20年後に今と同じ状況が続いているとは考え難く、現在の状況のみに基づいてODAの是非を論じない方がいいと個人的には思った。

 さて、今回私は初めてODAの現場を見た訳だが、青年海外協力隊を始めとする現場スタッフの方々には素直に称賛を送りたい。人材交流が今後ODAの核となるのは間違いなく、それに資金援助をどう絡ませるかが課題だ。物的援助は不要という声もあるが中国という広大な国で効果を挙げるには大きなプロジェクトが必要になる。ただ今回視察した限りでは、大枠で中国国内の資産再配分を促す必要があるように思った。中国政府も無論それに取り組んでいるのだろうが、不十分であるしまたそれが上手くいかないのが、中国の難しい所なのかも知れない。開発途上の過程で地域格差が生まれるのは致し方ないが普通の開発途上国は宇宙には行かない。今回見た人材育成の案件でも債務を負うのが中央政府なら大学自体の返済能力は大きな問題ではないはずなのに、資金力のあるところに資金を融資しているからどこか矛盾を感じてしまった。大学の資金力をさほど考慮せずとも日本は様々な技術をもって中国が独自で資金の流通を行うより効果をあげられるのでは。開発金融においては世銀などでも様々な問題が指摘されるしJBICと外務省も充分それに留意しているものと思うが、日本は世界第二位の援助国として是非パイオニアになって欲しい。同時に私は中国政府が日本の援助方針に配慮している事を否定する訳ではないし、そこにどんな複雑な問題が絡んでいるのかは分からないが、最大効果の得られないODAは両国にとって不幸と言える。

 中国政府が自身の問題点について努力している、と日中関係者から度々聞いたように思う。最近成果主義化する日本ではノスタルジックな響きだが、多くの面でそう信じられても中国の外交姿勢が対中感情悪化を煽れば全て台無しだ。何にせよ、なるようにしかならない。13億の人民に他国のODAは焼け石に水か否か。


 ◇◆ 貧困撲滅と黒人の地位向上を目指して  
(原稿執筆:在南アフリカ共和国 青年海外協力隊員(数学教師)
三村 良平さん ◆◇ 



 はじめまして、「虹の国」南アこと南アフリカ共和国で、国際協力機構(JICA)による青年海外協力隊員(数学教師)として現地のとぉってもローカルな地マラピャネってところ(名前が可愛いでしょう)で活動している三村良平です。

 僕の仕事は、現地の教員ともども地域の数学教育を向上させること。そのため先生たちと勉強会を開催したり、教科についてワークショップを行なっています。日本からの援助で行なわれている理数科教師再訓練計画(MSSI)にも毎回参加(今年は3回)、ファシリテイターとして活躍しました。

 メインの活動は学校訪問。中・高等学校に行き授業を見学、時には先生と一緒に授業をサポート、教壇に立って生徒に教えることも...。アパルトヘイトの弊害(黒人は白人と同様の教育がうけられなかったため)がいままさに先生達に降りかかってます。

 先月、赴任以来(2003年4月赴任)交流を温めていた小学校(Maduma Primary)で、初めてのイベント「Balloon Festival 2004」を行ないました。1か月の準備を終え、いざ初チャレンジ!日常、風船に触れることが少ない生徒達は大喜び。

 G456には犬、帽子をG123には帽子とペイント。いろいろハプニングはあったけど、みんな風船をふくらまし、各々に一生懸命でした。休憩時間も出来上がった動物や、帽子を身につけて大満足(^o^)/の様子でした。自分達でなにかを作り上げる楽しさをあまり知らない子供達、そんな子供達の満足気な笑顔がとても心に沁みました。午後からは、「椅子取りゲーム」と「じゃんけん大会」。さすが、音楽とダンスが普段の生活に入っているだけあって、先生もリズムをとってダンスダンス、生徒達も音楽に乗ってダンスダンス。じゃんけんは低学年の生徒には難しかったようです(笑)。ちょっとした国際交流のひと時でした。この様子は、学校新聞にも載るらしいので、楽しみです。

 南アという国は、一言で表現するにはすごく難しい国。11の言語、様々な人種(Races)、多種多様な文化や慣習が混ざりあっている国。100キロメートル離れてしまうと、全く言葉が異なる不思議な国。アパルトヘイト撤廃10周年を迎えました。現在、南アはネルソン=マンデラさんの提唱した「虹の国」にむかって直進中です。

写真 写真

 アパルトヘイトを撤廃した南アフリカ共和国は、今、貧困撲滅と黒人の地位向上を目指した経済社会改革を進めています。このような努力に対して、日本は人造り、基礎教育、保健・医療、中小企業振興、環境及び南部アフリカ地域協力等の分野に重点的に支援を行っています。2002年までに日本が南アフリカ共和国に対して行った支援は総額にして約123百万ドルになります。

 今年春、南アフリカ共和国でも安全な水の供給が遅れている東ケープ州で日本の無償資金協力を活用して12基の給水施設が完成し、13の村の114か所に水栓口ができました。3月24日には、その内の1つの水栓がある小学校で完工式が行われ、南アフリカ共和国側からはシュレイナー水資源森林省副次官の他に地元の人々や子供たちが、日本側からは重家駐南アフリカ共和国大使が出席しました。写真は完工式での汲みたての水での乾杯の様子と、完工式で披露された地元の子供たちも参加してのダンス・パフォーマンスです。完工式は朝11時頃から日暮れ時まで続きました。

 この12基の給水施設で13の村に住んでいる2万3千人の人々に安全な水が供給されますが、第二期工事も今行われており、さらに8の村にも給水施設が普及する予定です。

写真 写真
写真


 ◇◆ 日中環境協力の現場から「二度目の挑戦PART II」  
(原稿執筆:在中華人民共和国 JICA専門家)
(日中友好環境保全センター派遣) 小柳 秀明さん) ◆◇ 



(この話は2004年2月12日発行第36号の続きです)

内蒙古での祭りのひととき
内蒙古での祭りのひととき
再び中国の地に
 私は1997年から3年半、中国・北京にある日中友好環境保全センターにJICA技術協力プロジェクトの専門家として赴任しました。日本政府の集中的な投入の上に立って実施されたこのプロジェクトは、日中双方から大きな成功という評価を得て、プロジェクトは第1回JICA賞(JICAが実施した世界で最も優れたプロジェクトに対して贈られる賞)の受賞、私個人も中国政府から国家友誼奨という外国人専門家に贈られる最高の賞を受賞しましたが、当時私は自分の仕事ぶりに満足できませんでした。
 そして、帰国して2年後の2003年3月、私は三つの課題を自らに課して再び中国の地に戻ってきました。

三つの課題
 現在、対中ODA批判が強い中で、「効率的な協力のあり方を探りそれを実践する」ことを一番目の課題にしました。日本国内で対中ODAについて様々な議論、検討がなされていますが、如何にして批判的視点にも耐えうる協力を行っていけるかを考えてきました。また、実際に環境が悪化し、改善のための協力が必要とされているのは各地方の現場ですから、日中友好環境保全センターを協力のベースキャンプにして「地方への協力を展開する」ことを二番目の課題にしました。三番目は、「中国側から自分が本当に必要とされる専門家をめざす」ことでした。即ち、私がODAとして担いでいる日本政府のカネとモノ目当てではなく、私の専門家としての能力が本当に必要とされるかどうか、専門家の名に値するかどうかの裸の真剣勝負です。この三つの課題へのチャレンジが私の「二度目の挑戦」でした。

三峡ダムからの放水
三峡ダムからの放水
開発が進む内蒙古の湿地・草原地帯
開発が進む内蒙古の湿地・草原地帯

中国が直面している課題
 ところで、中国では今、どのような環境問題に直面し、解決を迫られているのでしょうか。大気汚染、水質汚濁はもちろんのこと、黄砂、酸性雨、土地の荒廃、砂漠化、森林の減少、廃棄物、有害化学物質汚染など環境問題のデパートといってよいほど多くの課題を抱えていますが、これらすべてを包含する大きな課題として「持続可能な開発」、即ち、「資源・環境問題を克服しながら成長を続ける」という難問に直面しています。

20年間で4倍の成長をめざす
 日本がかつて通ってきたように中国でも現在高度経済成長のまっただ中です。「2000年から2020年までの20年間で4倍の経済成長を実現する」ことを国の目標として掲げ、国民全体が「少しゆとりのある社会」を享受できることをめざしています。この目標を堅持しながら同時に資源・環境問題を克服しようとしているのです。

企業環境保護監督員制度に関する地方ヒアリング
企業環境保護監督員制度に関する
地方ヒアリング
貴陽市を訪問された加藤登紀子国連環境計画親善大使と(右が筆者)
貴陽市を訪問された
加藤登紀子国連環境計画親善大使と
(右が筆者)

循環型経済
 日本では耳慣れないこの言葉は、今急速に中国国内で広まっています。日本の「循環型社会」という概念に近いものですが、「省資源、省エネルギー、資源の循環利用を実現し、環境問題にきちんと対処したうえで経済発展をめざす」ことを目標とした取組全体を表したものです。「資源・環境問題を克服しながら20年間で4倍の成長をめざす」ための取組として今日中国政府が最も力を注いでいるものです。私は「循環型経済」分野での協力を重点の一つにしました。この分野では日本が世界で最も知識、経験、技術を有しています。

全国を回る
 赴任当初思うように進まなかったのは第36号で紹介したとおりですが、それでも何らかのきっかけを見つけては、発展の遅れている中西部地域を中心に全国各地に出かけました。地方での私の協力のツール(道具)は技術移転に必要な資料を目一杯詰め込んだノートパソコンとプロジェクター(投影機)、あとは私自身の知識、経験と私を後ろで支えてくれる日本の関係者との繋がりを保つ携帯電話一本のみ。こんなことで大丈夫かという不安を抱えながらも次第に同じ地方に二度三度足を運ぶようになり、最後には相手側がすべての費用を負担して、その地方で研修やセミナーを開き、多くの人に私の有している知識や経験を伝えることが出来るようになりました。
 2003年4月以来毎月のように18回も足を運んだ貴陽市(北京から約2,000キロメートル)では、今年(2004年)11月、中国で初めての循環型経済を推進する条例が制定されました。

貴陽市の大気汚染改善状況の記録
貴陽市の大気汚染改善状況の記録
貴陽市でのセミナー
貴陽市でのセミナー

真っ黒になった日程表
 私が中国の環境協力に「二度目の挑戦」に臨んでからまもなく2年を迎えようとしています。この間、52回(約52週)に渡り中国の全国各地に足を運んで現場を見、「出前」の指導をして来ました。外国人が入ることのできない中国人内部の会議にも特別に声をかけられるようにもなりました。
 「あなたは一体何をしてくれるの?」と言われんばかりの新人セールスマン状態からスタートした協力でしたが、最近ではようやく自分で納得のいく協力が出来るようになったような気がします。白さが目立った私の執務室の白板もすき間のないほど協力業務の日程で埋まるようになりました。

二度目の挑戦で見つけたもの
 今も私の仕事を手伝ってくれる助手の孟梅が、地方からの電話の応対に追われています。
 「小柳先生は、次はいつ来てくれるのですか?」
 日程表をぼんやりと眺めながら、
 「予定を入れる隙間がないし、これでは身体が持たないよ。」
 とぼやいている私を見つめて、
 「先生は、忙しくて本当に楽しそうですね。」
 と彼女が微笑む時、そこに私の「二度目の挑戦」の答を見つけることが出来たような気 がします。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆2005年版ODA白書:ご意見募集中

http://www.mofa.go.jp/mofaj/comment/now/index.html

◆国際協力50周年記念事業・関連事業カレンダー(更新)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/annai/50/ calendar.html

◆政府開発援助(ODA)白書 2004年版

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0457_1.html

◆有償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_23.html

◆無償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_21.html

◆政府開発援助に関する中期政策(案)公聴会の会場決定

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/chuuki/kochokai.html

◆フィリピンにおける集中豪雨被害に対する緊急無償資金協力について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0457_2.html

◆パレスチナ自治政府長官選挙に対する緊急無償資金協力について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0457_3.html





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