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ODAメールマガジンバックナンバー


□●□ ODAメールマガジン □●□ 2004年11月24日発行 第55号
 ODAメールマガジンは第50号からODA民間モニターに参加した方のお話も含めた3話をご紹介しています。今回は、平成16年ODA民間モニター・インドネシア班から「「百聞は一見にしかず」」、パキスタンから「活動の中で学ぶ「今」の過ごし方~パキスタン首都イスラマバードで~」と、ベネズエラから「ベネズエラ・アルテサニア達がつどうマルガリータ島民芸品店の発展実状」をお届けします。

 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を次々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した民間モニターの方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


 ◆ODAホームページ
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html

 また、このODAメールマガジンの内容について改善していきたいと考えておりますのでご意見・ご要望がありましたら、こちらからどうぞ。

 ◆ご意見・ご要望 E-mail:ご意見メール


 ○● トピックス ●○

 ○「百聞は一見にしかず」
  (原稿執筆:平成16年度ODA民間モニター・インドネシア班
   大前 悦子さん)
 ○活動の中で学ぶ「今」の過ごし方~パキスタン首都イスラマバードで~
  (原稿執筆:青年海外協力隊 平成15年1次隊
   作業療法士、保健省国立身障者病院配属
   中村 賢二さん)
 ○ベネズエラ・アルテサニア達がつどうマルガリータ島民芸品店の発展実状
  (原稿執筆:青年海外協力隊 14年度3次隊 経済
   伴 裕子さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報




 ◇◆ 「百聞は一見にしかず」   
(原稿執筆:平成16年度ODA民間モニター・インドネシア班
 大前 悦子さん) ◆◇ 


 当初の応募目的は、単純に「ODAって海外でどんな支援をしているの?」といった安易なものでした。しかし、事前勉強会で、近年になって新たに、ODAの目的として"日本の国益の為"という内容がつけ加えられたという話をお聞きしました。ODA支援によって日本が受ける国益って何だろう?あまりにも漠然としており、その場ではどうもすっきりせず、今回は案件ごとに、その結果得られる日本の国益について考えながら視察しようと決めました。私が訪問したインドネシアは、日本が支援するODA実績の中で1番の地位を占めていましたが、歴史的背景を含め勉強不足だったこともあり、正直どうしてこの国に?という疑問も持っていたのも事実です。しかし視察中はそんなことを考える余裕さえなく、日本で当たり前と思っていたことが、インドネシアでは国民の考え方も含めてあまりにも異なっており、ODAの支援内容以上に、その国が抱える問題の深刻さというものを痛感させられました。また、支援に携わっている人々に共通していた「物は与えず、彼らの自発心を育てよう!」という姿勢にも共感いたしました。人道的援助は大切なことですし、空港建設や治安がよくなれば、日本企業がより参入しやすくなる等の説明もわかります。でも、どうしても"日本の国益"という言葉がひっかかって頭から離れませんでした。しかし、全ての視察終了後に伺ったある職員の方の「日本から現地にやってきて、日本は他の 国に助けられているのだなあとよくわかるようになった」という一言が、今回着目した1番の疑問を解決するきっかけとなりました。石油を例に説明して下さったのですが、マレーシアとインドネシアを挟んだマラッカ海峡は、中東からの石油輸送ルートであり、日本の貿易を支える大動脈です。その要所が不安定になってしまったら、日本には石油が届きません。インドネシアの安定と発展をお手伝いすることは、その国の為になるのはもちろんのことですが、やはり日本の国益にも結びついていたのです。各案件のそれぞれの成果も、長い目でみても、やはりインドネシアの発展に結びついていました。帰国後、父親がガソリンの値段があがったことに驚いていました。あまりにタイムリーな発言だったのですが、このように気付かないところで、世界情勢というものは我々に密接に影響していることを感じさせられた次第です。「百聞は一見にしかず」という格言は、まさに今回参加させていただいたODAモニター視察に当てはまった言葉で、私自身のODAに対する考え方はかなり変わりました。これからはもっと幅広い視野で、ODAを含め、世界情勢と日本の関係を眺めていきたいと思います。


 ◇◆ 活動の中で学ぶ「今」の過ごし方
    ~パキスタン首都イスラマバードで~  
(原稿執筆者:在パキスタン 青年海外協力隊 平成15年1次隊
 作業療法士、保健省国立身障者病院配属 中村 賢二さん) ◆◇ 


 私はパキスタンの首都イスラマバードで、青年海外協力隊の活動を行っています。国立身障者病院というところで、リハビリテーションの職種である作業療法士として働いています。こちらに来てちょうど半年、不安いっぱいで始めた活動ですが、拙いながらも現地語であるウルドゥ語を使い、少しずつですがコミュニケーションが取れるようになってきました。病院スタッフとのチャーエと呼ばれる甘いミルクティーを飲みながらの雑談も楽しいものです。
 さて、私が働く病院は国立病院ということで治療費が安く、経済的に貧しい人たちも多く来院します。親戚を頼るなどして、遠く100キロメートルほど離れたところからも、治療や訓練に通っている人もいます。中には経済的な理由で、1度しか来られない人や、1~2か月に1回しか来られない人もいて、そんな時には家族への指導を中心に行います。説明用の絵を渡し、“繰り返し、継続して訓練していくことが大切”ということを、くどいくらいに説明しています。自分の語学力のなさを痛感しながらも、表情や身振り、絵など使える物はすべて使いながら汗をかきかきしなから説明します。
 一方、総合的なリハビリ訓練を受けることができるということで、近隣からは経済的に裕福な層の人たちが毎日のように通ってきます。ここでは1回1回の質の高い訓練が要求されます。これも汗をかきかき、日本で行ってきたことを基本にして訓練を行っています。日本とは比べられない程患者さんの間で、経済格差があること、これがこの国の特徴のひとつです。
 また加えて、この国の大きな特徴は国民の97%がイスラム教徒であることです。このため訓練にもいろいろ影響します。例えばラマダン(断食月)。日の出から日の入りまで食べ物の他水すらも口にしない。病気を持っている人は断食をしなくてもよいのですが、リハビリに来る人たちは付き添いに連れてきてもらう場合が多く、また、症状が安定しているので患者さん自身が断食している場合も多いです。約1か月続くラマダン中は、週を追うごとに来院する患者さんの数が減っていきます。リハビリ訓練では患者さんの意欲が非常に大切なのですが、1か月近く訓練を休むと、知らず知らずこの意欲が低下し、断食を境に来なくなってしまう患者さんも多くいます。ラマダンにさしかかる頃は、患者さんの連絡先を予め聞き、連絡することの大切さを、ラマダンの期間が終わって初めて悟りましたが、時既に遅し。来年こそはしっかりやろうと思っています。
 この国の特徴をもうひとつ。私が働く部門は新設ということで、部屋を開設するために必要な備品購入を当初から病院に依頼しているのですが、机や棚など大きな物はいまだ購入まで至っていません。私の部門をはじめ病院側も必要性を理解しており、すぐに購入手続きを進めると回答が得られるのですが、これがなかなか動きません。
 私には、「今この場では私は努力した。しかし、その先で手続きする人のことまではわからない」と言っているかのような印象を受けます。このため、物事が進んでいなくても本人はサボっているとか、怠惰だという意識は全くないのかもしれません。こんな時でも大切なのは、ことある事に手続きを進めてもらうよう、まめにお願い(もめない程度に)することです。その場では「がんばろう!」としてくれることも多いので、とにかく繰り返して働きかけることが大事。この国では、今を大切するという意識があるように感じられます。来たる心配に心を奪われず、チャーエを飲み、話しながら、ゆっくりすることが 非常に大切、今この目の前の時間をそうして過ごすことが節心的な豊かさなのだという意識も垣間見られるような気がします。
 いつも追いつめられたように仕事を進める私は、活動の中でのいろいろな軋轢の中で、「今」の過ごし方を少しずつこちらも学んでいるようにも思います。活動として何か形のあるものを残したい、「今」をどのように過ごせば豊かなのか、その狭間で時にはとことん悩み、時には心地よく揺れながら、自分の人生の1ページをここで過ごしています。


 ◇◆ ベネズエラ・アルテサニア達がつどうマルガリータ島民芸品店の発展実状  
(原稿執筆者:青年海外協力隊 14年度3次隊 経済 伴 裕子さん) ◆◇ 


目印の魚です
目印の魚です
 ここは、ベネズエラ、マルガリータ島です。上を見上げると、青い空がまぶしく太陽が容赦なく照りつけています。昼になるとしぼんでしまいますが、真っ赤なハイビスカスが毎朝庭に咲いています。
 道にマンゴーが落ちていたり、野良トカゲが横切ったりする道を抜けると、常夏のマルガリータ島のメインストリートにあたります。そこで、アルテサニア(民芸品)を取り扱うARCA(アルカ)というお店に出会います。入り口には大きな陶器の魚がカラフルな衣装をまとって、観光客を待っています。中に入ると、手作りのお面や、ガラス細工のキャンドル入れ等、マルガリータ島をモチーフにした絵画等がセンスよく並べられています。
 自己紹介が遅れました。私は今、青年海外協力隊14年度3次隊で経済隊員として派遣されている伴裕子と申します。赴任して早一年が経ち、マルガリータ市民一年生もそろそろ卒業といったところでしょうか?活動内容は、以上に述べました店舗の管理方法の提案や、利益確保の為の活動を行っています。

店内の様子
店内の様子
 店舗の管理方法としては、商品の入荷時と販売時に数量の変動を記入しておきます。こうすると、今何がどの位あるか一目でわかるようになります。また、入荷予定額や、予定入荷数がたつようになります。マルガリータ島は観光地の為に、バケーションの時期の8月になると多くの観光客が訪れるようになるので、それに見合った適切な生産量をコントロールできるようになればいいなあと思っています。そんなシステムを現地の人と毎日奮闘して作成しています。現在は棚卸(店舗にある商品を全部数える作業)を実施しています。一通りできあがると、そのシステムに商品写真を入れたりするといいんじゃないか?という現地側の要望がありました。そこで今一度、手直しを施しています。棚卸を実施しても、次の日に「あら、何が売れたかつけていないわ」などという事があり、悲しくなる場面があります。まだまだ先が長くなりそうです。
 ところで、今日の日本では、POSシステム(コンビニエンス・ストアでよく見るバーコードです)がほんどの店舗で導入されていると思います。そのPOSシステムがあると、何が何個売れたかなどの情報が一瞬にしてわかるのです。しかし、この店舗にはPOSシステムはおろか、レジさえもまだ配置されていません。無謀、そしてもしかしたら無駄になるかもしれない、という覚悟の上で、手動で売れたものをつけてもらい、月末に集計しています。すると売れ筋商品が明らかになりました。その商品を売り場から切らさないようにすると、売り逃しがなくなるのでは?と現在実験中です。
 ベネズエラは日本のほぼ裏側に位置していますが、お近くに来た際には、是非お立ち寄り下さいませ。マルガリータ島の原色をそのまま用いたアルテサニアと、店頭に飾った大きなお出迎え魚がお待ちしております。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆ODAタウンミーティング「ODA50年-国際協力と人材育成」開催のご案内

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/mail/bn20041119.html#1

◆無償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_21.html

◆平成16年度 ODA民間モニター報告書

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0455_1.html

◆国際協力50周年記念事業・関連事業カレンダー(更新)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/annai/50/ calendar.html





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