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□●□ ODAメールマガジン □●□ 2004年11月11日発行 第54号
 ODAメールマガジンは第50号からODA民間モニターに参加した方のお話も含めた3話をご紹介しています。今回は、平成16年ODA民間モニター・フィリピン班から「『教育』と『環境』」、グアテマラから「青年海外協力隊に対するケツァール勲章叙勲及びベルシェ大統領に対する国民の期待」と、ベネズエラから「カリブの真珠マルガリータ島で奮闘中」をお届けします。

 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を次々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した民間モニターの方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


 ◆ODAホームページ
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 ○● トピックス ●○

 ○『教育』と『環境』
  (原稿執筆:平成16年度ODA民間モニター・フィリピン班 原 義智さん)
 ○青年海外協力隊に対するケツァール勲章叙勲及びベルシェ大統領に対する国民の期待
  (原稿執筆:在グアテマラ日本国大使館 現地職員)
   (平成11年度3次隊青年海外協力隊OB)高岡 秀行さん)
 ○カリブの真珠マルガリータ島で奮闘中
  (原稿執筆:海外青年協力隊14年度3次隊 水産資源管理 岡本 ゆいさん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報




 ◇◆ 『教育』と『環境』   
(原稿執筆者:平成16年度ODA民間モニター・フィリピン班 原 義智さん) ◆◇ 


 今回、私が民間モニターとしてフィリピンを訪れるにあたり、『教育』と『環境』の2つの項目を重点的に評価した。教育は人を造り、将来の夢を育む。環境は健全な体力を維持し、子孫に健康的な生活を引き継ぐために必要不可欠なものであると考えるからである。今回の12案件のうち、教育関連が7件、環境関連が3件であり、現地での実施状況だけでなく、現地の方々の貴重な声も聞くことができ、大変有意義であった。今回の全12案件については、携わる人々が目的意識と将来ビジョンをしっかり持っていることがわかった。どこにいっても、大使館員やJOCV、現地の方々の努力や苦労が窺えた。
 教育に関しては有償・無償援助から草の根まで、フィリピン人と真摯に向き合い、直接対話をしながら有効な協力が概ねなされていると感じた。ストリートチルドレンや身体障害者が、普通の教育を受けられるシステム作りはまだ遅れているが、これから改善されていくだろう。技術援助についても、よいところは日本から学び、フィリピン流の技術を模索しているところであり、将来が期待される。
 環境に関しては、まだ不十分であると感じた。『将来はフィリピンをどういう国にしたいですか?』と、現地の方数人に聞いてみると、農業国でも工業国でもなく、大半の人も『観光地』と答えた。フィリピンはまだ自然に恵まれている。しかし、街の至る所にごみは散らかり、衛生的にも劣悪であり、そのせいで疫病が蔓延している。
 これでは、観光客の足も遠のき、外貨を稼ぐのは難しい。また、自然環境の破壊は日本にもまったく無関係ではない。海を越えて、風に乗って、必ず影響を及ぼすことになる。更には、日本のシーレーンとしても重要な位置にある。この国の環境を改善することは、フィリピンだけでなく、日本の国益にもなると思う。今後、積極的な支援をすべきであると感じた。
 フィリピンに対するODAの特徴の一つに、『フィリピン政府の自助努力を尊重する』という概念がある。日本側から押し付けの援助にならないようにするためである。これは、現地の人に不要な産物を残さないためにも重要であると考える。しかし、今のフィリピンには経済をはじめとして、前述の教育、環境、保健、農業など、早急に解決すべき問題点が多すぎる。まだまだ全てが改善されるまでには時間がかかりそうだが、将来を見据えた援助を続けていただきたい。今日食べるパンのためよりも、今後どうやってパンを食べ続けていくかという事のために。


 ◇◆ 青年海外協力隊に対するケツァール勲章叙勲及びベルシェ大統領に対する国民の期待  
(原稿執筆:在グアテマラ日本国大使館 現地職員
 (平成11年度3次隊青年海外協力隊OB)高岡 秀行さん) ◆◇ 


隊員と挨拶
隊員と挨拶
 今年5月20日、国家文化宮殿にて、今年1月に就任したベルシェ大統領より青年海外協力隊員に対するケツァール勲章叙勲式が執り行われました。
 本式典には、当時派遣中の協力隊員40名及びシニアボランティア1名のうち、任国外研修中の協力隊員を除く37名の隊員が出席しました。
 ベルシェ大統領は式典挨拶にて、文化、民族、宗教の違いという垣根を越えて、世界60カ国以上にて卓越した技能、貴重な時間、学識、エネルギーを出し惜しむことなく開発途上国の発展のために奉仕する協力隊員の精神を、一つの行動模範として見習うべき旨称賛されました。
 その後、ベルシェ大統領は、整列した隊員の方へ歩み寄り、一人一人と握手を交わし、「どこで働いていますか、職種は何ですか、任地の食生活には慣れましたか」と話し掛け、全国各地にて地域住民と言語、衣食住を共にしながら活動している協力隊員に対し敬意、感謝の意を表明すると共に、時には冗談及び「アリガトウゴザイマス」と日本語も交え、隊員一人一人を鼓舞されました。
 一国の元首と間近に挨拶をするという貴重な機会を前に、当初、多くの隊員は緊張した面持ちでベルシェ大統領との挨拶に臨んでいましたが、ベルシェ大統領の優しい笑顔、親しみやすさは彼らの緊張を一瞬にして吹き飛ばしてしまうものでした。ベルシェ大統領が隊員一人一人と言葉を交わしていた場面を間近で見ていた私の脳裏には、長年離れ離れに住んでいた父と子が久しぶりに対面し、父が子に対し「お前、よくやっているぞ、その調子でがんばれ!」と励ましている場面が浮かんできました。
 協力隊員のみならず、我々関係者も改めてベルシェ大統領の温和で友好を重んじる人柄に魅せられました。
 ベルシェ大統領は、30分以上に及んだ全隊員との挨拶の後、更に20分以上に亘り協力隊員との写真撮影に喜んで応じて下さり、協力隊員とりかけがえのない思い出となったことと思います。
 ところで、ベルシェ大統領は、1991年から2000年にかけて2期に亘りグアテマラ市長を務め、首都グアテマラ市の「顔」として首都圏の市民に大変馴染の深い政治家であり、予てより広範な人望、実直且つ誠実な性格には定評があります。1991年には我が国の経済協力プロジェクト関連の調整のために訪日した経歴を有し、日本大使館主催の各種文化行事にも積極的に参加し、我が国に対し好意的であります。また、非常に家族愛を重んじることでも知られ、昨年の大統領選挙キャンペーン中には、多忙な地方遊説日程から合間を見つけてウェンディー夫人、5人の息子、沢山の孫を含む大勢の親戚と共に一家団欒する様子が何度かテレビ放映され、ベルシェ・ファミリーは一つの理想的な家族像として国民の羨望を受けています。
 現在、グアテマラ政府は数々の問題を抱えています。数例を挙げれば次の通りです。
  • 前政権時代の汚職、低い税収率等に起因する深刻な財政難
  • コーヒー国際市場取引価格の暴落による国内コーヒー産業への打撃、不安定なグアテマラ内政を嫌って低調な外国からの投資等に起因する雇用不足、経済成長の低迷
  • 警察官の絶対数及び養成不足、脆弱な検察及び司法システム、不法銃器の氾濫等に起因する暴力事件の多発
  • 国民の4割以上を占め、その多くが貧困状況にある先住民とその他国民との間の社会・経済的格差

集合写真
集合写真
 これらの問題は、その多くが歴史的背景に基づく複雑な相関関係を有し、度ある毎にデモによる道路封鎖等の形で国内各地で火の手があがり、現政権はその消火活動にあたふたしているというのがこれまで7カ月間の現政権の取組に関する個人的印象です。しかし、その一方で、税制改革、軍の縮減を断行し、公共支出の透明性強化にも努めており、その他の根本的な問題についても、ベルシェ大統領の持ち味である「対立を避け、常に和を重んじる」姿勢で着実に取り組んで行きたいという気持ちが感じられます。
 また、ウェンディー夫人も、主に社会的弱者を対象とした社会開発事業に精力的に努めており、先日新聞に掲載されたインタビュー記事には毎朝4時半に起床しているとのコメントが記載されていました。
 現在のところ、多くの国民及び国際社会はベルシェ大統領の取組を好意的に見守っているおり、亀の歩みではあっても着実に国が良くなっているという希望を抱いているように見受けられます。


 ◇◆ カリブの真珠マルガリータ島で奮闘中  
(原稿執筆:海外青年協力隊14年度3次隊 水産資源管理 岡本 ゆいさん) ◆◇ 


写真
 ベネズエラは、ブラジルとコロンビアに接し、ギアナ高地、エンジェル・フォールという滝がある国ですが、国名だけで、パッとこれらを連想される方はそう多くないのではないでしょうか?最近では、上質なベネズエラ産カカオが日本にも輸出されるようになったようで、日本人の生活に身近になりつつあるのかもしれません。現在は政情不安で、時折日本の新聞を賑わすのみですが、実際にこの国で生活してみますと、ボクシングの世界チャンピオン、野球選手、ミス・ユニバース常勝国として、名高い人々を世界に送り出している事に遅まきながら気がつきます。
 昨年5月、私は青年海外協力隊員として、北東部に浮かぶカリブ海に囲まれたマルガリータ島に着任しました。日本の沖縄を小さくした大きさのこの島は、全体が免税区。上質なワイン、ウイスキーから各種生活用品に至るまで、ベネズエラ中で最も安く手に入り、1年中、国内外からの観光客で賑わっている観光地です。気候は熱帯気候。乾季と雨季があり、陽射しは、日本の海で慣らしたはずの私の強靭な肌が、2日と置かずして水ぶくれと化すほど強烈です。
 州都からバスで20分の町に事務所を構えるNGOに勤務しています。主に性教育、エイズの人々の社会進出を手助けする団体で、コンピュータ技術等の職業訓練、人々が事業を起こす際の開業投資やそれに関連したセミナーを行っています。ここから更にバスで20分のところにある小さな漁師町が私の職場です。着任当初、不安、焦燥、上手く伝わらない言葉による憤りで混乱していた私を、ナサという伝統的なカゴ網による漁とカゴ網作り、カリブ海の特徴等、休日を惜しまず様々な相談に乗り、教えてくれたのは、他ならぬ町の漁師達でした。着任から1年が経過した今、私のかけがえのない友であり、カリブ海の師である漁師達のコミュニティーに入り、その仕事を学びながら共にニーズを探り、新 しい資源開発、商品開発を行えるのは、一重にNGOと、この町の人々の協力のおかげです。
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 任地での商品開発の一環として、熱帯地域での保存食作りを行っています。1年中豊富に水揚げされる鰯を利用して、任地で手に入るもので任地のニーズにあった商品開発を目指しています。最初に取り組んだのは干物。それも、甘辛く味付けしたみりん干し。塩水に漬け込んだ鰯の開きを、アニスという甘い酒と、島でも入手可能な醤油に1晩漬け込み、翌日干しあげます。最近では「手が汚れる」「小骨が刺さる」など、試験販売の際に得られた意見により、手間は掛かりますが、中骨を取り除いた切り身を漬け込み、ゴマをふり、竹串に刺して作るようにしています。新鮮な鰯の味を知る漁師達とその子供達は別として、評判は上々。目下の問題点と言えば「焼く」という注意を聞かず、みんなが干 しただけの状態で食べてしまうことです。その他の加工品は、魚と海草フリカケ、揚げツミレ、はんぺん、酢漬け、カマボコ、酒盗、カツオの卵巣によるカラスミ(本来ならばボラ)等です。食生活の違いから、受けが良くないものや、改良中のもの、果ては失敗したものも含めると、数知れず。いずれも「これを試すといい」「これを作ってみて」とベネズエラを良く知る邦人の方々の意見が、大いに励みと参考になりました。
 赴任当初より力を入れている海草、海ぶどう養殖計画があります。熱帯地方に分布する海草で、沖縄で盛んに養殖され、未熟な私でも、研修時代にお世話になった方々のご指導の下、任地において天然採取による試験販売にまで漕ぎ着けました。今後NGO、漁師達の協力の下、資源管理、養殖への理解と取り組みといった新しい可能性へ、共に挑戦していく予定です。その他の活動としては、特定の海草エキスに、蜂蜜やグリセリン等を添加した石鹸があります。現段階では海草、ハイビスカスの2種類を観光客の土産用に試験販売中です。これは強いアルカリ性を示す苛性ソーダを使わず、市販の石鹸をすりおろして作ります。私の最大の目標は、任地に豊富にあるもので誰でも容易に作ることができる、その可能性を探すことです。
 ベネズエラは、特に日本人にはまだまだ馴染みが薄い国なのでしょう。何もかも新鮮な発見の連続と、時を同じくして、日本の四季折々の自然の移り変わりの素晴らしさを、同時に実感しています。陽気な人々と、歌に踊り、色鮮やかな果物や動物、それを育む豊かな自然。日本社会において忘れてしまった「何か」に、この国に来て、人々に触れ、近づいたような気がしています。残り1年、この良い機会を生かし、ベネズエラの人々と共に、活動を実り多きものにしていきたいと思っています。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆国際協力50周年記念事業・関連事業カレンダー(更新)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/annai/50/ calendar.html

◆無償資金協力(入札結果等の公表)(平成16年度・平成15年度)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0454_1.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0454_2.html

◆政府開発援助に関する中期政策(案)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/chuuki/new_041108.html

◆月刊広報誌「国際協力プラザ」2004年 10月号

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0454_3.html

◆有償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_23.html

◆日本NGO支援無償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/ngo_m16_10.html

◆文化無償協力の評価(概要・全文)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0454_4.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0454_5.html

◆パンフレット「ODA50年の成果と歩み」

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/pamphlet/oda_50.html





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