広報・資料 ODAメールマガジン


ODAメールマガジンバックナンバー


□●□ ODAメールマガジン □●□ 2004年10月6日発行 第52号
 今日、10月6日は、「国際協力の日」です。今から50年前の今日、つまり、1954年10月6日に日本はコロンボ・プランへの加盟を決定し、ODAを開始いたしました。本日ODA民間モニターの代表より逢沢副大臣に報告書を提出しました。この報告書は、ODAホームページでもご覧になれます。

 ODAメールマガジンは第50号からODA民間モニターに参加した方のお話も含めた3話をご紹介しています。今回は、平成16年ODA民間モニター・カンボジア班から「ODAに対する感想」、ペルーから「地球と汚水」と、ガーナから「電化による人々の生活向上を目指して」をお届けします。

 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を次々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した民間モニターの方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


 ◆ODAホームページ
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html

 また、このODAメールマガジンの内容について改善していきたいと考えておりますのでご意見・ご要望がありましたら、こちらからどうぞ。

 ◆ご意見・ご要望 Eメール:ご意見メール


 ○● トピックス ●○

 ○ODAに対する感想
  (原稿執筆:平成16年度ODA民間モニター カンボジア班 與那嶺 剛 さん)
 ○地球と汚水
  (原稿執筆:在ペルー リマ上下水道公社 
   「リマ南部下水道整備事業」プロジェクト責任者
   ギジェルモ・キスペ さん(訳:在ペルー日本大使館))
 ○電化による人々の生活向上を目指して
  (原稿執筆:在ガーナ日本大使館 経済協力担当 窪田 一等書記官)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報




 ◇◆ ODAに対する感想  
原稿執筆:平成16年度ODA民間モニター カンボジア班 
 與那嶺 剛さん) ◆◇ 


 私は、学校で社会科を担当していますが、国際理解教育、開発教育、人権教育に関わる単元を扱うことも多くあります。しかし、その中でODAをテーマの中心に据えて授業展開することはほとんどありませんでした。なぜなら、私自身がODAに対する理解が不十分であり、また教科書の中での取り扱いが量的にも内容的にも浅いものであることに、原因があると思われます。
 今回のODA民間モニターとしてカンボジアを視察し、またカンボジアでのODAの現状をみる機会に恵まれ、これまでのODAに対する認識が変わりました。
 例えば、マスメディアを通して報道されるような、日本企業に対する利益誘導型の要素は、カンボジアに関するODAでは感じられなかったこと、現地の意向を軽視するような援助国日本の考え方ややり方で進められているものではないこと、日本のODAで実施される援助事業については現地スタッフの人材育成やカンボジアの自立を促進するようなプログラムを可能な限り取り入れていることなど、これまで私が考えていた内容とはかなり違った、被援助国の側に立った実施プログラムが実践されていました。もちろんそれができるまでには様々な反省や批判を受け、内容の吟味や再評価等がなされた結果であることは言うまでもないでしょう。
 今回カンボジアでのODA案件を視察する中で、援助項目が特定の分野に特化するのではなく、バランスを考えたものになっていることが第一印象でした。カンボジア地雷対策センター(CMAC)への援助、母子保険センターでの活動、シハヌークヴィル港の整備、キエンクリエン孤児センターやシェムリアップ州立幼稚園への援助、プノンペン市上水道整備、アンコール遺跡の修復、UN-HABITATの活動への支援など、多岐にわたる分野へのODA が実施されていました。 これらは、カンボジアの自立的発展にとって基礎となるもので、現段階でカンボジアのみで成し遂げることは到底できないような事業内容であったと、私の眼には映りました。
 ODA 大綱にも示されているように、被援助国の自立や自立的成長を助け、また被援助国の人材育成を進めることがカンボジアでは行われていたことは、評価できるものでした。今後のODA について私なりに期待することは、無償資金援助や、円借款に代表される有償資金協力の在り方等については、被援助国の産業にも配慮したものであって欲しいということです。
 日本国民の国際貢献に対する思いのバロメータのひとつであるODAが、今後とも発展途上国の人々の人間としての尊厳の確保や途上国の成長に寄与することを念願して感想に換えたいと思います。


 ◇◆ 地球と汚水   
(原稿執筆:在ペルー リマ上下水道公社
「リマ南部下水道整備事業」プロジェクト責任者
ギジェルモ・キスペ さん(訳:在ペルー日本大使館)) ◆◇ 


 現在、日本はペルーに対し、円借款による14のプロジェクトを実施しています。このうち上下水道分野のプロジェクトは、ペルー側の高いニーズを反映して、全体の3分の1を占めています。
 今回は、これらのプロジェクトのひとつである「リマ南部下水道整備事業」のペルー側実施責任者であるギジェルモ・キスペさんから、プロジェクトに対する想いを綴った寄稿がありましたので、ご紹介いたします。
 「リマ南部下水道整備事業」の完成により、汚染が進んだリマの海岸が浄化されることが期待されています。

在ペルー日本大使館


写真 写真

 地球が誕生して46億年、この間、人類は、類人猿から人類の原型たるホモサピエンスへと進化してきました。人類が誕生してからの歴史はわずかなものですが、私たちは、私たちの住処であるこの広大な地球を環境問題から守っていくとの重要な役割を過去から引き継いできています。私たちは、家族や隣人とともに同じ時代に生きており、エコシステムを汚染する有害な要素を少しでも減少させるよう、協力していかなくてはなりません。
 私たちは、未開発地域から先進地域まで様々な開発段階で暮らしていますが、それぞれ、生活するにあたって生じる固形廃棄物、大気汚染、家庭汚水などを通じて、温室効果による気温の上昇、水の減少、水や大気の汚染、騒音、ゴミなどの環境問題だけでなく、干ばつ、土砂崩れ、水害などの自然災害をも引き起こしているのです。
 現在、世界には64億人もの人がいます。このうち、私の国ペルーには、128万5216キロ平方メートルの面積に2700万人が暮らしています。これを人口密度でみるとペルーは、1平方キロメートル当たり21人に過ぎませんが、中国の場合、133人となります。私たちはそれぞれの国において、こうした住民の生活を守る重大な責任を負っているのです。今後とも便利な暮らしや健康を手にしていくのは、みんなが大きな家族のような一つの共同体として一緒に行動していくことが重要です。
 南アメリカに位置するペルーの首都はリマにあり、現在800万人の人が暮らしています。ここで上水道の供給を行っているのはリマ上下水道公社(SEDAPAL)です。SEDAPAL(セダパル)はペルー政府による資金を受けて活動している公社の一つです。現在、リマでは毎秒18立方メートルもの下水が何の処理をされることなく海にそのまま垂れ流されていて、この結果、海岸は汚染され、観光など非工業型の産業の発展を妨げています。こうした汚水の垂れ流しにより、海岸への投資は困難となり、海水浴客の健康を害したり、海産物が売れなくなることにもつながっています。
 1996年、ペルーは、「リマ南部下水道整備事業」プロジェクトと命名された海岸の浄化を助けることを目的としたプロジェクトに対する126億6000万円にのぼる日本政府からの借款を具体化させました。ペルー政府は、このプロジェクトを実施するため、ローカルコストとして42億2000万円を支出することとしています。
 通称MESIAS(メシアス)として知られるこの「リマ南部下水道整備事業」プロジェクトに対する借款は、OECF(海外経済協力基金)、現在のJBIC(国際協力銀行)によってなされ、工事は1999年に始まりました。現在、プロジェクトの一角をなすサンフアンとウァスカルの2つの下水処理場が、SEDAPALで働く熟練労働者の手によって動き出しています。これらの処理場で処理された水は、ペルー保健省や農業省によって、灌漑用水、家畜用飲料水に使われることが許可されています。
 また、近く、サンバルトロの下水処理場が整備される見込みで、下水処理場とその周りに今後整備される予定の緑地を含めると400ヘクタールに達しますが、この緑地は砂漠化の進行を防ぐとともに酸素を供給する肺の役割を果たし、また、下水処理場から排出される処理済みの水は農業用灌漑用水として利用されることが期待されています。
 このように、ペルーは、JBICの融資を利用し、下水処理場の整備を通じて環境問題への取組に着手しています。


 ◇◆ 電化による人々の生活向上を目指して  
(原稿執筆:在ガーナ日本大使館 経済協力担当 窪田一等書記官) ◆◇ 


 現在の日本で電気のない生活を体験できるのは、人里離れた山の中や海岸でキャンプをする時ぐらいでしょう。けれども、途上国、特にアフリカ諸国では、電灯のもとで家族団らんの時をすごせるのは都市部を中心にした一部の人々に限られています。
 ガーナには、40年以上も前にボルタ川をせき止めて作った大人造湖ボルタ湖があり、その水を利用した水力発電所は独立国としての新生ガーナの国造りを牽引してきました。大都市の住民や工場に電気を提供し、ガーナの経済活動と社会サービスを支えてきたのです。しかし、地方に住む多くの人々は、一歩幹線道路から離れてしまえば、昔ながらの電気のない生活を強いられているのです。
 もちろん、ガーナ政府自身、そうした地域を減らすために国家電化計画を進めています。日本は、そうした取り組みを、数次にわたる地方電化事業として無償資金協力により支援してきました。
 その一つの取り組みが、同国中央部アシャンテ州を対象とした第四次地方電化計画です。2003年にはニナヒン地区、2004年には西アマンシ地区で、それぞれ3万8千人、1万9千人の人々が電気が来る日を待ちわびていました。ニナヒン地区には2003年12月、ちょうどクリスマスプレゼントのようなタイミングで工事が完了し、通電式が行われました。そのときの住民の感動は、夜、いつまでも電灯の下で友達と話していたい、本を読んでいたい、という子供たちの声にも反映されています。今年9月末でほぼ基幹作業が完了した西アマンシ地区でも、まもなくの通電を住民は心待ちにしています。
 今回の一連の工事は、同時に、日本人の技術者の現場での誠実な仕事ぶりがガーナの技術者、工事作業者に与えた影響を印象づける機会でもありました。
 昨年、ニナヒン地区の工事においては、いろいろな困難に直面しました。資材の規格の選択、搬送と検品など仕事の段取り、作業の組み立てなど、共通の理解が最初からあったわけではありません。また、日本の支援の対象部分と、ガーナ政府が責任を持って担当すべき地ならしなどの作業部分の連携がうまくゆかず、毎日現場での、時に厳しいやりとりがある中、工事の進捗がかなり遅れていたのです。しかし、ほんのわずかの気配りと時間をかけることによって、まっすぐに整然と並んだ電柱を立ててゆくことができることを目の当たりにし、マラリア禍に苦しみながらも異なる意見にもねばり強く説明を続け、実際の作業で範を示す日本の技術者への信頼感が醸成されてからは、ガーナ側の分担部分の能率もいつの間にか向上していました。実際、ほぼ同じ陣容で望んだ今年の事業地西アマンシ地区では、資機材の搬送から土木工事、架線など一連の作業はきわめて順調に進み、当初予定を2か月ほど前倒しで完工に至りました。この成果を振り返って、ある邦人関係者は、昨年の努力は無駄ではなかった、衝突を乗り越えるたびに築かれた信頼関係の成果である、と振り返っています。
 私たちが支援する「地方電化」は、電気を通すことがゴールではありません。電気のなかった町に電気が通ることによって、人々の生活の質が確実に向上すること、そして人々が地元であらたな仕事に就く機会が生まれることを目指しています。電化によって、夕方からも二部制で子供たちが学校で勉強できるようになったり、夜に具合が悪くなってもこれまでのように遠くの都市まで出かけることなく、近くの診療所で手当してもらえるようになることが、一つの目標です。また、より安い電動の製粉機が普及したり、今まではなかった製材工場などが地元に建つことが期待されています。また、人々が電化の恩恵を継続的に享受するためには、しっかりした料金徴収や機材のメンテナンスの確立が必要になります。相乗効果を生み、持続可能性を高めるための工夫を、ガーナの人々と共にこれからも考えてゆかなければなりません。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆国際協力50周年記念事業・関連事業カレンダー(更新)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/annai/50/calendar.html

◆日本NGO支援無償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/ngo_m16_09.html

◆平成16年度ODA民間モニター報告書(第I期派遣)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0452_1.html

◆政府開発援助(ODA)白書2004年版 要旨

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo/2004.html

◆月刊広報誌「国際協力プラザ」2004年9月号

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0452_2.html

◆外交フォーラム10月号:特集ODA50周年 外交戦略としての経済協力

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/annai/50/ kiji_1.html

◆政策評価法に基づく事前評価書(カンボジア王国)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0452_3.html

◆無償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_21.html

◆有償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_23.html





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