広報・資料 ODAメールマガジン


ODAメールマガジンバックナンバー


□●□ ODAメールマガジン □●□ 2004年9月8日発行 第50号
 以前にもお知らせしましたが、今年は日本が政府開発援助(ODA)を開始してちょうど50周年にあたります。そこで、10月6日の「国際協力の日」を中心にその前後の9月~11月の3ヶ月間、「国際協力50周年記念事業」として各種イベントを予定しています。皆様方と一緒に盛り上げていけたらと思っています(詳しくは、外務省ODAホームページhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.htmlをご覧下さい。)ODAメールマガジンは第50号からODA民間モニターに参加した方のお話も含めた3話をご紹介します。今回は、平成16年ODA民間モニター・東ティモール班から「紛争から復興へ・東ティモールを視察して」、コロンビアから「コロンビア国内避難民問題解決のための草の根・人間の安全保障無償スキームの活用」と、クロアチアから「自分たちの村に小学校を-クロアチア復興の10年-」の2話をお届けします。

 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けし ます。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を次々と更新 しておりますので、是非ご覧下さい。

 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した民間モニターの方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


 ◆ODAホームページ
  http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html

 また、このODAメールマガジンの内容について改善していきたいと考えておりますのでご意見・ご要望がありましたら、こちらからどうぞ。

 ◆ご意見・ご要望 Eメール:ご意見メール


 ○● トピックス ●○

 ○紛争から復興へ・東ティモールを視察して
  (原稿執筆:平成16年度ODA民間モニター 東ティモール班 松尾 愛子さん)
 ○コロンビア国内避難民問題解決のための草の根・人間の安全保障無償スキームの活用
  (原稿執筆:元・在コロンビア大 一等書記官 西尾 利哉さん)
 ○自分たちの村に小学校を-クロアチア復興の10年-
  (原稿執筆:在クロアチア大 経済協力担当 古川 真弥さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報




 ◇◆ 紛争から復興へ・東ティモールを視察して  
原稿執筆者:平成16年度 ODA民間モニター 東ティモール班 
 松尾 愛子さん) ◆◇ 


 東京が歴史的な猛暑を記録した7月、私はODA民間モニターとして東ティモールを訪れる機会を得ました。つい数年前に紛争を経て独立したばかりの新しい国、それがどんな国なのか、行く前は全く想像することができませんでした。
 白い砂浜に、水底が透けて見えるほど透明なエメラルド色の海、美しい自然に囲まれたこの国がつい数年前まで紛争地であったなんてどうして信じることができるでしょうか。破壊され焼かれた建物や車、電気が通っていない街灯など、自分の予想以上に町のいたるところで紛争の跡が残っていたことに驚きは隠せませんでしたが、それでもそれらの不自然な風景が妙に日常に合致してしまっていることにずっとひっかかりを覚えました。1週間東ティモールで過ごしてみて、それは何よりも今平和があるからではないだろうか、と思いました。焼けた建物の1階で商店を開く人々や笑顔で元気いっぱいの子供たち、大学で将来の夢を語る学生やNGOで生き生きと働く人々を見て、この国が今確実に前進中であることを感じたのです。また、現地の人々だけでなく、国連やJICA,NGOなどで働く日本人や外国人が皆この国の将来のために使命感を持って働かれていることに感銘を受けました。
 日本では東ティモールのことはあまり知られていません。一時期ニュースで賑わったおかげで名前くらいは知っている人もそれなりにいますが、どこにある国だか知らない人の方が多いでしょう。なので正直に言って、現地における日本のプレゼンスの高さには驚きました。自衛隊が駐留していたおかげで、日本語の単語をカタコトしゃべれる人もいます。政府関係者との協議などを通しても、日本の援助がいかに期待されているかを感じました。
 今回は人材育成・教育というテーマの下に視察先が選ばれたそうですが、箱物を始め、どのようなプロジェクトでも必ず人材やコミュニティの育成と組み合わせられていることを感じることが出来ました。紛争後の地域において、問題となっているのは建物や道路の修復だけでなく、今後の国を担っていく現地の人々の能力不足です。そのため、どのようなプロジェクトでもあくまでも主体は現地の人々になるべきであり、今後の持続性を視野に置いた配慮がなされなければなりません。しかし人材やコミュニティの育成というのは時間がかかるものです。その意味では、どのプロジェクトももっと長期的な目で成果を測 らなければならないのに、1~2年のスキームで必ず終わらせなければならないという制約がつき、日本の援助の使いにくい面を見た気もしました。ともあれ、日本の援助が従来言われてきたハード偏重ではなくソフト面での協力にも力を入れているのを感じることができました。東ティモールはこれからの国です。多くの困難は想定されますが、私自身この国の将来が楽しみであり、これからも見守っていきたいと思います。また、日本が東ティモールの将来により貢献していって両国の良い関係が築かれると同時に、東ティモールを通して日本の援助がより信頼を得られるものになっていってほしいと思います。


 ◇◆ コロンビア国内避難民問題解決のための草の根・人間の安全保障無償スキームの活用   
(原稿執筆者:在コロンビア大 一等書記官 西尾 利哉さん) ◆◇ 


 コロンビアの国内避難民問題は、国連等においては深刻な問題であり、何らかの国際社会の支援が必要だとされています。これに鑑んで我が国も、この問題を含むコロンビア問題解決のための「プラン・コロンビア」の策定・実施に積極的に参加してきました。
 国内避難民問題とは、地方農村部の住民が極左ゲリラ等による脅迫・殺害から逃れるため、家族又は集落単位で住み慣れた村から大都市や地方の基幹的中規模都市へ、着の身着のままで避難することを総称しており、国連機関では累計280万人と発表しています。
 国内避難民問題がコロンビアにとって深刻な問題となっているのは、流出元の地方農村部のコミュニティーが破壊されるだけでなく、流入先の大都市も深刻な基礎的社会インフラ不足に陥り、都市部の不満が高まってゲリラが活動しやすい環境をつくり、更なる治安悪化を招くという悪循環を続けているからです。
 現ウリベ大統領は、この問題の解決のためには、避難民の主な発生要因である地方農村部の治安回復と並行し、これら地方農村部のコミュニティー再生、及び農業等を中心とする雇用の確保が重要であるとしています。
 他方で、国内避難民問題は、避難民が厳しい環境に置かれることが多いため、流動性が高いことからタイムリーな対応が求められますが、国際機関や他公館ではこれに適合するスキームが少ないので対応に苦慮しています。
 このような状況下、当館では「足の速い援助」として、草の根・人間の安全保障無償資金協力スキーム(以下、草の根無償)を活用し、教育、医療・保健、職業訓練等の分野で、大きな成果を挙げています。

 例えば教育分野については、国内避難民児童が大量に未就学状態となっていますが、特に緊急に受け入れる計画が有るものの受け皿となる校舎が無い小学校、あるいはそういった児童を受け入れた結果、校舎が不足し青空教室となっている等、修学環境の極端な悪化を招いている小学校を対象に、大統領府と協調する形で小学校校舎の建設を行ってきました。
 これら小学校のある市町村は概して治安状況に問題があり、大使館員による現地視察は非常に困難な事が多く、従来より案件形成に際し困難を極めていましたが、当館では案件形成への協力、及び案件監理の実施等の部分について、中央政府との協調関係を築くことで透明性を確保しつつ、案件数を大幅に伸ばすことが出来ました。なお、案件選定に関しては当然、中央政府の関与は認めてはいませんが、膨大な援助需要を受けた多くの実施計画から、当館の政策に相応しい案件を選定・実施することで、リスクを軽減しつつ、支援地域等における当館のイニシアティヴの発揮及びプレゼンスの高揚を図ることができまし た。

 同様に、ウリベ大統領自身が識字率向上を目指し推進している「全国図書館整備計画」に対して、他国公館が消極的な中、いち早く当館が協調して案件を具体化したことから、当国政府より高い評価を受けています。なお、同プログラムを所管する文化省の全面的な協力を得ています。
 この結果、大統領をはじめとするコロンビアの要路より、我が国の草の根無償に対する賛意が表明されている他、EUをはじめとする当国の外交団よりも高い評価・関心が示されています。更に何よりも、草の根無償が全国ネットのテレビ、ラジオ、全国紙に度々掲載、または放映されていることから、コロンビア一般国民をはじめ、オピニオンリーダー、政治家、NGOや地方自治体に至るまで広く知られるに至っており、我が国に対する良い印象を醸成する下地となっています。

 草の根無償は、一件当たりの金額が「一般無償に比して小さい」という印象はあるものの、4~6教室程度の校舎ならば建設可能なため、この国のように一般無償卒業国に対しても集中的、かつタイムリーに投入した場合には、社会的、政治的及び広報的なインパクトは非常に大きいと考えられます。
 特に、これまで国際社会からの支援を殆ど受けたこともなく、また、社会一般に停滞感が強い地方農村部に対して、はじめての国際的な支援として我が国の草の根無償が実施される場合も多いことから、住民に非常に感謝されているとともに、毎年、確実に一定数以上の小学校を建設しているので中央政府にも好印象を与えると同時に、我が国の最も重要な外交ツールとなっています。
 更に、贈与契約の署名式についても、一件毎に実施するという考え方もあるものの、敢えて10件以上を纏め、ある程度まとまった金額(署名総額100万ドル以上等)とすることで、大統領をはじめとする当国政府高官に我が国支援についてより強く印象づけるとともに、報道される際により大きなインパクトとなることを狙いました。

 中央政府や各県との連携案件に関しては賛否両論はあるものの、長期にわたる紛争状況にありながらも相応の各種政策を実施しているこの国で、これを適切かつ有効に活用することは、厳しい治安情勢の中での効率的な援助実施の一つのあり方であると考える他、紛争解決以降のコロンビア政府の連携に繋げる意味でも有益と考えられます。


 ◇◆ 自分たちの村に小学校を-クロアチア復興の10年-  
(原稿執筆:在クロアチア大 経済協力担当 古川 真弥さん) ◆◇ 


 クロアチアを初めて訪れる旅行者は、まず緑多き首都ザグレブの澄んだ町並みに長旅の疲れを癒し、ユネスコ世界遺産に指定されているプリトビツェ国立公園の青とも緑ともつかない湖の色に驚嘆し、そして「アドリア海の真珠」と謳われたドゥブロブニクに代表される美しき海の眺めに、吸い込まれるような錯覚に陥ることでしょう。この国がほんの10年ほど前まで戦渦のまっただ中にあり、世界中の耳目を集めていたことなど、すっかり忘れてしまうかもしれません。
 しかし一度、旧戦災地域と呼べる場所に足を踏み入れれば、無数の弾痕の跡そのままの家屋や、無惨にも壊されたままの教会などがざらにあるのです。ましてや地雷が残された地域など足を踏み入れることすら出来ません。
 この様に、世界中からの旅行者を惹き付けて止まないのも事実なら、戦後復興そして経済発展の道を進もうとしているのも事実、どちらも今のクロアチアなのです。そして日本もODAを通じて、後者のお手伝いを続けています。
 その一つとして、昨年、ジェガル村というところにある小学校に「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を行いました。村には、元々クロアチア国内では少数派のセルビア系住民が多く住んでいましたが、戦争で破壊され、人々は村から逃げ出し難民となりました。1995年のことです。その後、戦争も終結し、難民となっていた旧住民の帰還が始まりました。かつては敵同士だったクロアチア人との共生も、再び始まりました。しかし学校がありません。壊されたままなのです。子供たちは毎日、40キロも離れた隣町まで通わなければなりません。とても歩ける距離ではないので、毎日バスに揺られ通わなければいけなりません。それは10歳にも満たない子供たちにとって、決して楽なことではあり ません。もし自分の村に、歩いていけるところに、小学校が有ればどんなに良いだろう。誰もがそう思っていました。
 こういうわけで、日本大使館に小学校修復のための資金援助の申し込みがあったのです。工事は進み、この春、小学校の建物は修復されました。大使館が何を言ったわけでもないのに、村人が感謝の印として、日本の旗を刻んだプレートを小学校の入り口に建ててくれました。
 9月1日、新学期が始まりました。村人から大使館に連絡がありました。今日から子供たちが自分の村の小学校に通い始めました、と。
 近いうちに、大使館員は小学校を訪れたいと思っています。そのとき、笑顔で子供たちが出迎えてくれることを楽しみにしながら。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆国際協力50周年記念事業・関連事業カレンダー

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/annai/50/calendar.html

◆平成16年度 日本NGO支援無償資金協力に関するセミナーのご案内

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0450_1.html

◆日本NGO支援無償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/ngo_m16_08.html

◆開発教育/国際理解教育コンクール作品募集(映像素材部門の募集期間延長)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/edu/contest.html

◆月刊広報誌「国際協力プラザ」2004年 8月号

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0450_2.html

◆政策評価法に基づく事前評価書(ウズベキスタン共和国)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0450_3.html

◆パキスタン国別評価報告書(概要・全文)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0450_4.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0450_5.html

◆ガーナ教育分野協力評価(概要)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/report/ghana3.html

◆無償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_21.html

◆有償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_23.html

◆平成17年度外務省ODA一般会計予算概算要求概要

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/yosan/yosan05/index.html

◆対パキスタン国別援助計画(案)(要約・目標体系図(PDF))

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/enjyo/pakistan_y.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0450_6.htmlPDF





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