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□●□ ODAメールマガジン □●□ 2004年6月23日発行 第45号
 先週は、梅雨とは思えない晴れ晴れとした日が続き、日比谷公園ではお昼にお弁当を広げる人の姿が沢山見られました。さて、今回のメルマガは、モンゴルから「モンゴルでの素敵な出会いにありがとう!」と、ウルグアイから「ウルグアイにおけるエキノコックス対策」の2話をお届けします。

 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を続々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

ODAホームページ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html


 ○● トピックス ●○

 ○モンゴルでの素敵な出会いにありがとう!
  (原稿執筆: 在モンゴル青年海外協力隊員
         14年度1次隊 三浦 恵美さん)
 ○ウルグアイにおけるエキノコックス対策
  (原稿執筆: 在ウルグアイJICAシニアボランティア
         (人獣共通寄生虫症) 酒井 博史さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報




 ◇◆ モンゴルでの素敵な出会いにありがとう!  
(原稿執筆:在モンゴル青年海外協力隊員 
 14年度1次隊 三浦 恵美さん) ◆◇ 


幼稚園内音楽室での写真 左下が三浦隊員本人 左上が文章に紹介されている同僚音楽教師オトゴンツェツェグ
幼稚園内音楽室での写真
左下が三浦隊員本人
左上が文章に紹介されている
同僚音楽教師オトゴンツェツェグ
 こんにちは!私は平成14年の7月からモンゴルで幼稚園教諭として活動している三浦恵美といいます。モンゴルは日本の約4倍の面積に人口約250万と世界一人口密度が低く、冬は-40℃、夏は40℃ほどにもなる厳しい気候ですが、一方で豊かな自然環境に恵まれた国です。
 私が活動しているのは、人口1万人ほどのボルガン県ボルガン市で、首都ウランバートルから約450キロメートルに位置しますが交通事情が悪いため移動には汽車と車を乗り継いで15時間かかります。
 ボルガンは現在のモンゴル協力隊員の赴任地の中では一番小さな町ですが、この町なりに発展しており、私が赴任した2年前と比べても変わったところはたくさんあります。例えば2年前、道路には馬車や馬にまたがった人が圧倒的に多かったのに、今は車の往来がとても多くなりました。またつい先日60キロメートル離れた隣の大きな町まで舗装道路の工事が始まりました。ボルガンの人々は、町が発展することをとても喜んでいます。ただ、まだ不便なところもあり、家では年中お湯が全くでないため、私は週末に一度だけ公衆シャワーを利用しています。
幼稚園内での授業写真 中央が三浦隊員本人
幼稚園内での授業写真
中央が三浦隊員本人
 物質的な発展と共に、幼稚園教育も今変わりつつあるところです。1990年までの社会主義時代の名残でしょうか、画一的で知識中心とも言える教育を行ってきましたが、少しずつ日本のような「幼児の立場に立った教育」も取り入れるようになってきています。私の園の園長は、日本のような幼稚園教育を是非取り入れたいと考え、協力隊員をモンゴル政府を通じ日本政府に要請し、私が来ました。
 私の園には3~7歳の園児約130名がおり、5クラスで構成されています。こちらの幼稚園では、通常クラスごとに決まっている時間割に従って授業が行われています。日本のように自由遊びの時間を重視する様子は見られません。そんな中で、私は音楽・体育・図画工作を受け持ち、全クラスの子供達と関わりながら日本の幼児教育を、実践しながら紹介してきました。初めは、園内の全ての先生に私のやり方を理解してもらうのは難しいと感じましたが、月日が経つごとに、とりわけ1人の音楽教諭が私のやり方を積極的に取り入れ、賛同してくれるようになりました。
中央三浦隊員
中央三浦隊員
 私が赴任してすぐに見たものは、とてもひどい光景でした。遊戯室に入った子供達は一列に並ばされ、手足を大きく振り動かしながら揃って行進をさせられており、腕や足の角度まで細かく決められていました。角度が違うと、教諭は子供を平気で叩き罵ります。全員がきちんと揃って出来るまでそれは続けられました。私には、子供が楽しいと思っているようには見えず、目的は一体何なのか、さっぱりわかりませんでした。こんなことで子供をすぐに叩くということが信じられませんでした。歌の指導等も同様で、決して楽しそうには見えず、もっと子供が楽しいと感じながら出来るやり方があるのに、と思うと見ているだけでも辛かったです。
 私は自分の受け持つ時間の中で、出来るだけ子供にとって分かりやすくおもしろい、子供の興味を引くような授業をするよう心掛けました。また、自分自身「楽しいな」という気持ちを持ち、それを表しながら一回一回の授業を大切にしてきました。子供の反応はすぐにはっきりと表れました。子供達は、私や私の授業が大好きになり、私の授業について「ぜーんぶ、おもしろい!」と言うようになりました。先生たちには、子供のこのような反応を目の当たりにする中で良いと思ったことは真似して取り入れてもらいたいなと思っていました。私の方から、こうしろああしろと言うことは殆どありませんでした。
中央三浦隊員
中央三浦隊員
 私のそのやり方は、その音楽教諭をはじめとした他の先生たちのそれとはやはり違って映ったのでしょう、特に彼女は私のやり方を積極的に受け入れ、どんどん吸収していきました。一年経った頃に私は彼女と一つのクラスを担任することになり、クラス運営の仕方について日本のやり方を紹介しながら一緒に考えていこうとしました。子供の様子を見ながら「あ、ここはこうした方がいいんじゃないかな」と思うことがあった時、私が彼女に話す前に彼女の方から同じことを私に言ってくると言うことが何度もあり、私の感覚や考えと彼女のそれとが近づいていることを感じました。授業のやり方のみならず普段の子供との接し方も大きく変わり、彼女自身も自分が変わったことを感じています。
 初めは彼女の子供に対するあまりにも厳しすぎる態度に驚きましたが、給料をもらうためだけに幼稚園で働いている先生も多い中で彼女はもともと子供が好きだったということ、日本の先生と一緒に働きながら学びたいという気持ちをずっと持っていたこと、授業のやり方や子供との接し方について今までの方法しか知らなかっただけであること等がしだいに分かってきました。結局クラス環境の不備と彼女の体調不良のため一ヶ月半ほどでこのクラスは解体になりましたが、たったの一年でこんなに成長した彼女を見ることが出来たこの期間は、私にとって特別なものとなりました。今、彼女は体調を回復し再び音楽教師として働いています。

中央左寄り後ろ三浦隊員
中央左寄り後ろ三浦隊員
右から2番目三浦隊員 右から3番目が文章に紹介されている同僚音楽教師オトゴンツェツェグ
右から2番目三浦隊員
右から3番目が文章に紹介されている
同僚音楽教師オトゴンツェツェグ

 隊員それぞれにいろいろなやり方があると思いますが、私は先生方にはこちらから押し付けることはせずに見せることで感じてもらい、もし取り入れられることがあれば取り入れてもらいたいと思って活動してきました。彼女は、私のこのささやかな活動の中から多くを学んでくれました。私の活動は今年の10月で終わりますが、12月に来る予定の後任の協力隊員から、さらに多くのことを学んでいくと思います。彼女のこれからの成長が楽しみです。
 素敵な出会いに、ありがとうと言いたいです。


 ◇◆ ウルグアイにおけるエキノコックス対策  
(原稿執筆:在ウルグアイ JICAシニアボランティア 
(人獣共通寄生虫症) 酒井 博史さん) ◆◇ 


 ウルグアイは大西洋とラプラタ川河口に面した人口約330万人の小国です。国土の約80%が草地となっており、飼養される家畜は牛約1000万頭、羊約2500万頭にものぼる世界有数の畜産国です。しかしこうした牧畜国故に、昔からある恐ろしい寄生虫に悩まされてきました。エキノコックスです。
 エキノコックスは、犬の腸に成虫が寄生し、多数の卵を犬の糞便とともに排出します。この卵を牧草とともに牛や羊などの家畜が食べると、エキノコックスは家畜の体内で卵から幼虫(包虫)となり、主に肝臓や肺などの臓器で増殖、発育します。そして幼虫の感染した内臓が、家畜の屠殺解体時に犬に与えられた場合(特にウルグアイのような畜産国では習慣的に行われています)、再びエキノコックス幼虫が犬の腸で成虫となり卵を産出するというサイクルを繰り返すことになります。このようにエキノコックスは本来家畜と犬によってその生命を維持している寄生虫ですが、この卵を人間が誤って食べてしまった場合、家畜同様に人間の臓器でも幼虫が増殖し、放置していると死に至ることもある恐ろしい寄生虫病(包虫症)の原因ともなります。
 ウルグアイでは牧場で暮らす多くの家族が犬と共同生活を営んでおり、それゆえ以前から包虫症は深刻な問題となってきました。実際、1980年代に約26,000人に対して実施された超音波診断では、13%の人に感染が見つかっており、エキノコックス感染犬の飼い主に至っては80%以上の感染率を示していました。また、家畜の感染も深刻で、1990年代はじめの屠場調査では、牛65%、羊44%が感染しており、肉・羊毛の生産減少、内臓廃棄による経済的損失は実に3200万ドルとされています。感染の源となる犬の当時の感染率も高く、全国で約6500頭の犬を調べた結果、その11%にエキノコックスの感染が見られました。
 ウルグアイではそれまで、1939年に発足した包虫症対策委員会やウルグアイ共和国大学の医学部・獣医学部を中心に包虫症の研究やその対策に取り組んでいましたが、慢性的な資金不足等により十分な成果が得られず、前述の感染率が示しているように包虫症の蔓延に歯止めをかけられない状況となっていました。そこでこうした状況を改善すべく1989年、共和国大学より日本政府に対して研究者の派遣および研究機関の近代化を目的とした機材の供与等を中心とした技術協力の要請がなされました。その後、国際協力事業団(現 国際協力機構)が中心となり、共和国大学に対してエキノコックス対策に係る個別専門家の派遣やシニアボランティアの派遣が行われ現在に至っています。一口にエキノコックス対策といっても仕事は様々で、エキノコックスの基礎研究を充実させるべく研究室の整備および現地スタッフの養成に始まり、病理学的診断技術、診断法開発、疫学調査手法、対策計画への助言など日本側が提供した技術は多岐に及んでいます。私はこれまで専門家、シニアボランティアとしてエキノコックス対策の仕事に携わってきましたが、ウルグアイの大学では理論中心の教育がなされ人々の知識水準も一般的に高いことから当然プライドも高く、他国から来た研究者がすんなりと溶け込めない雰囲気があります。とくに派遣開始当初は、エキノコックスの分野に関してはウルグアイ側に絶対的な経験と知識 があると誰もが考えており、こちら側の提言がすんなり受け入れられないこともありました。しかしながら長年に渡る研究機材の不足から実際の技術については経験がほとんどなく、機材の導入に伴う技術移転を通してようやく認められた感があります。その後は現地スタッフを中心に着々と研究成果が積み重ねられており、ウルグアイのエキノコックス対策に基礎研究面から貢献できたものと考えています。一方、1992年から包虫症対策委員会を中心に全国で積極的な犬の駆虫活動も展開され、1997年には犬の感染率が1%以下まで減少し、牛と羊の感染率もそれぞれ約20%、10%まで減少しました。その後も2004年まで駆虫活動が続けられ、今年9月には再び全国的な調査によってエキノコックスの感染率を調べる予定となっています。現在私は、この全国調査にむけて共同開発した診断法を応用すべく準備中ですが、エキノコックス対策に長年携わってきた人々の努力により目標が達成されつつあることを実感しています。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆政策評価法に基づく事前評価書(ボスニア・ヘルツェゴビナ・モンゴル)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/2004_jizen/bh1.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0445_1.html

◆第23回ODAタウンミーティング(三重県)の開催について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/tm/mie_m.html

◆ODA中期政策評価(結果概要・全文)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0445_2.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0445_3.html

◆国際緊急援助隊評価(概要)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/report/enjyotai.html

◆第1回日本NGO支援セミナー

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0445_4.html

◆有償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_23.html

◆ODA民間モニター当選者の決定について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0445_5.html

◆無償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_21.html

◆国際協力50周年記念事業・関連カレンダー

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/annai/50/calendar.html

◆日本NGO支援無償資金協力(平成16年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/ngo_m16_05.html

◆無償資金協力(入札結果等の公表)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0445_6.html





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