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ODAメールマガジンバックナンバー


□●□ ODAメールマガジン □●□ 2004年5月12日発行 第42号
 今年は日本が政府開発援助(ODA)を開始してちょうど50周年にあたります。そこで、10月6日の「国際協力の日」を中心にその前後の9月~11月の3か月間、「国際協力50周年記念事業」として各種イベントを予定しています。皆様方と一緒に盛り上げていけたらと思っています(詳しくは、外務省ODAホームページhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.htmlをご覧下さい)。
 さて、今回のメルマガでは、ネパールから「自然災害は、神々のなせる業ではない。-人と自然との闘い-」と、パラグアイから「全ての住民に高品質の看護・助産サービスを」の2話をお届けします。

 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を続々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

ODAホームページ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html


 ○● トピックス ●○

 ○自然災害は、神々のなせる業ではない。-人と自然との闘い-
  (原稿執筆: JICAネパール自然災害軽減支援プロジェクト
         チーフアドバイザー 森山 裕二さん)
 ○全ての住民に高品質の看護・助産サービスを
  (原稿執筆: パラグアイ共和国 看護・助産継続教育強化プロジェクト
         小川 正子さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報



 ◇◆ 自然災害は、神々のなせる業ではない。-人と自然との闘い-  
(原稿執筆: JICAネパール自然災害軽減支援プロジェクト 
 チーフアドバイザー 森山 裕二さん) ◆◇ 


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 ネパールでは、例年7月から9月にかけての雨季を中心に、平均300名もの多くの人命や財産が失われ、主要インフラが被災し、当国の社会経済における大きな打撃となっています。また、地域社会における災害の発生は、コミュニティーの崩壊、生活手段の喪失に直結し貧困の素因となっていますし、結果的に国民の政府への信頼の喪失、反政府勢力の拡大につながり、治安状況の悪化の素因になっています。
 土砂災害を防ぐためには、ハード・ソフトの両面から、防災に係る情報整備の強化による警戒避難体制の確立や、地域住民による防災事業の推進、防災に係る地域住民の意識向上・啓発、住民参加の促進、防災体制(予防体制、災害時救援体制、災害後の支援体制等)の支援等を中央政府レベル、地方レベル、コミュニティーレベルにおいて推進することが必要です。
 日本は、ネパールへの防災関係の技術協力として、1991年~1999年3月までの7年半協力を実施した「治水砂防技術センタープロジェクト」で開発した防災技術・工法を普及させ地域社会に適した防災対策を根付かせることが要望され、現在、1999年より「自然災害軽減支援プロジェクト(DMSPプロジェクト:Disaster Mitigation Support Programme Project)」が実施されています。
 DMSPプロジェクトは、(1)住民参加型防災活動、(2)災害復旧活動、(3)災害情報データベース・GIS・情報ネットワーク構築、(4)防災意識向上を柱として実施されています。
写真
 プロジェクト活動の場所ですが、カトマンズ盆地を中心に各地にあります。
 自然災害軽減支援プロジェクトは、多岐にわたる活動を続けています。中心になるのが「住民参加型防災活動」の導入と定着化を図ることです。ネパールは、自然災害の多い国ですが、また、同時に「神々が住む国」でもあります。人々は教育の機会が少ないこともあって、これまで自然災害は、神々のなせる「業」と諦めて避難することをせず、命を失うことが多かったと聞いています。これまで防ぐ努力もしませんでしたし、防ぐ方法も知りませんでした。そのため、まず、ネパールの人々に「自然災害」とはどうして起こるのか、ハザードマップ(危険な区域の想定図面)などを理解してもらい、雨の多い時は、警戒し避難すること、さらには自分たちの力でできる防災対策工事も被害を減らす効果があること、住民自ら防災活動に参加することが重要なのだと理解してもらうことに努めてきています。ネパール政府も財政的にきびしいこともあり、全ての地域の防災対策を進める上で、この住民参加型の防災活動を推進しています。
 自然災害に関する防災意識を普及するためには、各地で繰り返し、ハザードマップの紹介や啓発ビデオ上映をセミナーで実施し、住民の意識啓発を図っていくことが必要です。
 例えば、ギルバリ川バグラ地区は、下流で合流するナラヤニ川の影響を強く受け、河川増水時の集落冠水による被害が著しい地域です。警戒避難体制構築のためにハザードマップを作成し、地区内の各戸に配布及び看板設置により住民に災害危険情報を周知しました。情報として、洪水氾濫域、土砂災害危険箇所、避難所及び災害兆候などを記載し、防災意識の啓発を図っています。住民参加工事による自然災害対策施設の導入と合わせて、住民自らの水位及び雨量観測による自主避難体制作りを目指しています。
 さらには、それぞれのモデルサイト近郊の公立小学校において、当プロジェクトで開発した防災教育教材による授業等を実施しています。防災教育が生徒自身の啓発意識だけでなく、生徒を通じて各家庭へ防災に関する知識を普及させることに大きく効果を果たしたことが、モニタリング(意識調査)の結果により証明されています。
 防災教育活動によって、児童、住民の防災に関する認識も著しく向上しています。また、住民参加による施工を実施しているモデルサイトでは、構造物の効果や重要性への理解が住民に浸透してきています。
 今年も例年のように、7~9月にかけて多くの自然災害が発生することが予想されます。この国に一刻も早く安全で平和な日が訪れることを我々専門家もネパールの人たちとともに願っています。


 ◇◆ 全ての住民に高品質の看護・助産サービスを  
(原稿執筆: パラグアイ共和国 
看護・助産継続教育強化プロジェクト 小川 正子さん) ◆◇ 


 南米のヘソと言われている内陸国(アルゼンチン、ボリビア、ブラジルと国境を有す)パラグアイは、人口約520万人、緑豊かで自然が多く残された国です。このことは、一度大雨が降ると陸の孤島となってしまうような地方都市、特に農村部における保健医療施設へのアクセスを困難にしております。現在でも、約150万人の国民が、適切な保健サービスを受ける保障がない状況です。
 そこで、パラグアイ政府は、全ての国民が高品質な保健医療サービスを平等に受けることができる社会をめざし、保健医療政策の改善を行っています。その中でも、特に農村人口の割合が高く、人口が散在する地域のおける第一次医療の質を向上させるべく、ハード面のみならずソフト面での強化も行っています。
 このような中、私達のプロジェクトは、第一次医療の担い手(第一次医療の60%以上が准看護師のみが働く保健所)と言っても過言ではないほど重要な准看護師の質の向上をめざし、活動を展開しています。そして、今、当プロジェクトにおいて、看護師・助産師らは、自らの任務のあり方を追究し、建設的に発展しながら、その未来像を明確にしつつあります。2年後、その活動の幕を下ろす時、65年の歴史をもつパラグアイの看護は、そのサービスの質や人材育成方法において大きく変換する時期を迎えることとなるでしょう。
 具体的な活動のひとつに、パイロット地域における研修およびモニタリングの実施があげられます。この活動は、まず、日本人専門家とカウンターパートが協力して、事前に準備した多種多様な教材等を利用しつつ、各パイロット地域のファシリテーター(研修指導者の役割を担い、学士看護師または学士助産師で、各地域に平均7名を有する。)に対し、5日間の研修を行います。次に、研修を受けたファシリテーターは、同地域の各医療施設で働く准看護師に対する5日間の研修の講師を務めるため、日本人専門家から指導を受けた指導案作成や教材作成等の準備をします。そして、1回に30名程度で、プロジェクトのパイロット地域の全ての准看護師を対象に研修を開催します。研修終了の2ヶ月後からは、研修受講者の働いている医療施設に出かけ、モニタリングを実施しています。中にはボートでしか行けない保健所や、もちろん電気も電話もなく大雨の後は何日間も足止めを余儀なくされるような医療施設も多くあります。
 このような状況下、研修を集中的に実施する施設として、看護・助産継続教育センターが、4月12日パイロット地域にオープンしました。落成式には、大統領はじめ厚生福祉大臣、教育大臣、県知事等多数の政府要人の参列をいただき、当プロジェクトへの感謝と期待が表明されました。
 プロジェクト活動の中での最大の問題は、カウンターパート・ファシリテーターとも厚生福祉省の職員で、勤務時間が午前7時から午後1時まで、そして、午後の時間は他の仕事をもっていることです。プロジェクトマネジャーである小児科医も、午後からは社会保険病院で働いています。このような状況の中、5日間の研修は当然午後も行いますし、モニタリングも午前・午後とも時間を使いますので、研修を開始した当初は、時間のやりくりや人材配置等で大変な苦労をしました。しかし、回を重ねる毎に、自分達で問題解決をするようになりました。例えば、看護学校を経営している人は、友人に依頼したり、病院の看護部長は、部下に留守を任せたり、夜勤の助産師は、勤務時間の一部変更を行ったりといった具合に変わってきました。そして、プロジェクト活動への参加意欲が強くなるのと平行して、指導方法も大幅に改善され、わかりやすい講義をするようになりました。その結果、モニタリング時には、目に見えた変化が受講者に観察されるようになりました。例えば、これまでは殺風景だった病院の小児科外来や保健所が小児向けに飾り付けられ、自分の子どもが使っていたおもちゃや自分で工夫して作った飾りなどにより、医療施設の環境が大いに改善されました。また、子どもが近づき易いようにと、白衣の上にかわいい柄のエプロンを作ったり、村の人に頼んで、小児の身長計を作って使用する研修生もでてきました。
 このような努力の結果、一部の保健医療施設では、小児の受診率が増加し、その母親への栄養・保健指導等が行われるようになりました。このことは、その村の小児の成長・発達のコントロールに繋がり、ひいては予防医療へと繋がる可能性を含んでいます。さらに、診療記録等書類の記入に関しては、これまでも義務付けられていたにも関わらず一切されていなかったのですが、当プロジェクトの研修の中で何回も繰り返し練習させたことにより、ほとんど全員が記入できるようになりました。そして、各県の衛生局への報告が書類で行われるようになり、それが厚生福祉省統計局へ集められ、より現状に近いデーターの集計が出来るようになりました。
 このような状況が続き、ある保健センターへ2回目の訪問をした際に院長が嬉しそうに笑顔で話してくれた次の言葉を私は忘れられません。「子どもをつれた母親は、これまで准看護師の居る相談室を素通りし、必ず私(医師)のところへ来て、診てもらって帰っていたのが、今では、私が居るのに私には挨拶だけで素通りし、准看護師のところで成長・発達のコントロールを受け、指導を受けて帰っているのよ」

【乳幼児健診研修会】 写真
講議

【小児計測実習】
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写真 研修受講後、乳幼児健診ができるように自分達で部屋を改装しました。ユニフォームや飾りつけも手作りです。
写真 研修で使った身長計を見て、この身長計を村の大工さんに頼んで作ってもらいました。
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写真 研修で学んだことを現場でも実践しています。



 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆平成16年度「NGO相談員事業」委嘱団体募集

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0442_1.html

◆国際協力50周年記念事業について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/annai/50/kinenjigyo.html

◆スリランカ、ベトナムに関する国別援助計画の決定
 (国別援助計画・スリランカ・ベトナム)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0442_2.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/enjyo/srilanka.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/enjyo/viet.html

◆平成15年度インド国別評価(概要・全文)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/report/india2.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0442_3.html

◆平成16年度ODA民間モニター参加者募集

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0442_4.html

◆ODA 評価セミナー「世界の感染症流行に対する日本の貢献:
 沖縄感染症対策イニシアティブ(IDI)中間評価と今後の取り組み」

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0442_5.html

◆無償資金協力(入札結果等の公表)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0442_6.html

◆「緊急人道支援活動における評価手法セミナー
 (医療セクター)ワークショップ」報告書(PDF)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0442_7.htmlPDF

◆「緊急人道支援活動における評価手法セミナー
 (医療セクター)シンポジウム」報告書(PDF)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0442_8.htmlPDF

◆有償資金協力 (平成16年度:約束日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_23.html

◆無償資金協力 (平成16年度:約束日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_21.html

◆モロッコ水資源開発分野協力評価

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/report/morocco4.html

◆第3回ODA評価東京ワークショップ最終報告書

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0442_9.html

◆平成16年度NGO専門調査員受入希望団体一覧

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0442_10.html

◆2003年におけるDAC諸国の政府開発援助(ODA)実績(暫定値)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0442_11.html





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