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□●□ ODAメールマガジン □●□ 2004年4月21日発行 第41号
 春も半ばを過ぎ、東京では気温変化の激しい日が続きましたが、皆さん体調管理は大丈夫でしょうか。
 さて、今回のメルマガでは、ドミニカ共和国から「再び気象現場へ-ドミニカ共和国で-」と、スリランカから「スリランカにおける地雷問題」の2話をお届けします。

 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を続々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

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 ○● トピックス ●○

 ○再び気象現場へ-ドミニカ共和国で-
  (原稿執筆: 在ドミニカ共和国 シニア海外ボランティア
         派遣期間(2002年10月22日~2004年10月21日)
         赤津 邦夫さん)
 ○スリランカにおける地雷問題
  (原稿執筆: 在スリランカ大使館 経済協力班長 大西 英之さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報



 ◇◆ 再び気象現場へ-ドミニカ共和国で-  
(原稿執筆: 在ドミニカ共和国 シニア海外ボランティア 
 派遣期間(2002年10月22日~2004年10月21日) 
 赤津 邦夫さん ◆◇ 


【ぜひ行きたい】
 私はシニアボランティアで活動する直前までの凡そ30年間、気象に関するさまざまな調査研究や主に途上国における気象事業の近代化業務に取組んで来ました。そのような中で私は、彼らが持っている多くの気象資料を用いて彼らと共に国民に役立つ気象情報を是非作成してみたいと思っておりました。
 ところで各国における気象観測、予報、気候資料の整理そして国際間の気象データの交換は、世界気象機関(WMO)の指導・勧告の下で国際間の調和を図りながら実施されています。そのため技術指針はほぼ統一されているので、どの国に行っても違和感は感じません。従って気象分野で他国で活動する際はこのスタンダードを認識しておかねばなりません。単なる技術だけを持って赴任しますと逆に相手から信用を失う場合があるので、派遣を任命する側、任命を受ける側双方ともこの点を十分考慮する必要があります。
 では、気象事業先進国と気象事業途上国ではどこが異なるのか。途上国では予算的な制約から、観測器更新の不足、観測回数の間引き、国際間通信量の削減などがあり、これは予報精度に影響します。そしてもう一つ重要な点があります。それは気象資料が十分活用されていない事です。国民にとって有用と思われる資料が眠っています。私はそのような点を他国の気象局の友人に話しますと、我国に来てくれ、などと言われることがあります。
 そのような中、JICAシニア募集でドミニカ共和国気象局で気候図作成の指導という案件を目にした時、これはもう自分のための案件だとまで思い、職場を早期退職し2002年10月に家内と共にドミニカ共和国に赴任した次第です。

【気候変化の激しい島】
 ドミニカ共和国はカリブ海に浮ぶ島です。国土面積は関東地方に福島県を加えてちょっと広くした位です。日本におけるこの程度の空間的広がりでは、気候や植生状況が大きく異なる事はありませんが、この国では緑豊なサントドミンゴ市から僅か50~60キロメートル西に移動するだけでも、成長したサボテンが広がり「ここはアリゾナか」と見迷うほど景観が変化し、さらに西に移動すれば砂漠といっていいほどの殺伐とした風景が広がってきます。一方で中央部山脈の東側では年間降水量3000ミリメートルを越す地域があり、また熱帯雨林地帯も控えています。カリブ海のドミニカ共和国というイメージからは想像も出来ません。周りを海洋に囲まれていながらこのように気候変化の激しい島は実に興味がありますが、果たして計算結果がそれをどう表現するかが心配でした。

【陽気な職員】
 ドミニカ気象局の気候部が私の配属先です。カウンターパートは全て国立大学の理工系を卒業した人ばかりで優秀です。パソコンの扱いは日本の若者に決して負けません。WMO等でしっかりと研修を受けているからです。カウンターパートのリーダーはこの国の気候についての大ベテランで植物、地形そして歴史まで教養深い人です。時間も約束も比較的守ります。英語も話します。物を貸しても必ず返してくれます。こんなことを他のシニアに話をすると「ドミニカの話?」と目を丸くします。簡単に「この国の人は」などと言ってはいけない、色々な人が居るんだ、ということでしょう。
 私は西語(スペイン語)は不十分でカウンターパートも最初から英語で来ます。せっかく西語を習ったのだからこちらは出来るだけ西語を使いたいのですが口から出るのは、エスパ・イングリッシュ(私の造語)。 時々大笑いされますが、問題なく通じて?います。日本語も少々教えましたので、実に愉快な言語散乱現象です。

【出来上がった気候図-地球環境保全のために-】
 パソコン等の扱いは自由自在のカウンターパートやそのリーダーも気候調査手法となると不十分です。 特に今回目指した1キロメートルメッシュ気候図はかなり複雑ですが、その成果は彼らの得意とするパソコンで自在に活用できるという魅力を感じているようです。 赴任してから1年半、出来上がった綺麗なモザイク模様の分布図を見て彼らが「もっと深く知りたい。Mrアカツ、約束だゾ。」と進んで言ってくるのも「ドミニカの話?」とシニア仲間から羨ましがられます。
 私個人からすれば、日本で実績を積んだ手法ではあるものの、果たして気候変化の激しいこの国で適切な計算結果が出るかどうかがテーマでしたが、予想以上の結果で安心しました。
 また、このような調査を行なった際いつも思う事を標語にして彼らに伝えています。「汚い水でも皿は洗える。」(誤差の含んだデータでも利用次第では活用できる)。「自然は裏切らない」(自然現象に合理的な手法で向かえば結果は出る)。「五感を信じよ」(計算機任せではダメ)。「地球環境保全のために」(気象事業の重要な役目の一つ)。 特に最後については、気候図は農耕地の適地選定、水資源開発等に活用されますが、自然エネルギーの非常に豊富なこの国でこそ1kmメッシュ気候データがその方面に活用されるべきです。このためには風力、太陽光発電の可能性に向け、それらエネルギーがどの程度存在するかの調査が必要です。これが残された半年の私たちの課題です。

写真 写真
半砂漠の植生、ここもドミニカです。 真剣なカウンターパート
(右側は筆者)



 ◇◆ スリランカにおける地雷問題  
(原稿執筆: 在スリランカ大使館 経済協力班長 大西 英之さん ◆◇ 


 今回は、スリランカにおける地雷問題への日本の支援について説明したいと思います。スリランカは、民族・言語・宗教等の複雑な歴史、社会・文化を持ち、シンハラ人とタミル人による対立が長年続き、特に80年代からの約20年間は、政府とタミル人反政府組織(LTTE:タミール・イーラム解放の虎)との間で内戦が激化し、多数の死傷者や約80万人以上にもおよぶ国内避難民を発生させました。この間、北・東部に200万個以上の地雷が双方により敷設されました。
 2002年2月にスリランカ政府とLTTEとの間で停戦合意が実現しました。日本を含む国際社会は、2003年6月に「スリランカ復興開発に関する東京会議」を開催し、和平の道筋について国際的な合意を図る等、和平プロセスが進捗するよう支援を行っています。
 スリランカへの最大の支援国である日本は、内戦状況に逆戻りしないよう「平和の構築」を目標として様々な人道・復興開発支援を行う必要があります。しかし、200万個以上あるといわれる地雷が、避難民・被災民の帰還・再定住を阻む直接の脅威となっているため、地雷除去は、人道復興開発支援において最優先で取り組むべき課題となっています。

1.地雷問題の経緯とスリランカ政府の対応
 地雷が本格的に使用されたのは、スリランカ軍が95年にLTTE支配下であったジャフナに大攻勢をかけ同地区を奪回した際に、ジャフナ半島全域に地雷を設置したことが契機となっています。それ以後も、同軍はLTTE勢力の拡散を防ぐためLTTE支配地域を挟み込む形で、ジャフナとキリノッチ、ワウニア地域を前方防衛線として幅広く地雷を敷設し続けました。他方、LTTEは97年から00年にかけて北東部(ムライティヴ、キリノッチ、マンクラム、エレファント・パス)を支配地域におき徐々に勢力を広げて、支配地区を守るため多くの地雷を周辺に敷設しました。99年に国連の働きかけにより双方とも新たな地雷を敷設しないとしましたが、多くの地雷が北・東部の紛争地域に残されたままとなりました。
 02年2月の停戦合意を受けて、スリランカ政府は地雷除去を進めるため首相府に「地雷除去活動のための国家委員会」を設置し、2006年までの地雷除去の完了を目標に置きました。同委員会は、地雷除去に参加する国際NGOの活動を調整し地雷除去を進め、避難民・帰還民に安全な土地を返却し再定住を図ることを目的としており、そのため、スリランカ軍は3000カ所以上の地雷の敷設位置を同委員会に報告しました。

2.地雷除去活動のための国際NGOの参加
 02年2月の停戦合意を受け、地雷除去を専門とする実績のある5つの国際NGO(The Halo Trust:英)、NPA(Norweigian People's Aid:ノルウェー)、MAG(Mine Advisory Group:英)、DDG(Danish Demining Group:デンマーク)、FSD(Swiss Foundation for Mine Action:スイス)が当国の地雷除去に本格的に参加し、また、本年1月から日本のNGOとして「日本紛争予防センター(JCCP)」が活動を開始しました。地雷除去は地雷の埋設状況により、ブルドーザー、ランドクラッシャー等を使用した機械式と、地雷感知器を使用する方法や、砂地帯等では熊手等による手作業による手動方式があり、各団体とも地雷の敷設状況に応じた方法を採用していますが、地雷除去は最終的には人員による確認作業が必要となります。また、地雷除去は、単に発見された地雷の個数等をもって判断するのではなく、人道的地雷除去として「安全が確認された面積」が重要となります。地雷は幅広く敷設されているため、除去作業は「時間」と「人員」と「費用」がかかり、そのため地雷除去団体への継続的な支援が必要となっています。

3.日本の支援
 02年の停戦合意後、我が国は、Halo Trust(35,380米ドル)、NPA(463,647米ドル)、MAG(353,536米ドル)、FSD(605,634米ドル)、日本紛争予防センター(751,369米ドル)に対して、地雷除去作業に必要な機材の購入等へ総額250万ドル(約2.6億円)の支援を行いました。 当国の地雷問題の特徴としては、地雷の敷設場所がある程度明らかになっていること、停戦合意が守られていること、また、海外からの新たなテロの脅威がないこと等から、地雷除去に参加している国際NGOは、継続的な十分な支援を得られれば、スリランカ政府が目標としている06年までの除去は達成可能としております。
 内戦により約80万人の国内避難民が発生しましたが、2002年2月の停戦合意を得て、これまで約30万人が自主的に帰還を開始しました。しかし、自主的に帰還したのは地雷に直接影響されない地区等の住民に限られており、残された50万人の避難民は地雷が敷設された農村地区からの農民であるため、田畑の地雷除去が進まない限り再定住できず、生活基盤を確保できません。また、地雷除去が進まなければ、再定住に必要な基本的な社会インフラの整備(配電網、上下水道、道路等)等の復興作業自体も行えないこととなります。そのため、日本は、06年までの地雷除去を目標に最優先で支援を行うこととしています。

図―1 地雷敷設位置略図

写真


図-2 使用されている地雷の種類

 発見される地雷の多くがP4 Mk-1(パキスタン製。写真右端)、Type 72(中国製。写真右から2番目)、VS 50(イタリア製)で占められています。

写真


機械式除去(Halo Trustによる)

写真 写真
ブルドーザーで土砂ごと地雷を除去し、ランドクラシャーにより地雷と土砂を選別する除去方式(いずれの機材も我が国の草の根無償資金協力で支援)


手動式除去

写真 写真
地雷のマーキングを終えた箇所を手堀で地雷除去を行ってます。



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◆国別データブック(2002年度版)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0441_1.html

◆対チュニジア円借款ロングリスト(FY2004)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0441_2.html

◆日本NGO支援無償資金協力(平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/ngo_m16_03.html

◆開発教育・国際理解教育ハンドブック

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/edu/kyouzai/handbook/index.html

◆月刊広報誌「国際協力プラザ」2004年3月号

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2004/0441_3.html

◆対モロッコ円借款ロング・リスト(FY2004-2007)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/sonota/longlist/morocco.html


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