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□●□ ODAメールマガジン □●□ 2004年3月26日発行 第39号
 東京でも先週末、桜が咲き始め春の訪れを感じる頃となりました。さて、今回のメルマガでは、フィリピンから「ゴミ山から臨む明るいアジアーアジア開発銀行と日本の協力」とバングラデシュから「『黄金の大地』ベンガルのために!!!」との2話をお届けします。

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 ○● トピックス ●○

 ○ゴミ山から臨む明るいアジア-アジア開発銀行と日本の協力-
  (原稿執筆: 在フィリピン共和国日本国大使館 佐久間 寛道さん)
 ○「黄金の大地」ベンガルのために!!!
  (原稿執筆: 在バングラデシュ 青年海外協力隊シニア隊員
  (プログラム・オフィサー) 菊池 勇さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報



 ◇◆ ゴミ山から臨む明るいアジア-アジア開発銀行と日本の協力-  
(原稿執筆:在フィリピン共和国日本国大使館 佐久間 寛道さん) ◆◇ 


家族の生活のためゴミを拾う少女
家族の生活のためゴミを拾う少女
 2000年7月10日、マニラ首都圏北部パヤタス地区のゴミ山倒壊により200人余り(一説には数百人以上)が死亡し、100~300の家屋が埋没するという悲惨な事件が起こりました。多くの遺体は未だゴミ山に眠ったままです。
 その3年後の昨年9月、パヤタス地区のある事業サイトを訪問した我々日本人に対し、事業の受益住民は誇らしげに排水溝の整備された道路や少し不格好な家を次々に案内してくれました。もちろん、亡くなった方々が戻ってくる訳ではなく、課題は多いですが、「雨期の洪水や感染症の被害が減った」「ようやく家が持てた。もう突然の移転におびえなくていい」「もう危険を冒してゴミを拾わなくていい」という声が聞かれたのも事実です。3年前の惨劇を忘れているはずはないのに、それを表には出さずに。
 都心から車で約2時間のパヤタス地区には約30万人(うち8割が不法居住者)が居住しており、フィリピンでも有名な貧困層居住地域です。そこには毎日数千トンのゴミが運ばれるゴミ集積場があり、そのゴミ山からリサイクルできるものを探し、換金することで何とか日々を送っている貧困民が大勢います(今はなき有名なマニラ・トンド地区のスモーキーマウンテンとは別のところです)。生ゴミや医療廃棄物などが長期間置かれ、メタンガスが発生している場所がどれくらい劣悪な環境で健康に害があるかは説明する必要もないでしょう。
日本国民の支援に心を込めて「ドウモアリガトウ」
日本国民の支援に心を込めて
「ドウモアリガトウ」
 大気汚染防止のためゴミの焼却を認めないという急進的な法律があり、コストに見合うゴミ処理の方法がないフィリピンでは、ゴミは増え、健康・環境問題は深刻化する一方です。このような状況のなか、新たな惨劇を繰り返さないためには、ゴミを拾わなくても生活できる代替生計手段を身につけることが必要で、劣悪な生活環境の改善も望まれます。そこで、日本政府は、アジア開発銀行(ADB)がフィリピン政府やNGOとともに計画した事業に100万ドル(約1億1千万円)の無償資金(日本貧困削減基金の一部)の供与を2000年9月に承認しました。
 このADB日本基金事業は、ゴミ集積所倒壊の被害に遭った100家族を含む500余りの貧困家庭の生活向上を目的とし、土地取得の際の低利ローン提供、上下水道や道路など基礎的サービスの整備、住宅ローン、マイクロファイナンス、コミュニティが運営する健康保険プログラムなどを内容としています。この事業は、今年3月22日に現地で開催された完工式でひとつの区切りを迎えました。
 もちろん、この事業の前からパヤタス地区には様々な支援が行われてきました。日本のNGOの方も早くから現地に入り支援を行っています。地域医療ネットワークの構築や住民グループの育成を通じ適切な医療サービスと収入向上を図る事業をJICAの草の根技術協力制度を利用して実施中の日本NGOもあります。冒頭の文は日本NGO3団体、関連JICA専門家とともに既述のADB日本基金事業を視察したときの一コマです。
 技術力・資金力はあるが比較的短期で異動する日本政府(職員)、現場に根付いているがNGO同士の横のつながりや相手国各種機関との関係が築きにくい日本NGOは互いに補完できる面が多く、当地では定期的な意見交換会や共同サイト視察をできる限り行っています。

上水道施設の完成を喜ぶパヤタスの子供たち
上水道施設の完成を喜ぶ
パヤタスの子供たち
 さて、そろそろ「日本の」ODAメールマガジンになぜアジア開発銀行(ADB)が?との声が聞こえてきそうですので、以下ではいかに皆様の税金(日本のODA)がADBの活動に不可欠で、かつ驚くほど多くの日本人がADB職員として国際的に活躍しているかご紹介したいと思います。
 1966年に国際開発金融機関としてマニラに設立されたADBは、アジア太平洋地域の貧困削減を目指し、メコンや中央アジアの地域協力支援、アジア危機支援などで注目を集めました。いまや開発の場で登場しないことはない、世界の発展において不可欠な機関となっています。
 そのADBの最大出資国はアメリカと並んで日本(全体の15.8%)であり、各種ある特別基金財源はダントツで日本が最大拠出国となっています。具体的には、低利貸付の原資は4割近く日本の資金が占め、ADBのプロジェクトの計画準備等の相当部分は日本の貢献(累計約8億ドル)によるものです。前述の日本貧困削減基金は貧困削減・NGO等との協力を特徴とした信託基金のひとつです。
 また、ADBは、JBIC等日本の援助機関とも緊密に連携しており、1996年には東京に駐日代表事務所を開設し、広報活動や日本の金融機関等との協調融資の一層の促進を図っています。さらに、1997年には、ADB加盟途上国の研修と持続的開発の研究を目的として、東京にアジア開発銀行研究所が創設されました。
住民と笑顔で会話する千野ADB総裁
住民と笑顔で会話する
千野ADB総裁
 資金的貢献だけならば他の国際機関に対しても見られることですが、特筆すべきは日本人職員の活躍です。全専門職員約830人中、日本人職員は110人近く(うち女性20人以上)で、組織の政策を決定しつつ、ADBの顔となって世界を飛び回る千野総裁はもちろん、例えば、現在開発の世界では最も熱い「平和構築」に取り組んでいるアフガニスタンやスリランカ支援の陣頭指揮を執る責任者も日本人です。
 直接・間接部門、レベルを問わず、多くの部局(駐在員事務所含む)に日本人のキーパーソンがいて、日本語のみでADB業務を知ることができるのではと思うほどです。ここマニラを基地として、アジアの発展を願ってアジアの人々に感謝される活動を誰よりも一生懸命行っているADB日本人職員と接する度に、私は一日本人として大変心強く感じ、自分も一層頑張ろうと決意を新たにしています。
 途上国の構造改革支援から貧困層生活改善支援まで幅広く手がけているADBを詳しく知りたい方は、駐日代表事務所(http://www.adb.org/JRO/(日本語ページもあります), 電話03-3504-3160)又は本部(http://www.adb.org/(他のサイトヘ), 電話632-632-5840)までお問い合わせ下さい。また、フィリピンについては、財務省広報誌ファイナンス03年12月号に概要を掲載していますので、そちらをご参照下さるか、お気軽に私jicc-mnl@embjapan.phまでご連絡下さい。


 ◇◆ 「黄金の大地」ベンガルのために!!!  
(原稿執筆: 在バングラデシュ 青年海外協力隊シニア隊員
(プログラム・オフィサー) 菊池 勇さん) ◆◇ 


1.バングラデシュという国
 「黄金の大地(バングラデシュの農村風景、収穫前の稲やかつて栽培されていたジュートが、太陽の光を浴びて黄金に輝くこと)」ベンガルの夕陽は実に美しいです。国土面積14.7万平方キロ・メートル(北海道の約2倍)に1億4,000万人が住み、ベンガル語を話して、町は1年中お祭りのような雰囲気。それとは対照的に、地方の村は時間の止まったかのような穏やな世界です。しかし、そのような美しさの陰でこの国は何度もサイクロン(台風)や洪水により大きな被害を受けています。1970年には30万人、1991年には14万人が犠牲となりました。夕陽が美しいのは国土が平らな為であり、被害に見舞われやすいのもそれ故なのでしょう。

2.青年海外協力隊活動の現状
 ここで簡単にバングラデシュにおける青年海外協力隊の歴史をご紹介します。最初の隊員が派遣されたのは1973年です。稲作、野菜、農業機械の分野で貢献すべく、日本の若き青年3人が農業改良普及員養成所に派遣されました。以来31年が経ち、これまでの合計では807人にも上ります。そして、現在は48人が悪戦苦闘しながらも、充実した活動を行っています。
 活動の具体例を挙げますと、1999年よりポリオ対策隊員18人が派遣され、21世紀初頭のポリオ撲滅の為に地方にある保健家族計画省事務所で世界保健機関(WHO)と連携して活動しています。ポリオ対策隊員の場合、想像を絶する暑さの中を何時間もかけて村々を歩いています。そのような村は現地の役人も行きたがらない所であり、ポリオ接種率が低いのです。このような地域には言葉の壁(ベンガル語の方言)があり、また、宗教的・文化的差異から来る予防接種に対する偏見や無理解(予防接種の拒否等)があります。しかし、隊員達は使命感に燃え、颯爽と保健普及員に激を飛ばしながら活動しています。シニア隊員を中心としたチームワークで、地方や県の保健所に配属された隊員がポリオの啓蒙や村への巡回指導活動を通し予防接種率向上に貢献してきたことについては、保健家族計画省や世界保健機関(WHO)から大変高い評価を得ています。
 また、教育分野では、1993年に理数科教師が初めて派遣されて以来、これまで22人が教員訓練大学や初等教育局初等教員訓練機関(PTI)等で大きな成果を上げています。中でも初等教育局郡リソースセンター(URC)配属の隊員が考案した算数ドリルは、バングラデシュ政府や国連児童基金(UNICEF)等から高い評価を受け全国への拡充が期待されています。

3.サイクロンの克服に向けて
 さて、冒頭でも触れましたが、バングラデシュという国にとって、自然災害であるサイクロンを如何に克服するかということは、何をおいても重要だと思われます。その為、日本は1993年以降4度にわたり、ニーズの高い高度危険地域にサイクロン・シェルターを建設してきました。その度に、住民の声を反映し、以前立てたシェルターより更に良いサイクロン・シェルターへと改良してきました。日本がこの国において無償で建てたサイクロン・シェルターは現在では61棟にもなります。そのほとんどは小学校として使われています。
 被災時の危険に対する住民の意識が低いことも問題です。ある小学校では、クラス生徒40人の中でこのサイクロン・シェルターに避難すると答えたのは1人でした。また、先生の中でも気象庁が出す危険シグナルレベルの意味を正確に答えられる人はいません。また、地域住民の中には、台風時は大切な家畜や少ない財産を守ろうとして家から離れず、そのため水に流され亡くなっている人もいると言います。こうした先生、児童の生徒、地域住民に対する草の根の啓蒙活動が必要で、その為、赤新月社、ワールドヴィジョン(NGO)等が郡の職員や学校関係者を集めて講習を行っていますが、すべての地域や学校にまで行き届いていないのが現状です。
 私は、シニア隊員として案件発掘などを業務として行っており、防災対策(訓練、広報、啓発等)を目的にバングラデシュ政府関係当局、郡初等教育局や小学校で隊員が活動できないか調査中です。今後どのような展開になるかは予想できませんが、隊員が十分に満足した活動が出来る職場環境、また、受入先、住民に喜ばれる隊員活動先の発掘の為に今後も努力していきたいと考えています。

4.最後に
 最後に、バングラデシュ大蔵省経済関係局(ERD)日本課の元協力隊担当者ムジュンダール氏の言葉をご紹介したと思います。彼はこう言っています。“私が学生の時、いつもバス乗り場から、近くの農業研究所の畑を毎日見ていました。そこにバイクに乗った隊員が土壌の温度を測りにきます。それは雨の日でも風の日でもいつも同じ時間にそこに必ず来て測定していました。この国の人にはとても真似の出来る事ではありません。私は、その隊員の行動から日本人の仕事の姿勢や生き方を学びました。私たちは隊員達に技術以上に精神的なものを教えられるかもしれません。”と


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆円借款制度の見直しについて

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/keitai/enshakan/en_minaoshi.html

◆無償資金協力 (平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_17.html

◆有償資金協力 (平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_19.html

◆イラン・バムにおける地震災害に対する緊急無償資金協力(仮設住宅の供与)について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/040319f.html

◆アフガニスタンの「カンダハル警察支援計画」に対する緊急無償資金協力について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/040319e.html

◆アフガニスタンの「選挙人登録計画」のための国連開発計画(UNDP)に対する緊急無償資金協力について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/040319d.html

◆アフガニスタンの「緒方イニシアティブ(地域総合開発支援計画)・フェーズ4」に対する緊急無償資金協力について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/040319c.html

◆リベリアにおけるユニセフによる児童兵のDDRRプロジェクトに対する緊急無償資金協力について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/040319b.html

◆ラオス、カンボジア、インドネシア、ベトナムの鳥インフルエンザ防疫に関する緊急無償資金協力の供与について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/040319a.html

◆無償資金協力(入札結果等の公表)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/choutatsu/nyusatsu15/index.html

◆マダガスカルにおけるサイクロン災害に対する緊急援助について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/040316.html

◆第22回ODAタウンミーティング(奈良市)の開催について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/tm/nara_m.html


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