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□●□ ODAメールマガジン □●□ 2004年2月26日発行 第37号
 東京地方では、思わず今、何月か?と確認したくなるような暖かい陽気になって参りましたが、皆様の地域はいかがでしょうか?さて、今回のメルマガでは、ブータンから「ブータン王国、IT化社会の幕開け」とタイから「山地少数民族モン族の生活向上に資する水供給設備およびモンコミュニティー開発センターの建設」の2話をお届けします。

 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を続々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

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 ○● トピックス ●○

 ○ブータン王国、IT化社会の幕開け
  (原稿執筆: JICA専門家(配属先:ブータン通信公社)
    山口 順也さん)
 ○山地少数民族モン族の生活向上に資する水供給設備および
  モンコミュニティー開発センターの建設
  (原稿執筆: 宇都宮大学農学部・NPO法人エコビリティー
    平井 英明さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報



 ◇◆ ブータン王国、IT化社会の幕開け  
(原稿執筆: JICA専門家(配属先:ブータン通信公社)
山口 順也さん) ◆◇ 


 私は、ブータン通信公社に配属され、電話網拡充計画・建設の技術指導を行っています。
 昨年10月末に開催されたITセミナー及びブータンの通信事情について、紹介します。

1.ITセミナー

インターネット映像システムを通じて父親との会話を行い笑顔の子供
インターネット映像システムを通じて父親との会話を行い笑顔の子供
 本セミナーには、ブータン通信大臣の他、各省の担当技官が出席しただけでなく、一般の方も多数参加して賑わいました。ブータン通信公社総裁、NTT東日本等から「通信の現状及びこれからのIT化社会」についての講演がありました。最後に、このセミナーで紹介されたばかりのブロードバンド技術を活用した「インターネット映像システム」の実演を、ブータン通信大臣と日本・ブータン友好協会事務局長が通話者となって、日本と直接インターネットで結んで行われました。このシステムはブータン初公開で、翌日開催されたワークショップでも接続したところ、在日ブータン留学生と留守家族/職場同僚が、まるで1年ぶりの再会を果たし目前で会話しているような雰囲気に包まれたり、また子供さんが自分の父親の映像の写っているPC画面を触れる仕草を見せたりして、参加者から驚嘆と歓喜の声が起こりました。このシステム実演の成功で、現在ブータン教育省等から、遠隔教育・遠隔TV会議等への応用ができないかとの問合せがブータン通信公社総裁に寄せられています。

2.通信革命に寄与した日本の無償資金協力

インターネット映像システムの画面に映った日本側受信者
インターネット映像システムの画面に映った日本側受信者
 ところで、ブータンの通信近代化の夜明けといわれるデジタル化の基盤づくりは、日本の無償資金協力「ブータン国内通信網整備計画」(1991~1997年)によるものです。この協力は農業協力と共に当地での日本の2大協力の一つと言われ、ブータン政府から常に高く評価されています。プロジェクト終了後、ブータン通信公社は、自助努力で農村地域電話網の拡充を推進しています。

 1999年にはインターネットを立ち上げ、一気にIT化が図られました。PCが高価なことからユーザー数は、まだまだ少ないのですが、インターネット・カフェも各地にできています。まさに国ごと僻地のブータンに急激な通信革命が起こりつつあります。

 日本はブータンのこうした急激なIT化を背景に、2002年には、医療従事者の不足を埋めるとともに、山岳地形がネックとなって医療サービスが行き届かない状況を克服するために、通信回線を利用した遠隔医療システム機材を草の根無償資金協力で供与しました。この機材の導入は、遠隔地の病院から首都の総合病院に通信回線で画像を送信し、検診について的確に指示することが容易となりました。また、中央と地方行政機関を結んで情報の共有化を図るWebサイトの構築がUNDPと青年海外協力隊員との連携協力で進められており、今年4月には完成が見込まれています。

3.不便な国だからこそIT化

 ブータンは、人口67万人足らず、面積は九州程度の広さです。国土の大半は3,000mを超える急峻な山岳地です。道路事情は極めて悪く、直線距離で200kmであっても、崖にへばりついたように蛇行する山岳道路を通過し、幾多の峠(海抜3,000~3,500m)を越えるため、実際は数倍の移動距離となります。このような不便な環境だからこそ、ITの果たす役割が非常に大きいと思います。

 電話普及率でみると、この数年で電話加入者数は倍増して24,000人になりましたが、それでも全人口の3.5%程度でしかありません。私がブータン通信公社で取り組んでいる電話ケーブル網の設計・建設・研修でも、全てが揃っている日本と違って、ないない尽くめの中で、機材・工具を皆でやりくり・工夫(代替)しながら工事を進めています。なかには、いいアイデアもありますが、安全面・品質面等で難もあるので、こうした点については、彼らと同じ目線で一緒に考え改善を図っています。こうした技術協力活動を通じて、私自身も多くの経験・発見ができ、日々新たな気持ちで生活しています。この通信インフラ整備・拡充がこの国にとって有効な手段となりますよう、通信公社職員と共に努力していきたいと考えています。


 ◇◆ 山地少数民族モン族の生活向上に資する水供給設備および
    モンコミュニティー開発センターの建設  
(原稿執筆: 宇都宮大学農学部・NPO法人エコビリティー
平井 英明さん) ◆◇ 


1.はじめに

 タイ北東部ラオス国境沿いには、山地少数民族であるモン族が居住しています。1999年7月、彼らから水の供給設備を建設して欲しいとの希望が寄せられました。人口増加によってより多くの耕地が必要となり、そのため森林面積が減少し、水の浄化力が低くなった結果、貯水槽の水質が悪化し、新たな水道建設が必要となったようです。それに加えて、モン族長老の方々よりモン族固有の様々な知恵が失われつつあるとの相談も受けました。その後、日本政府の草の根無償資金協力を申請すべく大使館と協議に入りました。申請項目のうち水道建設に関しては支援条件に適っていたのですが、モン族固有の知恵の保存については、より多くの検討を要しました。2000年11月の署名式に至るまで、実に1年4ヶ月の時を要し、その間に申請母体は、エコ・コミュニティー財団 (ECVF)と、また日本側の支援組織もNPO法人エコビリティーと名称が変わりました。以下、長い期間を要しながらようやく完成にたどりついた本プロジェクトの概要を述べて行きたいと思います。

2.水供給設備

写真
 何はともあれ彼らの村を調査するところから始めました。すると、タイ政府によって建設された水供給用タンクがあることを確認できました。村長の説明によりますと、このタンクは、1)標高の高い場所に住む村民には水が行き渡らない、2)水源林の農地化に伴って水質が悪化している、という欠点がありました。また、水道パイプ敷設については、近隣2農村において、すでに日本の郵政省(当時)により支援された経験がありました。援助に当たっては、現地の人に受け身でなく、主体性を持って行なって頂くことがとても大事だと思います。そこで、タンクとパイプを作る費用はこちらで負担しますが、パイプの敷設作業に関しては、村民の勤労奉仕でないと支援できないと交渉しましたところ、村長からの同意が得られました。村民は現地の地形に精通していますし、森林湧水を各家庭までパイプによって導く道筋については、既に青写真ができているようでした。事業開始後、約束通り村民は、水道管の土中埋設作業に積極的に参加してくれました。ついに2001年9月に水供給設備が完成しました。水が村の各家庭にあふれ、村民の方々は水の運搬という多大な労力から解放され、調理や洗濯にも不自由を感じなくなり、また、濁れのある水を使用することで健康上の弊害を起こすといった悩みからも解放されることができました。熱帯の炎天下での子どもたちの大好きな遊びは水遊び。あふれる山の水の恩恵を体い っぱいに浴びながら、山にこだまする子どもたちの歓声が今も耳に響きます。この支援をして本当に良かったと子どもたちのあふれる笑顔を見て実感しています。

3.モンコミュニティー開発センター

写真
 モン族長老の方々から受けた2つ目の相談は、「モン族固有の知恵をいかに保存していくか」という点に主眼がありましたが、我々が現地調査を続けるうちに、自然や生活に関するモン族固有の知恵を活用するようにすれば、彼らの生活に密着させつつその知恵を保存することができるだけでなく、彼らの生活環境の維持向上や地域環境の保全にも役立つのだということが分かってきました。こうした考えをもとに、モン族のみなさんが主体となったレクチャーやワークショップを開き、モン族固有の知恵を共有しながら、環境に配慮した村落開発を進めてもらえる、そういった施設の建設が必要であるとの結論に至りました。こうして開始された「モンコミュニティー開発センター」の建設は、2001年12月に開所式が行われ、完成をみました。この開所式には、近隣農村13村全体で約7,200人と言われるモン族のうち、なんと3,000~4,000人にも上るモン族の方々が参集されました。施設の外装には、モン族特有の文様を用いるといった趣向も施され、モン族の知恵の保存という当初の目的がその外観からも見て取れます。開所から2年後の現在、このセンターでは運営委員会が組織され、老若男女を問わずモン族の人たちがセンターに集まり、モン族の知恵の保存、環境に配慮した地域開発といった課題に自発的に取り組んでいます。特に、若者の中には、このセンターで学んだことを実践に移し、ささやかながらも実際の現金収入につなげている者も現れています。これは、彼ら自身がより前向きに生きようとし、その中で「いきがい」を見出し始めていることの証拠だと思います。今後もモン族の人たちがこのセンターを一層主体的に活用していくことを期待しています。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆無償資金協力 (平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_17.html

◆有償資金協力 (平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_19.html

◆モロッコにおける地震災害に対する緊急援助について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/040225.html

◆第21回ODAタウンミーティング(福井市)の開催について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/tm/fukui_m.html

◆アフガニスタンのカンダハル・ヘラート間幹線道路地雷除去支援計画に
 対する緊急無償資金協力について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/040224b.html

◆アフガニスタンの帰還民に対する緊急無償資金協力について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/040224.html

◆インドネシア・パプア州における地震災害に対する緊急援助について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/040208.html

◆「開発教育総合セミナー in 熊本」の開催について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/edu/event/kumamoto.html


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