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□●□ ODAメールマガジン □●□ 2003年11月6日発行 第30号
 国際協力機構(JICA)の理事長に新しく就任された緒方貞子さんが、10月28日、文化勲章受章者に選ばれました。緒方氏はこれまで、数十年にわたり国際貢献に尽くしてこられました。受賞に際して、「私の受賞が、国際協力が日本文化として根付く一助になれば望外の幸せです。」と述べておられました。英紙タイムズが「世界の女性実力者百人」の9位に緒方さんを選んだように、世界でもっとも有名な日本人女性といえます。国際協力の場で、女性が活躍するにあたって励みとなる素晴らしいニュースだと思います。さて、今回のメルマガでは、中央アジアに位置するカザフスタンから「セミパラチンスクで日本のODAが大活躍!」と中南米のカリブ海に浮かぶ小島、セントルシアから「セントルシア Poverty Reduction Fund (貧困撲滅基金)での活動」の2話をお届けします。

ODAホームページ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html


 ○● トピックス ●○

 ○セミパラチンスクで日本のODAが大活躍!
  (原稿執筆:在カザフスタン日本大使館 一等書記官
   大竹 健司さん)
 ○セントルシア Poverty Reduction Fund(貧困撲滅基金)での活動
  (原稿執筆:シニア海外ボランティア(建築・土木施工の指導者
   野口 烝治さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報



 ◇◆ セミパラチンスクで日本のODAが大活躍!  
(原稿執筆:在カザフスタン日本大使館 一等書記官
大竹 健司さん) ◆◇ 


 カザフスタン東部の東カザフスタン州にあるセミパラチンスク市は人口約30万人の都市で、首都アスタナから東に約950km、飛行機で約2時間の位置にあります。セミパラチンスク市はカザフスタンのステップ地帯に都市が築かれており、その中心には市民の憩いの場でもあり、この地域の水供給源になっているイルティッシュ川が流れています。このセミパラチンスク市で日本のODAが今まさに根付こうとしています。
 先ず目に入るのが、日本の有償資金協力で2000年に開通したイルティッシュ川にかかる吊り橋で、全長1,086m、片側3車線のこの橋はセミパラチンスク市の重要な交通の要となっています。周囲の景観ともマッチしているこの美しい吊り橋は、橋につながる道路とも併せて、住民の生活に必要不可欠なものになっています。
 忘れてはならないのは、セミパラチンスク市から西に約130km行ったところで、旧ソ連時代に約40年間にわたり約470回の原水爆核実験が行われ、地下水・土壌汚染により周辺住民の生活環境が悪化したことです。また、この地域における医療には、診断機材の老朽化から信頼のおける診断ができないという大きな問題がありました。そこで日本は世界で唯一の被爆国として、広島、長崎で培われた医療技術をこの地域で生かすべく、支援を行ってきました。1997年の国連総会でこの地域への支援に関する決議がコンセンサスによって採択されましたが、日本は国連の呼びかけに応じて、1999年に東京で開催された「セミパラチンスク支援東京国際会議」において、この地域に対する医療分野での支援を表明しました。このような状況の下、日本の技術協力プロジェクトとして「セミパラチンスク地域医療改善計画」が2000年7月から3年間の予定で始まり、住民に対する検診活動、精密診断、データ整備等に係る体制整備を行ってきました。更に日本はこの技術協力プロジェクトと連携し、無償資金協力「セミパ ラチンスク地域医療機材整備計画」としてセミパラチンスク市にある医学アカデミー病院、診断センター、がんセンター及び救急病院に医療機材を供与し、据付は2001年12月に完了しました。これにより、技術協力プロジェクトの支援活動は一層強固なものになったのです。特に長崎大学、広島大学等から多数の専門家が来訪し、実際に現場で熱心に指導された結果、無償資金協力で供与された移動検診車などの機材を活用した一次検診活動が2002年5月から開始されました。今年の夏はセミパラチンスク市から西に約80km離れた農村のベス・カラガイ地区で検診が行われ、学校を借用して行われた検診では住民が整然と並び、地元医師団によって効率よく検診が行われました。このことは日本から指導された検診技術が定着し、一次検診活動が自立自営していることを示しており、この技術協力プロジェクトに対する専門家とJICA等関係者によってもたらされた大きな成果と言えましょう。この技術協力プロジェクトは地元からの要望もあり、2005年6月まで続けられることになりましたが、今後、更なる成果を収め、この地域に日本のODAが実を結んでいくことが期待されています。


 ◇◆ セントルシア Poverty Reduction Fund(貧困撲滅基金)での活動  
(原稿執筆:シニア海外ボランティア(建築・土木施工の指導者)
野口 烝治さん) ◆◇ 


 私は、本年4月から2年の任期で、建築・土木施工担当のシニア海外ボランティアとして、セントルシアに赴任しました。配属先は、「Poverty ReductionFund(貧困撲滅基金、これ以降PRFと略す)」です。ここは、1998年に発足した比較的新しい機関で、社会開発・文化・地方自治省という役所の傘下にあり、主として世界銀行やEUからの貧困撲滅基金を使って、貧困地域を対象とした社会開発事業を行っています。
 PRFの事業は、世界銀行の指導のもと、中南米やその他の国で成果を上げている手法で、住民参加による、住民のためのプロジェクト(社会基盤整備、教育施設や公共施設の建設など)を行うことにより、とかく社会から遊離している貧困層に対して、社会参加の機会を与える事に重点を置いています。
 赴任して間もなく、まずはPRFが行っている道路、排水設備、小学校、診療所、コンピューター・センターなどの建設現場を視察して回りました。
 これらの工事の多くは、地域住民に建設委員会を組織させ、PRFが技術面・管理面の指導を行いながら、地域住民が主体となって進められています。
 これらの現場を訪ねるたびに、設計図を見たいと要求しましたが、どの工事も、設計図がないに等しい状態で作業を進めていることが徐々に分かってきました。建設途上に問題が生じる度に、削ったり、つぎはぎをしたり、その場しのぎで対処しているように、私の目には映りました。
 出来が悪いからと言って、壊して最初からやり直すわけにも行きませんし、すでにそのような段階でもなく、そこは目をつぶるより仕方がありませんでした。しかし、問題を解決しないことには、品質の向上は図れないでしょう。そこで、設計図の不備・不足を克服すれば、図面こそは万国共通語であるから、事前の指示の徹底や問題点の把握に役立つはずであり、管理のポイントもより分かり易くなるとの考えから、スケッチや図面を描くことを提案しました。
 しかしPRFには、製図板も製図道具もありませんでした。パソコンには、Auto-CAD(自動コンピューター支援設計)が入っていながら、プリンターがないので使われていません。結局、小さな工事のための細かい指示を入れた図面を作るには、手書きの方が早いので、私は手書きで製図することにしました。
 さて、製図道具を揃えるため、町の数少ない文具店を回り、妥協しながらも有る物の中から最小限必要なものを揃えていきましたが、製図板や縮尺スケール等は手に入りませんでした。肝心の製図板は、注文するとなると外国から取り寄せなければならず、一枚では輸送費のほうが高くつくからとの理由で断られてしまい、開発途上国の実情を改めて認識させられました。結果として、製図板は、後日スケッチを描いて、大工さんにそれらしいものを作らせて、間に合わせました。
 図面を用意するようになってから、実務経験の少ないテクニカル・スタッフも、見積りが楽にできるようになり、また、問題点を事前に把握して業者にも説明しやすいことも分かってきたようです。私としても自分の意思をより的確に伝えることができるので、工事中の管理も行いやすくなりました。
 赴任して間もないので、仕事の成果についてはまだ見えませんが、コミュニケーションがスムーズになったことが、これからの活動をよりやり易くするとともに、私の活動目標の一つである品質向上にも役立つものと思っています。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆南南協力支援評価(概要)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/report/nn.html

◆月刊広報誌「国際協力プラザ」 2003年10月号

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/k_plaza/index.html

◆有償資金協力 (平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_19.html

◆グアテマラ大統領・国会議員等選挙に対する緊急無償資金協力について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/031003.html


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 編集・発行 外務省経済協力局(〒105-8519 港区芝公園2-11-1)

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