会員規約


□●□ ODAメールマガジン □●□ 2003年8月15日発行 第24号
 今年は梅雨明けが遅かったせいもあり、真夏は短いかもしれませんが、会員の皆様におかれましては、残暑お見舞い申し上げます。今回のメルマガは、アフリカ大陸に位置する中央アフリカ共和国におけるHIV/AIDS問題への取り組みについてのお話と、同じくチュニジア共和国から、異文化の中で悪戦苦闘する日本人の援助関係者についての2話をお届けいたします。

 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を続々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

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 ○● トピックス ●○

 ○「アフリカ友の会-結果とは何か」
  (在中央アフリカ共和国大使館:水元 康治さん)
 ○「ハンニバルの子孫たちは現実主義者!?」
  (JICAチュニジア事務所長:伊禮 英全さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報



 ◇◆ アフリカ友の会-結果とは何か  
(在中央アフリカ共和国大使館:水元 康治さん) ◆◇ 


 中央アフリカ共和国は、日本での知名度は高いとは言えませんが、雄大なアフリカ大陸のほぼ真ん中に位置しています。この国は、豊かで多様な自然、ダイヤモンド・金に代表される豊富な鉱産資源があり、また素直な愛すべき国民性で知られています。しかし、ここ10年来の度重なる戦乱(93年以来7回の騒擾事件が発生)により国土・民心は疲弊し、03年4月のUNDP人間開発指数では、173カ国中168位に位置づけられる程、極度の貧困国となっています。(1人当たりのGDPは、349$(95年)から255$(01年)へ減少)。現在も首都バンギでは、破壊されたビルや砲弾の跡の残る壁等、数々の戦乱の爪痕が見られます。このように極貧と戦乱に喘ぎ、日本からは気が遠くなるほど離れている国なの に、日本の知名度は高いのです。いや、むしろ日本は、この国の中で最も知られている国の中の一つです。それと言うのも、我が国のODAの実績によるからです。事実、日本は本年3月のクーデター事件発生まで、中央アフリカ共和国におけるトップドナーであり、他国の外交官からは、「日本のODAは、もはや、この国の風景のひとつとなっています。」と言われるほどです。
 中央アフリカ共和国における我が国のODAは、特に「インフラ、医療保健、教育」分野を重点的にカバーしています。ほぼ、あらゆる分野で援助が必要なこの国では、幾つかの重点分野を絞ったほうが、援助の効率が上がるのでは、と考えています。我が国はトップドナーとして当国の発展のために努力はしてはいますが、この国では近年の戦乱のために、インフラは悪化するばかりです。HIV/AIDS感染者は、10%(95年)から15%(現在)に増加し、世界第5位にランクされています。学校は、年平均3ヶ月しか開校していない、というまさに壊滅的な状況にあります。援助にそれなりの結果を求められる者として、これら絶望的な数値を見つめること程つらいものはありません。経協サイト視察のため、4輪駆動車で何時間も道無き道を行ったこと、熱射病で倒れそうになる程の炎天下に、学校建設の設計のため先方政府と議論を戦わせたこと等の出来事もふと頭をよぎりますが、その結果、どれだけの人々がどれだけの効果を享受したのかを考えますと、身の狭くなる思いでいます。
 そんな中のある日、首都バンギのブエラブ地区(人口密集地帯)に、93年から開始された日本人の助産婦さんを代表とする日本のNGO「アフリカ友の会」の診療所を訪れる機会がありました。「アフリカ友の会」は、バンギのHIV/AIDS分野では最も実績のある団体であり、その活動が世界的にも認められ、最近では世界銀行やビルゲイツ財団などからの支援も受けるようになりました。日本政府も草の根・人間の安全保障無償資金協力の枠内で、援助を行ったことがあります。中央アフリカ共和国の医療について考える時には、いつも日本大使館の良き協力・相談相手となっていただいています。右診療所では、HIV/AIDSに拘わる一般患者診療、AIDS末期患者治療等の通常医療業務の他、栄養指導、草の根AIDS教育の実施、末期患者に生き甲斐を持たせるための裁縫等、小規模活動支援も実施されています。同団体代表の徳永瑞子さんは、アフリカでの医療活動経験が豊富で、今春からは長崎大学医学部教授を務めることになりました。
 徳永さんによれば、診察に来る患者の90%は、既にHIVに感染しているそうです。「アフリカ友の会」を始めとする各種NGO団体の努力にもかかわらず、AIDS患者の数は年々増えてきています。「結果を考えていては、この仕事はやっていけません。」と語る徳永さんは、アフリカ医療問題解決の困難さを身にしみて感じているのでしょう。
 そんな中、同診療所内の裁縫室を訪ねました。そこには、日本のODAロゴマークの貼られた大きな机の上で、熱心に裁縫仕事に励む数人の女性達がいます。出来上がった作品を売った収入で、自分の食費や治療費を賄うそうです。徳永さんに聞くと、皆AIDS末期患者です、と言われました。その中の一人が別れ際に、「マダム(徳永さん)と日本のお陰で、私は今も希望を持って最後まで生きていくことができます。感謝しています。」と笑顔で握手を求めてきました。この時、経済協力担当官として救われた思いがしました。
 最近の開発分野は、数値等を導入した目に見える「結果」を求めるのが潮流です。国民の貴重な税金を使って実施するので、結果が国民の目に見えることは、ある意味当たり前のことです。しかし、数値には見えないところにも、それなりの「結果」はある、と認識した瞬間でありました。


 ◇◆ 「ハンニバルの子孫たちは現実主義者!?」  
(JICAチュニジア事務所長:伊禮 英全さん) ◆◇ 


 地中海に面するチュニジアは、かつてはカルタゴの地として知られ、また歴史に興味ある方には象を従えてアルプスを越え、ローマを脅かしたカルタゴの将軍、ハンニバルの名で当地を記憶している方も多いと思います。
 地中海の青い海に照り映える白壁の家の窓枠は、「チュニジアン・ブルー」に塗られ、ホスピタリティーの豊かな人々、イチジクやザクロといった豊穣な地中海世界を現す果物、etc...。確かに、熱帯アフリカの地に多いマラリア等の伝染病もなく、JICA関係者の間でも一様に、「いいところ」としての評価があります。中には、「楽なところで結構ですね。」とも受け取れかねない言葉に出会ったりすることすらあります。
 ところが、実際に仕事をしてみるとチュニジアの方たちの「プラグマチズム」といいますか、「成果主義」に戸惑うことが多いのも事実です。たとえボランティアとはいえ、先方の求める技術水準の高さ、しっかりとしたパフォーマンスを求めるスタンスは、他の国の比ではないのではないでしょうか?
 2008年に予定されているヨーロッパとの間での「関税障壁の全面撤廃」は、チュニジア経済にとっても大きな試練になることは間違いないところで、政府幹部は声を揃えて、不退転の決意でチュニジアの産業構造の変革・強化に取り組み、市民の意識の覚醒を呼びかけています。しかしながら、多くの国民はヨーロッパからくる大きな「波」が、実生活でどのような意味を持ちうるのか想像できず、目の前の生活に追われている感があります。
 かくして政府の幹部の「悪戦苦闘」が展開されるのですが、悪戦苦闘はチュニジア政府の幹部だけではなく、JICAのシニア海外ボランティア、青年海外協力隊員、専門家も同様です。「語学力が足りない」、「求めていた能力が足りない」と遠慮仮借なくチュニジア人カウンターパートに指摘され、落胆の中で必死に先方の要望に応えよう、と努力するJICAのボランティア、専門家の姿には「自分の職務を地味ながらも誠実に果たそうとしてきた」、日本の社会を支え続けてきた方たちの「典型」を見るようで、「お父さん、お母さん、頑張れ!」と言いたくなります。この厳しさたるや、筆者がこれまで滞在してきた他のアフリカ諸国とは異なるものがあります。それだけ、社会経済面での発展の度合いが高度になっているのかもしれません。
 技術力、さらにはそれをアピールする語学力を始めとする伝達能力、アピール力が求められるチュニジアの社会と、精神的なプレッシャーのもとで孤軍奮闘する関係者の姿を見るにつけ、異なった文化・価値観のもとで国際協力の難しさがある、ということを是非とも多くの日本の方に知っていただきたい、と思っています。
 また、チュニジア同様に「人的資源」の他には、これと言った資源も持ち得なかった遠いアジアの日本が、なぜこれまで社会経済発展を遂げることができたのか、こうしたJICAのボランティアや専門家の方々の姿勢や努力がいつか報われ、一人でも多くのチュニジアの方々に理解していただけることを切望してやみません。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆月刊広報誌「国際協力プラザ」 2003年7月号

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/k_plaza/kp2003_07/index.html

◆無償資金協力 (平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_17.html

◆有償資金協力 (平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_19.html

◆平成15年度 日本NGO支援無償資金協力に関するセミナーの開催について(参加者募集!)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2003/0324_2.html

◆日本NGO支援無償資金協力 (平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/ngo_m15_07.html

◆2002年度版 経済協力評価報告書

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/hyoka02/index.html

◆技術協力事業におけるマルチ・バイ協力評価

(概要)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/report/multi_b.html
(全文)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/gai/multi_b/th02_01_index.html

◆パキスタンにおける洪水災害に対する緊急援助について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/030808.html

◆2002年度分野別NGO研究会報告書

(保健)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/shien/02_hoken/index.html
(農業)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/shien/02_nogyo/index.html
(教育)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/shien/02_kyoiku/index.html

◆政府開発援助大綱(案)

(日本語版)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/t_minaoshi/taiko.html
(英語版)http://www.mofa.go.jp/policy/oda/reform/revision0307.html

◆ODA大綱に関する公聴会議事録

(東京)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/t_minaoshi/gijiroku_tokyo.html
(大阪)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/t_minaoshi/gijiroku_osaka.html

◆東アジア開発イニシアティブ(IDEA)福岡シンポジウムの開催について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/kaigi/idae_symposium.html


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