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□●□ ODAメールマガジン □●□ 2003年7月24日発行 第23号
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 ○● トピックス ●○

 ○「エルサルバドルの養護学校」
  (青年海外協力隊員13年度1次隊(養護): 寺田 三千舞さん)
 ○「ポール・ジョンティー漁業センター整備計画」
  (平成14年度、JICA水産分野長期専門家(顧問):椿 裕己さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報



 ◇◆ 「エルサルバドルの養護学校」  
(青年海外協力隊員13年度1次隊(養護): 寺田 三千舞さん) ◆◇ 


 「ミチンゴ、ほら」どうしても発音のしにくい私の名前は、子供達にはなかなか難しいようです。学校に毎日やって来て、ちょっと異なるスペイン語を操る私は、時にはからかうには、良いチニータ(アジア人)、いざという時は怖い先生、でも何かを一緒にできる不思議な存在であるに違いありません。
 養護学校(escuela de educacion especial)に通う子供達は多様です。軽度の知的発達遅滞児から、聴覚障害児や視覚障害児などのより重度の子供達がいます。様々な特別なニーズを持つ子供達が通ってきます。そして、約半数の家庭が経済的に困窮しているため、月謝の支払いが滞りがちです。新学年度は1月ら始まるが、3月頃現われる子供が若干います。また、ある時よりパッタリと子供が来なくなることもあります。エルサルバドルは、中米の中ではかなか発展している国の一つではありますが、福祉や教育にかける政府予算は、まだ十分とは言えません。
 その中で、笑顔と愛情にくるまれ、子供達は成長を続けていきます。障害の重度重複化が進む日本における障害児の現状とは、多くの面で異なるものがあります。1学級単位の子供達の数は日本の約2倍で、教室は非常ににぎやかですが、十分な教材があるとは言えません。
 日本とシステムが違い、一日正味約4時間の授業では、子供達が手に入れる情報は限定されてきます。比較的、軽度の子供達が養護学校に通ってきています。約3分の1の子供達が、公立学校より数年の期間で学力強化のために転校してきています。重度の子供も存在してはいますが、貧困家庭の中では、彼らに教育のチャンスを与える情況がなかなかないのかもしれません。出生後に命を落としてしまった子供達も多いに違いありません。
 医療と教育の連携が課題になってきている日本の現状とは、異なる側面が見え隠れします。経済力のある保護者は、子供に特別に配慮する余裕がありますが、そうでない場合は家の中にいることが多いに違いありません。与えられた環境の中で、生きていく障害児たち、貧富の差が激しいため、そのありようも多様です。
 養護学校のほかにもいくつかの公立学校に特別学級があり、普段の学級活動に大幅な遅れを持つ子供が週に数時間、文字や数などの部分的強化をはかるために、この学級に通います。公立の学校に通う多くの子供達の家庭は豊かではないため、帰宅後家の仕事を手伝ったり、兄弟の面倒を見たりする子供が多く、机に向かう時間が十分に取れない子供もいます。知的障害は持たなくとも、家庭環境が学習を続ける状態でない家庭も多いため、日本とは異なる理由で学習困難な場におかれている子供が多くいて、中途退学しています。
 皆が子供の幸せを願い努力をしていますが、現実の壁を乗り切るのができないことともあります。
 「solo dios sabe 神様だけが知っているわ。」と明るく多くの人が語る。「いつの日か、ここエルサルバドルも、ちゃんと障害児教育にお金をかけるようになるわよ。」「多分、10年後かな~20年後かもね。ワハハハ!」希望は失わず、明るく、たまにシビアに現状を分析するサルバドレーニョ(エルサルバドルの人)。「なぜ、怒る必要があるのでしょうか、受け止めようではありませんか、その現実を。もし、その現実が変わらないのであれば、自分自身が明るく前向きに生きるしかないのではないでしょうか。時代が違う、ということもあるかもしれません。神が私にこの試練をくれたのかもしれません。何か意味があることなのでしょうから。今より悪くなることはないかもしれないわ。」現実を前に微笑むここの人々は、暖かく与えられた生を慈しんでいます。
 人々が手を取り合い、成長を願います。生まれた環境(国)で、ここまで違うものなのか、と障害児教育、福祉の現状を見てたたずむことが多々ありますが、子供に少しでも充実した時間と経験が与えられるのであれば、前向きに考えることも可能です。こちらの障害児の現状を通じて、日本の現状を振り返ります。まず、日本に帰って子供達といい時間を創造したいです。自分は人として、何ができるかを自問しながら過ごすことでしょう。


 ◇◆ 「ポール・ジョンティー漁業センター整備計画」  
(平成14年度、JICA水産分野長期専門家:椿 裕己さん) ◆◇ 


 2002年10月、ポール・ジャンティというガボン第二の海岸都市に、日本の水産無償資金協力によって建造された漁業センターがオープンしました。漁業センターには製氷プラントのほか、カヌー漁船が安全に着岸できる桟橋、衛生的な小売場などが整備されました。漁民が十分な氷を調達できないので、鮮度の落ちた魚を青空市場に供給していた、といった環境が改善されることを目的としたものです。
 ところが漁業センターがオープンしたというのに、青空市場は相変わらず買物客で賑わっていました。いったい何が問題なのでしょうか? 問題を分析するために、ガボン水産総局職員とともに調査を行なった結果、行政と大衆の間に生ずる「衛生的」と「水産物」という2つの言葉の温度差があることがわかりました。
 「衛生的」という言葉は、行政では欧州などで制定された食品衛生法に準じ、公衆衛生理論に適う規格に基づく器具を用いることを指していますが、ほとんどの小売人は、それぞれ自分の器具を使って商売をしています。また、「水産物」という言葉は、行政では魚類や甲殻類を指していますが、消費者は、スッポン、水鳥、ワニ、カバ、大蛇まで含めて「水の恵み」として広い意味で捉えおります。また、庶民の奥様方にとって、水産物はオカズの一品であることから、野菜や調味料が近くで売られていなければ当然不便です。
 そこで、私とカウンターパート(ガボン森林経済・水利・漁業・環境・自然保護省水産総局の局員)は、漁業センターは地域漁民や庶民のものである点を力説し、商取引の規制を緩和するように、ガボン政府の役人に働きかけました。そうしたところ、女性幹部の後押しの意見もあって、ガボン水産総局は野生生物を除いた野菜類や調味料などの商売と小売人による商売道具の一部使用を許可することに踏み切りました。さらに、水産総局がポール・ジャンティ市全体の市場整備を働きかけた結果、わずか1ヶ月余りの短期間で漁業センターにおける水産物取扱量は3.5倍に増加したのです。氷の販売も漁民だけでなく、近隣村落の人々による小口需要が拡大し、徐々に庶民のセンターに変貌しつつあります。
 ガボン水産総局に勤務するテクノクラート(ガボン政府の役人)の多くは、家柄が良く、高等教育を受け、先進国の訪問機会も多くあり、交友関係の生活水準も高いことから大衆の実情を把握していないことがあります。他方、大衆は他の地域との実情を比較する機会が少ないため、日常の中から問題点を抽出することが難しく、「衛生的」や「水産物」などの概念も、それぞれが当然理解しているものと思っていても、実は意図することが異なっていたりします。
 このような点について、私は調査中にメモに記した確認事項29項目と11からなる疑問点をカウンターパートに披露しました。疑問点は、カウンターパートが独自の理論で私に解説します。「しかし、それはあなたが勝手に思っていることかもしれず、事実かどうかは分からない。」と私が言うと、カウンターパートは嫌な顔をしましたが、その後、カウンターパートが推測したこととは全く逆の事実を目の当たりして、調査を終えるとカウンターパートは「今回の調査はたいへん有意義だった。」と語りました。
 我が国の資金協力案件が、対象国の国民利益に貢献し成功することを、案件に関わるすべての人々が願っています。しかし、その実施に当たっては、対象案件に関連する相手国省庁が主導となって進められます。先方政府が目指す開発は、大衆の賛同を得ながら導いていくことが重要であり、そのためにも、テクノクラートの目指す開発と大衆ニーズのギャップを埋めるような現場型人材の育成がガボン当局にとって必要となります。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆無償資金協力 (平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_17.html

◆途上国の妊産婦の健康に関するシンポジウム(概要)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/bunya/h_i/symposium/index.html


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