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□●□ ODAメールマガジン □●□ 2003年6月26日発行 第21号
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 ○● トピックス ●○

 ○ドミニカ共和国・障害者施設 -バナナ紙工房から-
  (シニア海外ボランティア: 都築まさ子さん)
 ○「西アフリカの給水塔・ギニア」で日本が給水塔建設!
  (在ギニア大使館員: 久保田一成さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報



 ◇◆ ドミニカ共和国・障害者施設 -バナナ紙工房から-  
(シニア海外ボランティア: 都築まさ子さん) ◆◇ 


 2001年秋、まだニューヨークの貿易センタービル・テロ爆破事件の恐怖が人々の心を暗澹とした気持ちにするなか、私はJICAのシニア・ボランティアとしてここ、ドミニカ共和国のNGO団体であるドミニカ・リハビリテーション協会に赴任してきました。私に課せられた任務は、16歳から35歳までの体に障害を持つ人々を対象に職業訓練をすることです。ここにある訓練プログラムは、裁縫や製菓や木工技術など少し時代のニーズに遅れた感のあるものばかりで、新しい訓練プログラムの開拓が私の仕事として要望されています。
 障害を持つ人の「社会自立」をすることはとても難しくて、最終的には「経済自立」を意味していますから、当然、学校では彼らが手に職をつけて生活していけるように訓練しなければなりません。しかし、実際には、ほとんどの若者たちは、身体的な機能を強化したり、仕事をする際の社会性を身につけたりすることが、主な目的の一つになっています。

 ドミニカ共和国は、現在約800万人の人口ですが、そのうち約一割の80万人が障害者として登録されています。重度の身体障害を持った人は、私の所属する学校にはいませんが、ほとんどの生徒が「精神遅滞」と診断されています。彼らは16歳から20歳前後の若者たちで、教室は熱気にあふれ、疾風怒涛の時期を迎えている元気のよい若者ばかりです。「字」の読めない子も多く、「読み」「書き」の練習をする授業も毎日決められた時間に行われています。しかし、一人の先生が12~13人の生徒の面倒を見ている状態で、なかなか効果は上がりません。しかし、字が読めなくても、書けなくても別のところで能力を発揮する子もいます。たとえば、私が日本語でメモ用紙になぐり書きした文字を真似して書き写すことが出来るのです。これには、さすがの私も驚きました。彼は絵を描くことも上手ですから、おそらく視覚がとても発達しているのだと思います。

 さて、突然、話は変わりますが、ある日、私はこの職業訓練校のプログラムの一つに「バナナ紙製作」を取り入れてはどうか、と思い立ちました。無尽蔵にある不用となったバナナ茎の資源を利用して作るバナナ紙。隣国のハイチやジャマイカでは、もうすでに始められている所がある、と聞いていました。
 それからは、毎日が「バナナ紙作り」の日々となりました。
 まずは材料のバナナの茎を手に入れることから始めました。バナナの茎はもちろん、葉っぱからも実の皮からも紙を作ることが出来ます。ただ、実の皮はセルロースが多くて工程にもたついていると、すぐに腐らせてしまいます。やはり、扱いやすい茎が一番です。とにかく、ここでは材料はふんだんにあるし、おまけに皆さんが無料(タダ)で分けてくれるのですから・・・・。
 作業は生徒に繊維を取り出させることから始めました。最初は皆、服が汚れると文句ばかり言っていましたが、今ではなんとか紙がすけるようになりました。紙作りは、ハサミをうまく使えない子のための手先の訓練、また紙をすく際の集中力を養う訓練としての効果があります。また、それに加えてマーケティングをして市場開拓をすれば、いくらかの収入にはなると考えていました。貧困家庭の子供が多いので、少しは家計の足しになるかもしれません。
 しかし、思いのほか厳しい現実がありました。今までドミニカ共和国が与えていたこのNGOに対する30%の補助金が2004年度で打ち切られることになり、協会を存続させるために学校のプログラムの縮小、人員の削減計画が打ち出されました。バナナ紙を作り始めて一年半が立ち、せっかく、ここまで来たのにという思いもありますが、バナナ紙工房は障害者自立のためのプロジェクトに結びつけることは出来ませんでした。

 ところが、今年になって、私たちの活動を知ったドミニカ共和国の何人かのアーティストたちがある提案をしてくれました。子供たちがすいた紙に絵を描き、その展覧会を企画してくれたのです。展覧会は大成功!絵は完売し、収益金は子供たちのために使われることになりました。現在、展覧会を手伝ってくれた芸術家の人たちを通して、ドミニカ共和国に環境保全と障害者自立を考えた紙作りの活動が少しずつ広がりつつあります。私の力では出来なかったことが、彼らの自発的な行動力で実を結んでいってくれるなら、こんなに嬉しいことはありません。少しの困難にもめげない、息の長い活動に発展していくことを切に願っています。


 ◇◆ 西アフリカの給水塔・ギニア」で日本が給水塔建設!  
(在ギニア大使館員: 久保田一成さん) ◆◇ 


 「ギニアのサンコンさん」は有名ですが、「サンコンさんのギニア」となると、皆、押し黙ってしまう。ということで、誰も知らないことで有名な国「ギニア」を、今日は日本の経済協力を通じてご紹介しましょう。
 ギニアは、日本の本州とほぼ同じ面積の国土に約750万人の人口を擁し、その周辺をギニアビサウ、セネガル、マリ、コートジボワール、リベリア、シエラレオーネの6カ国、そして大西洋に囲まれている西アフリカでも天然資源大国です。その天然資源の代表例として、まず挙げられるのは、世界の埋蔵量の3分の1を占めるボーキサイト、鉄、金、ダイヤモンド等です。そして、もう一つ、忘れてはならないのが「水」です。
 ギニアでは、例年、6月から10月頃までが雨季にあたりますが、その雨の降り方といったら、とにかく尋常ではありません。実は、世界で年間降雨量の最も多い首都はギニアのコナクリであり、この約100年間の統計で見ると、最大が1928年の6,250mm!、最少が1984年の2,350mmとなっています。屋久島の年間平均降水量は4,000mm強ですが、ギニアではこれだけの雨が「雨季のみ」にまとまって降るわけですから、その凄さが想像できるでしょう。まさに、天地創造の世界です。その結果、西アフリカの大河と言われるニジェール河、セネガル河、ガンビア河等の水源は、いずれもギニアにあります。ギニアが「西アフリカの給水塔」と言われるゆえんです。
 しかしながら、ここで非常に逆説的な現象が起こっています。これだけ多量の雨が降りながら、給水施設を含む社会インフラの未整備により、特に農村でWHO基準並の「安全な水」の確保が遅れており、衛生状況の悪化が社会問題となっているのです。当地ユニセフ事務所によれば、ギニア農村地域における「安全な水」へのアクセス率は42.2%とされており、これはマラリア、寄生虫、下痢、皮膚病といった水・衛生に起因する疾病を蔓延させる原因ともなっています。ギニア政府資料によれば、5歳以下の児童死亡率は、1,000人中201人と非常に高い水準にあります。
 このような状況を改善するため、日本は、ギニア政府よりの要請に基づき、2000年から約3年間かけて、ギニア沿岸地域にて約200カ所の足踏み式ポンプ井戸掘削、2カ所の太陽光揚水システム建設、井戸の維持管理活動支援等を内容とするプロジェクトに着手しました。
 この井戸掘削に際し、まず問題となるのは、掘れば必ず「安全な水」が出る訳ではないということです。沿岸低地部における海水の進入や、高鉄分含有地下水等の問題に対応した設計が必要となります。また、そもそも、住民に対してなぜ「安全な水」が必要なのか、これまで存在しなかった井戸の維持管理方法につき指導を行う必要があります。更に、雨季の激しい雨により、工事事務所の一時閉鎖という事態も引き起こされました。
 このような困難を乗り越え、2003年6月14日、このプロジェクトの引渡式が、太陽光揚水システムの建設されたカレクセ村(首都コナクリより北へ約150km)にて、カバ水資源・エネルギー大臣、富田大使、村民数百名の出席の元、盛大に実施されました。この太陽光揚水システムとは、ソーラー・エネルギーにより、高さ約15mの給水塔に井戸水を持ち上げ、そこから周辺村落の複数の公共水道に水を供給するものです。これにより、「安全な水」が常時確保できるのみならず、村の女性を水汲みから解放することにより、女性の社会的参加の促進も期待できます。村民が見つめる中、カバ大臣と富田大使により行われ公共水栓の最初の「一ひねり」は、村民の拍手と歓声に包まれました。村に「安全な水」が届けられた日として、村民の胸に深く刻まれることでしょう。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆有償資金協力 (平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_19.html

◆無償資金協力 (平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_17.html

◆政府開発援助(ODA)白書 2002年版

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo/02_hakusho/index.htm

◆日本NGO支援無償資金協力 (平成15年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/ngo_m15_05.html

◆「ODA総合戦略会議」第10回会合・議事録

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/kondankai/senryaku/10_gijiroku.html

◆パンフレット:「わが国の経済協力評価」(PDF)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/jikou/hyoka/pdfs/hyoka.pdf

◆アルジェリアにおける地震災害に対する国際緊急援助隊専門家チーム派遣について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/030606.html


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