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□●□ ODAメールマガジン □●□ 2003年6月12日発行 第20号
 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を続々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

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 ○● トピックス ●○

 ○KARIBU!Watamu(「ようこそ、ワタムへ」の意)
  (海外青年協力隊員 平成13年度第1次:環境教育 猪飼 麻由美さん)
 ○激動の政治・経済情勢の中でのベネズエラ中小企業支援
  (ベネズエラ派遣JICA開発計画専門家 塚本 明広さん)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報



 ◇◆ KARIBU!Watamu(「ようこそ、ワタムへ」の意)  
海外青年協力隊員 平成13年度第1次:  
環境教育 猪飼 麻由美さん ◆◇ 


 ケニアで環境教育。といっても、私の活動は多くの方が第一印象でイメージするサバンナとそこで生きる野生動物たちとはほとんど縁がありません。私が活動するのはインド洋沿岸のケニア第2の都市モンバサから、海岸沿いを北へ100キロほどいった小さな村「ワタム」です。林立する椰子の木の背後には真っ青な海。この風景を見たときに、抱いていたケニアのイメージがガラリと変わりました。そしてワタム村を知れば知るほど、その豊かな自然に驚かされました。ウミガメ、イルカそしてクジラもやって来る珊瑚礁の美しい海。人々に豊かな漁場を提供すると共に、鳥達の楽園でもあるマングローブ林を擁するミダクリーク(入り江)。海洋以外にもケニアで2番目に貴重とされる、象と固有種の住む森もすぐ近くにあり、また、そのそばには13世紀のアラブの遺跡がひっそりとした佇まいで建っています。

 私の配属先は政府機関であるケニア野生生物公社(Kenya Wildlife Service)ワタム海洋公園ですが、実際の活動先は地元のCommunity Based Organization (CBO)である、Watamu Turtle Watch(WTW)です。名前から分かるとおり、ウミガメを中心にマングローブやサンゴなどの海洋動植物保護、研究調査、コミュニティー開発、そして私が主に関わっている教育啓蒙活動を行っています。具体的には、地元の小学校や漁師さん達を中心としたコミュニティへの巡回教育(レクチャー、スライド&ビデオショー)、教材・ニュースレター作成、イベント開催(マングローブ植林、ビーチクリーンアップなど)等、試行錯誤を繰り返しながら1年10ヶ月歩んできました。こうして文字にしてしまうとほんの数行で済んでしまいますが、実際は様々なレベルの問題が次から次へと出てき ます。予算不足、人手不足に始まり、交通・連絡手段の不便さといった物理的問題から、言葉の壁、物事の進み具合の遅さ(ケニアには“急ぐと神の恩恵に与れない”という有名な諺があります。Pole Pole(ポレポレ/ゆっくりゆっくり)が基本です。)、そしてウミガメを食する文化をどう保護の対象へと意識を変えていけるかといった文化的問題まで。小さな村ながら観光地でもあるワタムはその影響にもさらされています。需要と供給のアンバランスから起こる環境破壊や独自の文化の変容などです。また、生活にゆとりが無い状況での環境教育はなかなか難しく、どうしても人々の意識・関心が生活そのものや利益に関わることに向いてしまいがちです。村人達は飢えるほどではないけれど毎日の暮らし、その年の暮らしを考えるのに精一杯という状況です。そして環境教育の性格として成果や結果がすぐには現れないため、村人や子供たちの興味を持続させるのが難しいこともあります。

 手探りで続けてきたこの活動ですが、それぞれの活動が少しずつ実り始めてきている確かな手応えを感じています。WTWでは漁師の網にかかってしまったウミガメを保護し、データ取得の後、再度海へリリースするという活動を続けています(漁師には網の補修代と謝礼として奨励金を払っています)が、このリリース数が年々確実に伸びています。ウミガメの数自体が増えている可能性ももちろんありますが、漁師達の意識が変わってきているのが彼らの言動から明らかに窺えます。ウミガメ(特にアオウミガメ)の肉と油は非常に珍重されており、法律で禁止されている今でも、ヤミで高価格で売買されています。WTWに手渡すより食べるか売ってしまう方を選んでいた人たちの意識が変わり始めています。

 WTWは本格始動から4年目のまだ新しい組織です。資金は全てFundや献金でまかなっていることもあり、最小限の人数でやりくりしています。小所帯ながらも国際色は豊かでプロジェクトコーディネーターであるイギリス人のウミガメ専門家を筆頭に、ケニア人オフィサー3名、アメリカ平和部隊の長期ボランティア、そして欧米をはじめ世界各国からやってくるボランティア達という顔ぶれ。これまでにやってきた24人のボランティア達がそれぞれの得意分野を少しずつ手伝う、そんな風にして今の組織が作られてきました。
 小さいが故の利点は一人の人があらゆることをやらざるを得ないため、あらゆる経験ができることです。また、限りある予算と資源の中でいかに効果的な手法をとるか、そのためのアイディアを搾り出すというプロセスを、悩みつつも楽しんでいる自分がいます。

 長い長い目で見る必要のある、環境教育。私の2年間はほんの足掛かりに過ぎません。でもだからこそ、今できること、すべきことを着実にこなす、これしかないと改めて思います。そして自然環境がいかに地道な努力でのみ守っていけるかを思い知る日々です。
 この土地で喜び・驚き・怒り、様々な感情を味わい、何よりここに住む人々と共に笑いあえること。これが悩みも落ち込みも吹き飛ばして前に進む私の原動力となり、今日もまた村へ向かいます。


 ◇◆ 激動の政治・経済情勢の中でのベネズエラ中小企業支援  
(ベネズエラ派遣JICA開発計画専門家 塚本 明広さん) ◆◇ 


 「ようやく業務開始の準備が整ったところだったのに、ゼネストが発生したため、事業計画全体を見直さざるを得なくなった。」これは、昨年3月に設立された中小工業開発事業団(INAPYMI)の総裁が本年3月に私に語った言葉です。INAPYMIがようやく実際の業務を開始しようとした矢先に、ベネズエラの長期ゼネスト(昨年12月初旬~本年2月初旬)は発生しました。

 ゼネストは、ベネズエラ社会経済に大きな爪あとを残しました。特に、中小・零細企業においては、原材料の入手困難化や製品需要減等が発生し、操業を縮小・停止せざるを得ない状況になっているところも少なくないようで、例えば、2003年3月時点でのベネズエラ中小工業の稼働率は3割程度であるとも言われています。実際、私が3月に訪問したある金属機械中小工業の集積地域では、寂寥としていました。
 石油産業に依存するベネズエラでは、産業構造の多角化・高度化に不可欠な「中小・零細企業振興」というテーマが、我が国の同国に対する技術協力において重要な位置を占めていますが、現在、ベネズエラ中小・零細企業は、上述のとおり、政治的混迷とも相まって極めて厳しい状況にあります。このような環境において、どのように中小・零細企業振興に関わる技術協力を進めることができるのか検討材料を揃えるため、私は、最終裨益層である中小・零細企業を訪問し、現場の生の情報を収集・分析することにしました。

 そこで、私は、国内有数の中小・零細企業集積地域であるアラグア州に赴きました。訪問先の一つであった同州マグダレーノ地区は、数百程度の家具・木工企業が集まる伝統的集積地域です。現地に着くと、早速、私は地元経営者らと経営上の問題点について意見交換を行ない、4月に地元の小・零細企業(個人事業~従業員30名程度)とのワークショップを行ないました。ワークショップでは、アラグア州政府からの要請に基づき、私から、経営管理基礎(販売管理、運転資金管理、会計基礎等)と企業集積(集積の特徴、組織化・協業化のメリット等)について3時間ほど講演を行ないました。講演中においては、「運転資金管理については理解したが、利益の把握方法はどうすれば良いのか?」、「より詳細な販売・市場分析を行なうことはできないのか?」等、多数の質問が飛び交い、予想以上の熱気と熱意に、私は戸惑いすら感じました。ワークショップには、地元の小・零細企業の事業主や州政府関係者ら58名が参加し、私の講演の後には参加者討議も行ないました。今回のワークショップを通じて、私は、伝統的工業における小・零細企業の経営現況、事業主のマインド、州政府の事業運営能力等、今後の協力調整に資する情報を、極めて短時間に効率よく収集することができました。地元企業に対しても、基礎的な経営管理手法を習得させることができたばかりでなく、複数企業が合同で市場調査を実施することを決定するなど、企業集積のメリットを活用しようとする意識を芽生えさせることができました。更に、こうした参加企業の動きを通じて、アラグア州政府に対しても、「伝統的企業集積における企業の組織化」を推進させるきっかけを作ることができました。

 今回のワークショップの当初の狙いは、マグダレーノ地区の伝統的企業集積をサンプルとした「今後の協力企画のための調査」にあった訳ですが、その目的は充分に達成できたと思います。事業主や州政府からの熱意に接し、私は、中小・零細企業振興に係る今後の技術協力については、明確な目標設定をすれば、充分な効果が期待できると考えました。現在、私は、派遣先の企画開発省等とも相談しつつ、中小・零細企業振興に関わる今年度以降の技術協力プログラムを調整しているところですが、今後の課題としては、関連するプロジェクトを有効に機能させつつ、「中央政府の進める企業振興政策・制度の整備」と 「地方における具体的事業」とを結びつけることが重要であると考えています。これには、中央政府と地方政府との対話、官民連携等を考慮に入れた今後の協力調整が必要です。政治・経済情勢については、なかなか先の見通せない状況となってはいるものの、ベネズエラは気候や天然資源に恵まれた高いポテンシャルを有する国であり、こうした技術協力により中小・零細企業振興が実現すれば、産業構造の多角化・高度化を図ることができ、ひいては、この国が抱える経済社会問題の緩和、国の発展に大きく貢献できるものと考えています。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆平成15年度日本NGO支援無償資金協力実施要領

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/shien/japan/index.html

◆日本NGO支援無償資金協力における外部監査の手引き(PDF)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/shien/pdfs/gaibu_kansa.pdf

◆日本NGO支援無償資金協力における外部監査の手引き(英文)(PDF)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/shien/pdfs/gaibu_kansa_e.pdf

◆平成15年度ODA民間モニター当選者一覧

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/minna/minna_3/15_tosen.html
ページの掲載は終了致しました。

◆平成15年度NGO専門調査員受入希望団体一覧

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2003/0320_4.html
ページの掲載は終了致しました。

◆草の根・人間の安全保障無償資金協力

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/kaigai/human_ah/index.html

◆アルジェリア地震災害への国際緊急援助隊救助チームの派遣

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/030602.html

◆平成14年度ODA民間モニター報告書(矢野副大臣への提出)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/monitor/teishutu_14.html

◆NGO事業補助金制度の評価(全文)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/gai/philippines/gd02_01_index.html

◆スリランカにおける洪水災害に対する緊急無償資金協力について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/030523.html

◆アルジェリアにおける地震災害に対する緊急援助について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/030522.html

◆スリランカにおける洪水災害に対する緊急援助について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/030521.html

◆「世界の水問題解決に貢献する日本のODA」(パンフレット)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/bunya/mizu/water/index.html

◆平成15年度 NGO相談員事業 募集要項

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2003/0320_7.html
ページの掲載は終了致しました。

◆平成15年度 NGO専門調査員事業 募集要項

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/2003/0320_8.html
ページの掲載は終了致しました。

◆マダガスカルにおける熱帯性暴風雨災害に対する緊急援助について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/030519.html


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 編集・発行 外務省経済協力局(〒105-8519 港区芝公園2-11-1)

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