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□●□ ODAメールマガジン □●□ 2003年3月27日発行 第15号
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 ○● トピックス ●○

 ○未来へ向かって
  (青年海外協力隊 ジンバブエ 保育士 菅原 佳子)
 ○HIVとの闘い;ガーナでの活動
  (元JICA野口研感染症対策プロジェクト・ウイルス学専門家
   国立感染症研究所・感染病理部・主任研究官 徳永 研三)
 ○「宍戸開の地球サポーター」(テレビ東京他)4月4日スタート!!
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報



 ◇◆ 未来へ向かって
    青年海外協力隊 ジンバブエ 保育士 菅原 佳子 ◆◇ 

 2000年12月から2年間、私はジンバブエの首都ハラレにある孤児院で、保育士として活動してきました。私は主に、その孤児院の中に併設された保育園を中心に活動してきました。その中で、子どもたちは笑顔で元気に過ごしていました。保育者もとても陽気です。しかし、はじめの頃は、保育者のやる気のなさも感じる日々でした。
 もちろん、子どもたちにお絵かきをさせたり何かを作ったりして、少しも努力が見られないわけではありません。保育者によっても違いますが、保育計画がなく、何をすればいいのかわからないと、子どもを外に出して自由遊びにし、それを座って見ているという状態で、保育者自身も、どのように計画を立てて、どのような保育内容を進めていけばいいのかがわからず、戸惑っているように見受けられることもありました。
 そのような中、幼稚園教諭の桑原珠実隊員と、保育園の先生方を対象としたワークショップを計画しました。毎月2回、半年にわたるプログラムで、私たちの配属先を中心に、その周辺地域の保育園を含め、全部で10園、45名の保育者が参加しました。
 私たちは、ジンバブエに必要なこと、ジンバブエに合った保育、ジンバブエにあるもので出来る保育等を考えて、「廃材を使ったおもちゃ作り」「集団遊び」「絵本の読み聞かせの仕方・作り方」「リズム遊び」「劇遊び・ごっこ遊び」「紙を使った遊び」「クリスマスの活動紹介」「絵画指導」「子どもの発達・指導計画」等のテーマについて話し合い、資料作りをして毎回配付し、それをそれぞれ、初回で渡したファイルに綴じていき、最終的には一冊の本が出来上がるようにしていきました。そして、200ページ以上に及ぶ本が出来上がり、私たちがその時点で伝えられることを、精一杯伝えることが出来たと思います。
 しかし、このワークショップでは、私たちが先生に伝えるだけではなく、私たちも参加した先生方から色々なことを学び、ジンバブエをさらに知ることもできました。そして、他の保育園の先生同士が顔を合わせる機会もあまりないので、お互いに刺激し合い、話し合える、良い機会を提供することもできました。また、ワークショップを始めた頃に比べ、終わる頃には、先生方の保育や考え方にも変化が見られ、意欲が感じられ、自分達からどんどん積極的に実践してくれるようになりました。
 ジンバブエにも保育者養成校がありますが、お金がなくてなかなかいけない人もいます。そして、保育の専門書も少なく、食糧不足や物価の急上昇で生活が苦しくなっている中、これらを買う余裕などありません。日本では、教育を受ける機会、そして多くの参考書や研修などもあり、勉強する環境に恵まれています。しかし、ジンバブエの先生達は、学びたくてもその機会を得るのが難しい環境に置かれているのです。そのため、先生方はとても熱心に、喜んでワークショップに参加してくれました。
 現在は桑原隊員がハラレ市と連携しながら、一人の現地保育者と一緒に他の地域でこのプログラムを進めています。このプログラムがもっと広い範囲の地域へ広がり、保育者の積極性と発想力等を引き出すと共に、子ども達の笑顔がどんどん増えていくことを願っています。
 保育士という仕事は、子どもの未来に大きく関わる仕事です。子ども時代にどんな人たちに囲まれて、どんな喜びがあり、どんな経験をしてきたか、これは子どもの成長、そしてひとりひとりの人生に大きな影響を与えます。その大切な役割を果たす一人となるわけですから、常に向上心を忘れずにいたいと思います。これは、私がジンバブエの先生達と接して思ったことです。私はジンバブエでこの仕事の素晴らしさを改めて感じました。
 もう帰国してしまいましたが、これからも何かのかたちで少しでもお互いに影響し合いながら、また、子どもたちの笑顔と一緒に未来へ向かって歩んでいきたいと思います。


 ◇◆ HIVとの闘い;ガーナでの活動 
元JICA野口研感染症対策プロジェクト・ウイルス学専門家    
国立感染症研究所・感染病理部・主任研究官 徳永 研三 ◆◇ 


 平成14年1月20日から1年間、私がJICA専門家として日本の国立感染症研究所から派遣されたガーナ大学付属野口記念医学研究所は、1979年に日本政府の無償資金協力によって設立され、かつてガーナで黄熱病研究の途中で亡くなった野口英世の名にちなんで命名されました。ここでは主にAIDSの病原体すなわちHIV、マラリア、結核などの感染症が重点的に研究されています。私は自分の専門分野であるHIV/AIDSのウイルス学的・分子生物学的研究指導をガーナ人スタッフに対して行ってきましたが、彼らは大変熱心に実験に取り組み、私自身確かな手ごたえを感じました。
 今現在の世界のAIDSの現状ですが、世界のHIV感染者の数は約4千万人、アフリカのサハラ砂漠より南にはその7割に当たる2800万人の感染者がいます。このうち、ボツワナやジンバブエでは人口の30%強がHIVに感染しています。ガーナはアフリカの中では、比較的感染者の少ない国ですが、それでも人口の4%近くが感染者です。こうしたHIV感染者の増加により、国連エイズ合同計画の予測では、南アフリカ共和国で2010年までに、平均寿命が今の60歳から40歳にまで下がり、労働人口の多くを失うとされています。さらに、世界保健機構の予測では、2020年までにアフリカのHIV感染率の高い国々において国内総生産が現在に比べ20%も落ち込むと言われています。HIV感染防止策については、10年以上前からコンドームの使用などの啓蒙教育がかな り推進されてきましたが、それでも感染者が増加していることを考えると、なかなか普及していないというのが現状です。
 近年、HIV/AIDSの治療法として先進国で用いられているもので、HAART療法と呼ばれるものがあります。この方法によりHIVに感染した患者の多くがエイズを発症することなく生き延びることが可能になってきました。この治療法は、抗HIV剤である、逆転写酵素阻害剤(RTI)とプロテアーゼ阻害剤(PI)を同時に服用する療法のことです。
 RTIは、ウイルスがヒトの細胞に侵入してまもない段階で効きますが、その一方で、PIは、ウイルスが細胞内で増殖して外に出てくる直前で抑えることができます。それゆえ、ウイルスの複製サイクルにおいて2段階で効く異なる2種類の薬を同時に使うことは大変意義のあることなのです。
 アフリカではこれまで、RTIのみに頼ってきましたが、このRTIと同時にこの治療の鍵となるPIを用いるHAART療法がアフリカにおいても有効かどうかというのが、私の研究課題です。ここで問題となるのは、このPIが、欧米タイプのHIVに対して作られ臨床応用されてきたものである為、それとは異なるタイプのアフリカのHIVにも同様に効くか否かはまだ不明であるということです。そこで今回私達は、アフリカで蔓延しているHIVに対するPIの有効性を遺伝子レベルでテストする診断システムを確立しました。この手法を用いることによって、仮に1種類のPIが効かない場合でも、現在、PIは6種類程度あるので、薬の種類を変えてテストを行うことにより、アフリカタイプのHIVに最も適したPIを探していくことができます。
 アフリカタイプのHIVにどの薬剤が効くかを確認するために必要なことは、ある薬剤が有効かどうかの普遍性を確認するために、できるだけ多くのHIV感染者の血液サンプルを病院から得ることでしたが、ガーナ人スタッフの頑張りのおかげで、十分な数量のサンプルを入手することができました。そして私の1年間の任期中に、スタッフへの必要なテクニックの指導は全て終えると同時に、多くのデータも蓄積してきました。
 とはいえ、それに至るまでには、計4ヶ月近くを費やした分子生物学ラボラトリーのセットアップや、更に4ヶ月かかったガーナ国内初のDNAシークエンス(遺伝子配列解析)システムの立ち上げなど、苦労話を始めると枚挙に暇がありません。が、これまで私が日本と欧米含め六つの研究所に勤務した経験から比較しても、同じサイエンスを探究する者として、ガーナ人スタッフに同様の志と熱意が強く感じられたからこそ、数多くの苦労の中でも、常に前向きな気持ちで研究活動に取り組めたのだと思っています。
 今後、ガーナサイドと日本サイドが一丸となって解析を進めていけば、近日中にどの薬剤が効くかを探し当てることはできると思います。いったん、ある薬剤の有効性を確認できれば、そこから先の課題は、この薬を用いたHAART療法を、アフリカの中でどれだけ多くの人達に行き渡らせることができるかということになると思います。アフリカにおけるHIV感染者の大半は病院で治療費も払うことのできない貧困層の人々です。これらの人達にも薬を行き渡らせるためにはアフリカの国々の自国の財政ではとても無理で、日本を含めた先進国による支援が今後ますます求められることになっていくと考えています。


 ◇◆ 「宍戸開の地球サポーター」(テレビ東京他)
4月4日スタート!! ◆◇ 



 4月4日から、外務省提供のODA広報テレビ番組「宍戸開の地球サポーター」が、下記の放送局・放映時間にて放映されます。
 本件番組では、俳優の宍戸開さんがナレーター兼レポーターとして、アジア・アフリカの数カ国を訪問し、宍戸さんの目線を通じて、各国の自然や文化、現地の人々の日常を伝えるとともに、現地の人々に焦点を当てて、彼らの生活に根付く我が国援助の実例、援助の必要性、援助の効果などを紹介していきます。
 1ヶ国目として宍戸さんは昨年5月に独立したばかりの東ティモールを訪問し、人々が新たな国づくりに取り組んでいる様子や彼らに対する我が国の具体的な支援についてレポートしてくれます。是非ご覧下さい。

1.番組名:宍戸開の「地球サポーター」
2.放送局:テレビ東京及びテレビ大阪
3.放送日・時間
  (1)東京:毎週金曜日夜9:54~10:00
   (但し、初回の4月4日は、特別番組編成の関係で、10:48~10:54
    の放送)
  (2)大阪:毎週水曜日朝10:55~11:00(初回は4月9日)


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆政府開発援助大綱見直しについて

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/t_minaoshi/030314.html

◆ 無償資金協力 (平成14年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_13.html


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