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□●□ ODAメールマガジン □●□ 2002年12月27日発行 第10号
 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を続々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

ODAホームページ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html


 ○● トピックス ●○

 ○生徒から学んだこと
 (青年海外協力隊員 12年度3次隊バングラデシュ 染色 石坂 貴美)
 ○ODA民間モニター報告(タイ)
 (外務省 経済協力局 有償資金協力課 岩崎 平)
 ○お知らせ:ODA広報特別番組の放映
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報



 ◇◆ 生徒から学んだこと
青年海外協力隊員 石坂 貴美    
12年度3次隊バングラデシュ 染色 ◆◇ 


 私はバングラデシュの青年開発局(Department of Youth Development :以下DYD)で若者の自立自営を助けるための職業訓練所で活動しています。この国では、協力隊は任地の人々の自ら努力する意欲を引き出すのにとても苦労しています。しかし、私は運がよいことに、やる気で向上心のある現地の同僚や生徒に恵まれています。DYDの主役はまさに現地の若者と彼等の為に働く人々、私は彼等の手伝いをして協力しサポートする側にまわっています。もちろん私もDYDで授業を持ち、現地にはない染色技術「絞り」を教えていますが、肝心なのはそのコースを終えた後の生徒が習った技術を自分達の生活向上にどう活かすかです。技術より本人達の意欲や向上心が必要だと思います。
 その中で出会ったある女性の生徒について紹介したいと思います。彼女はいつもブルカというイスラムの女性が外出するときに頭からかぶる黒い布を身にまとったおとなしい生徒でした。ある日「突然夫に反対されもう習いに来ることができない。」と泣きながら彼女がやってきました。男尊女卑の激しい国では夫や父親の理解と援助がなければ女性のさまざまな活動は円滑に進みません。彼女の夫は無職になり、家にいつも居て躁鬱が激しく、機嫌が悪いと妻が夫を家に残して出かけるのが気に食わないということでした。イスラム圏では女性が外に出ることさえ制限されることが多いので、このように突然夫の反対などにより途中でコースを止めなければならない生徒は少なくありません。
 そんなとき同僚はその家族と話をしてトレーニングを受けることに理解と援助をお願いしています。まず私達は彼女本人にどの程度強い意志があるか確認しました。「今までに習った洋裁や刺しゅうの技術とあわせて物つくりをして収入を得たい。現在夫は無職であるので自分の実家から援助を受けている。自分達で経済的に独立した家庭生活を送りたい。」と彼女は答えました。
 夫に意見を言うことすらできず、おとなしい彼女ではあったが、心の底にはきちんとした考えがあることを知り、私と同僚は彼女に、まずはっきり意思表示をし自ら夫を説得するように努力することを勧めました。この国では女性がものを主張する習慣がないので自分の意見をきちんと伝える手立てを知らない女性が多いのです。彼女も何度も意志を伝える努力をし、やっと夫からトレーニングを続ける許可を受けることができました。その時、私は彼女の説得で夫が変わったのだと感心しました。その後彼女は無事にトレーニングを終了し、それと同時に自宅に看板を掲げて洋裁・染色等のオーダーを受け始めたのです。
 コース卒業後も彼女は何度もDYDに来て我々に事業の状況を報告してくれています。その後、生徒も募集し洋裁・染色・刺しゅうなど指導するようになりました。現在は夫の理解を得て自宅に増築した1室を作業場兼教室として使用、オーダーも順調に受け、彼女の下で何十人もの生徒が学んだことになります。
 私は、彼女が来るたびに夫の機嫌はどうか聞いていますが、今でも相変わらず気難しいらしいです。「人の性格ははそんなにすぐ変わるものじゃないから。」と静かに彼女が言ったとき私の目から鱗が落ちた気がしました。変わったと思ったのは、彼女の夫でなくて彼女自身であったのです。夫におびえて泣いてばかりだった彼女が、今はどうしたら環境を改善できるか考え努力し、夫に意志を伝えて環境を変えているのです。
 何かことが上手くいかないとき、人のせいや環境のせいにするのは簡単です。しかし、そうしたところで事態は一向に変わりません。人や環境を変えるためにはまず自分が努力しなければならない、彼女を見てそう思いました。本当に彼女は強くなったと思います。私は彼女からとても大切なことを学んだ気がしました。また、この国の女性である私の同僚はそんな生徒達のために身を粉にしながら働いて、時には厳しく時にはやさしく彼等を叱咤激励しています。同僚の存在が、生徒達を変え、女性であってもさまざまなことができるのだと自信を与えているように思います。
 さまざまな国からこの国へ来て、この国のために何らかの援助・開発を行っている者はこの国の将来を憂える者が多いと思います。冒頭で述べたように、任地の人々の自ら努力する意欲が少ないからです。「貧しいから、環境が悪いから援助をもらって当然だし、援助なしでは生きていけない。」そんな考えや人々の態度が主流です。
 紹介した生徒の内面の変化に気づいたとき、この国に必要なのはこの国の人々が自ら変わろうと努力することだと思いました。「貧しい中で、環境が悪い中で自分達がどう努力できるか?そのために自分達が何をしなければならないか?」考えることが必要だと思います。いくら援助する側だけががんばってもこの国には変化は現れません。2年という自分の任期の中でこの国の為にできることは、自ら学び変わろうとしている者や自国のために援助に頼らずに努力しようと試みている人々に協力をすることだと私は考えています。
 この国の将来を担う青年達やその活動を支える同僚の活動に対して協力する機会を得ることができ、充実して学ぶことが多い日々を送っています。私の活動が少しでも青年達の励みになればよいと努力しながら、バングラデシュの発展を願っています。


 ◇◆ ODA民間モニター報告(タイ) 
外務省経力協力局 有償資金協力課 岩崎 平 ◆◇ 


11月24日~30日の間、ODA民間モニター(近畿地区)の同行者としてタイに行かせて頂きました。以下、「ちょっといい話」を御紹介します。

1.参加者の人たち

 今年のモニター参加者は全体で104名ですが、約4千名の応募があったそうで、競争率はなんと40倍です。
 今回、私は近畿地区代表の12名(男女各6名)の方々に御一緒しました。20歳の学生さんから68歳の御年配の方までと年齢層は幅広いのですが、ほとんどの方が地元のNGOに所属しているか、身体障害者のケアなど福祉のボランティアを経験されていました。
 なかでも、22歳の女性は、昨年1年間大学を休学し、香川県の山奥にある「身体障害者用の助産院」で住み込みのボランティア(無給!)を行い、食事付だと1日千円かかるので、自分で畑に野菜を育て、お弁当も自分で作って生活していたそうです。また、68歳のおじいちゃんも、1個つくって2~3円の手内職をしながら、地元大阪の身体障害者施設で介護のボランティアをされながら、チェンマイの孤児たちに日本の里親を探してあげる活動をなさっています。
 ピュアなハートを持っている方たちばかりでした。

2.視察概要

 今回視察したODA案件は10件。草の根無償の案件、JOCV隊員の活動現場、NGOの活動現場の他、円借款案件を4件(東北タイの上水道整備と農業開発、アユタヤ遺跡修復、チャオプラヤ河の橋梁)視察しました。

(1)東北タイの農業開発(円借款)
 いくつかの村を訪問した際に、カイコをご馳走になりました。東北タイの貧しい人たちは動物性タンパクを摂取するため、カイコやゲンゴロウを食べる習慣がある(食べざるを得ない)そうです。カイコは炒めたものと茹でたもの(糸を取った直後でお湯のなかにぷかぷか浮いているもの)を食べ比べてみたのですが、茹でた方が美味しかったです。味は銀杏とホタルイカを足して2で割ったような感じでした。5、6個食べました。A型肝炎大丈夫かなあ。それから稲刈りもやりました。

(2)エイズ患者の施設(草の根無償)
 エイズ患者と一緒に昼食をとり、施設(小屋)を見学しました。ご飯にはハエが集っていたのですが、私たちのために朝市場に買出しに行ってくれたと聞き、おかわりして食べました。彼らはお金がないので病院にも入れず、小屋の裏庭で、治療のための薬草(といっても普通のハーブやアロエの類)を育て、食用の野菜栽培や魚の養殖をして患者たちが共用で生活の足しにしているという話でした。話をした人たちはみんな5年以内には亡くなってしまうことを一緒にいたNGOの方から聞きました。やがては死んでしまう彼らの爽やかな笑顔にみんなでウルルンしました。

(3)その他
 スラムの保育園やJOCV隊員の活動現場も視察し、それぞれ胸を打たれました。また、東北タイの地方都市コンケンを訪問した時には、村人120名が集まって歓迎してくれました。我が方からも、ヒゲ・ダンスや「キャンプだホイ」の出し物をしました。その後、団員たちは村人たちと3時間程ダンスしまくりで、関西人のパワーを思い知らされました。団員の何人かは村人たちに口説かれたそうです。

3.劇的な幕切れ

 朝4時起床で地方に移動し、視察を3件やって、さらにクルマで5時間移動し、夕食は夜10時、11時半から反省会というめちゃめちゃな日もあったのですが、みんな体調を崩すことなく、無事に日程を消化しました。60代の方が3人もいらっしゃったのに、これはすごいことです。一日の終わりには団長の部屋に集まり、毎晩、反省会なるものを全員で30分程度行ないました。川口大臣によるODA改革の方向性(透明性、効率性、国民参加等)の視点からどう案件を見るか、明日の視察のポイントは何かなど、みんなで議論し考えてくれました。
 すべての日程を終え、バンコクで最後の夕食会を行なった時には、大使館のみなさんにお礼の歌(「乾杯」)を全員で歌いました。担当の書記官もウルルンしていらっしゃいました。
 レストランを出発して空港に向かおうとする時、お世話になった方々への別れを惜しんで、女性も男性もクルマの窓から身を乗り出して、みんなポロポロ涙を流して手を振っていました。

 30日午前、関西空港に到着しました。1Fロビーで解散しようとすると、今度は私とJICEからの同行者2名に歌のプレゼントを頂きました。「みーんな友達だー(曲名不明)」とみんなで肩を組んで歌い、全員涙でぐしゃぐしゃになりました。
 その後、心のこもった「寄せ書き」をプレゼントとして頂きました。私ともう一人の同行者に気付かれないよう、移動のクルマのなかで揺れたり止まったりしながらみんなで書いてくれたそうです。私もポロポロ泣きながらみなさんにお礼を申し上げました。みんな泣いていました。
 それから適宜解散となりました。私の飛行機の時間まで3時間程あったにもかかわらず、疲れているだろうに、20代のメンバー7名が最後まで残って見送ってくれました。別れるのが辛くって辛くって・・・。みんなのことは一生忘れられないと思います。

 私自身、これほど感動を一杯もらったことは初めてですし、あんなに泣けたのも初めてでした。みんなと気持ちが一つになれた実感がありました。現地大使館の温かいサポートもあり、「外務省のイメージが変わりました」とみんな口々に言ってくれたのが嬉しかったです。メンバーの方々はそれぞれの学校や職場、所属しているNGO、福祉の現場、地域で開催される国際協力イベント等で今回の体験を報告したいと言っていました。地元の新聞等にも投稿してくれると思います。


 ◇◆ お知らせ:ODA広報特別番組の放映 ◆◇ 


 28日、外務省提供のODA広報特別番組「母なるメコンに抱かれて」が、下記の放送局・放映時間にて放映されますので、お知らせします。
 本件番組ではカンボジア及びラオスの2ヶ国を紹介し、カンボジアには、山本太郎(タレント)が訪れ、支援にて裨益する現地家族との交流や現地事業等の紹介を交えながら、メコン川に周辺に位置する日・カンボジア友好橋、道路修復支援、草の根無償で建設されたカンボジア・日本友好学園、水産養殖支援等を紹介します。また、ラオスには、田中律子(タレント)が訪れ、支援にて裨益する現地家族との交流や現地事情等を交えながら、紙布織に対する技術協力、ナムグム・ダム建設事業、森林保全復旧プロジェクトなどを紹介します。是非ご覧下さい。

 1.番組名:「母なるメコンに抱かれて」
 2.放送局:日本テレビ系列31局ネット(全国をカバー)
 3.放送日・時間:12月28日(土) 10:30~11:24
  (注)ただし、以下の3局については、それぞれ、
    山梨(YBS)及び大分(TOS):16:00~16:55
    福井(FBC):14:30~15:25、にて放映。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆日本NGO支援無償資金協力(平成14年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/ngo_m14_11.html

◆ODAタウンミーティング in 宇部(議事概要)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/kondankai/2/ube_mg.html

◆無償資金協力(平成14年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_13.html

◆「ODA総合戦略会議」第6回会合の開催について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/kondankai/senryaku/senryaku_6.html

◆対バングラデシュ国別評価(概要)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/report/bangla1.html

◆スリランカの国内避難民に対する緊急無償資金協力について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/021213b.html

◆グアムにおける台風災害に対する緊急援助について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/021213.html

◆モロッコにおける洪水災害に対する緊急援助について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/keitai/kinkyu/021211.html

◆有償資金協力 (平成14年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_15.html

◆対ニカラグア国別評価(全文)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/gai/nicaragua/kn01_01_index.html

◆ODA改革:三項目の実施について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/3_komoku/index.html


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 編集・発行 外務省経済協力局(〒105-8519 港区芝公園2-11-1)

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