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□●□ ODAメールマガジン □●□ 2002年12月12日発行 第9号
 ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を続々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。

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 ○● トピックス ●○

 ○山岳民族の自立発展に向けて
 (元JICA 青年海外協力隊 タイ派遣 野沢 亜希子)
 ○小島に届いたコンピュータ
 (青年海外協力隊・フィリピン派遣 システムエンジニア 羽石 正則)
 ○[New!!]ODAホームページ新着情報



 ◇◆ 山岳民族の自立発展に向けて
JICA 青年海外協力隊 野沢 亜希子    
配属先:タイ国 ターク県山岳民族福祉開発センター    
任期:1999年7月~2002年9月 ◆◇ 


●任地ドイムスの山岳民族
 タイ北西部にある任地タークは観光地としては非常に目立たない県で、バンコクから県都へは約400km、バスで7時間かかります。列車はなく、飛行機はミャンマー国境の町メーソット行きが週2便あるのみです。
 活動拠点は配属先のターク県山岳民族福祉開発センターがあるドイムス地域で、県都からメーソットへ向かう国道105号線沿いにあり標高約900mの山岳地。ここにはラフ、モン、カレン、リス族等の山岳民族村が点在しています。
 タイの山岳民族というと観光地として名高いチェンマイ、チェンライ等を思い浮かべるかもしれませんが、タークもミャンマー国境という土地柄、多くの山岳民族がいます。特にドイムスでは観光化が進んでいない分、独自の文化、伝統を守った素朴な暮らしが多く残っており、正月等の行事ともなれば、各民族が華やかな衣装を着て踊りや儀式を行っています。

●山岳民族福祉開発センター
 ところで、配属先の役割を簡単にご説明します。
 この半世紀、タイ政府はミャンマー国境に移り住んだ山岳民族に対し定住化・保護政策を進めてきました。その実施機関が14県ある山岳民族福祉開発センターで、「山岳民族がタイ人として生きられる」ように国籍取得、職業訓練、保健衛生、麻薬撲滅、等の福祉活動を行っています。

●協力隊チーム派遣プロジェクトと私の仕事
 その一つであるターク県センターでは、1995年から青年海外協力隊がチーム派遣され、2年の準備期間と5年の「山岳民族自立支援モデル計画」実施で去る9月に終了しました。このプロジェクトは「山岳民族の持続可能な自立発展」を目標に、村落開発、保健衛生、農業、職業訓練、市場開拓など総合農村開発を参加型手法で行なうもので、様々な職種の隊員が派遣され、私は村落開発普及員としてさらに市場開発のために計3年活動しました。
 私の活動はチームが支援している村の職業支援と製品の市場開拓で、村の資源と伝統技術を活かす家内産業で収入向上を図ることが大きな目的でした。例えば、山で採れるコーヒーや各民族の伝統技術を活かした手工芸品。またチームで支援した寮の子供が食事代を稼ぐために製品化したハチミツ等です。
 さらにホームステイやトレッキングからなる観光開発をしている村もあり、その宣伝も重要でした。村内の観光収入かつ製品販売機会になるためです。
 実は当初、市場開拓はターク市内など平地で試行錯誤しましたが、山からのアクセスが悪く、村の人だけで続ける難しさを感じました。そこで、山から下りなくとも販売できる地元の市場作りへと活動方針を転換し、観光とからめた製品販売に力を入れる事にしたのです。

●ドイムス山岳民族市場
 一方チームとは別に、センターもまた、ドイムスの発展のために約3年前、山岳民族のための市場を国道105号線沿いに建てました。
 しかし構想自体は良かったけれど、資金不足から市場内のインフラ整備が不十分で色々な問題が生じました。例えば、水道、電気が不十分で飲食店経営が困難。市場内が未舗装かつ配水設備が無く、雨季になると地面がぬかるみ歩行困難になる等、様々な要因が重なり、市場はオープンしたが客が入らず、雨季には萱葺き屋根の市場は朽ちるといった状況でした。

●草の根無償プロジェクト
 一度は衰退した市場ですが、山岳民族にとって山にいながら販売可能な市場は大きな意味を持ちます。この事はチームでも過去の経験から痛感していました。
 そこで2001年、センターはチームと協力し日本大使館の「草の根無償」を申請。2002年4月から「山岳民族の持続可能な開発」を目的とした改善工事が実施されました。工事は最大の課題であるインフラ整備が主でしたが、さらに女性グループの手工芸品販売、観光の宣伝を目的とした販売・案内所も建設されました。

●市場のオープン
 そして7月12日、市場の再オープニング式が盛大に行われました。
 その後2ヶ月の経過を見ると、雨季でありながらも、以前に比べ利用者数、売上げ、販売者数も増え、明らかに市場に活気が戻りました。
 元来、市場のある国道105号線は一般の往来者やメーソットへの観光客も多い道路。乾季に入ればさらに客数が増加するのは間違いなく、また長期的には、アジア・ハイウェイの一部であるこの通りは、いずれタイからミャンマーへ抜ける客で賑わうと予想できます。
 今回の改善工事により将来どれだけの効果があるか?それを見るには時間が必要ですが、この2ヶ月を見る限り、環境整備と客数増加で山岳民族のやる気が向上し市場が活気づいたのは確かです。また、管理責任者のセンターと山岳民族の市場運営委員が毎月会議を開き、今後の発展に向けた自助努力も見られます。協力隊チームが支援している村の製品も売れており、何より寮のハチミツの売れ行きがよいのはうれしい成果です。
 これら一連の経過から改めて、今回の「草の根無償」支援に意義を感じます。日本のODAは「箱だけで中身が伴わない」等、何かと批判の見られた過去もありますが、この市場支援は、山岳民族のやる気を創出し自助努力を促す、地に足のついた援助の形であったと思います。今後の援助方法の一参考例になるのではないでしょうか?


 ◇◆ 小島に届いたコンピュータ  青年海外協力隊員 羽石 正則 
配属先:フィリピン システムエンジニア ◆◇ 


 私の赴任地は、フィリピン南部ミンダナオエリアに属するカミギン島です。一周が64kmの小さな火山島で温泉も湧いており国内向けの保養地となっています。原生林が多く残っており、周辺の海では豊かな珊瑚が魚達を育んでいます。私は、このカミギン島の教育省のもとでコンピュータ技師(旧システムエンジニア)として赴任しています。
 要請内容は、教育省が管轄している小学校、高校におけるIT教育向上の支援でした。赴任当初、島内における設備は決して良い状態ではありませんでした。コンピュータが導入されている公立高校は9校中3校で、台数が少ない上に導入されているコンピュータは頻繁に故障していました。高温多湿な気候,防ぎ切れない粉塵、壊れて外れかかった電源口、度重なる停電等、故障の原因は少なくありません。
 私の活動は、コンピュータの修理、使用環境改善への取り組みから始まりました。島という閉ざされた環境では必要な情報が入手し難いようで、当初コンピュータに関する知識を持った人は殆どいませんでした。
 赴任から1年7箇月が経過し、カミギン島のIT分野は少しずつ進歩してきました。これまでの活動で、最も需要が多かったのは、コンピュータ修理とメンテナンスで、その次がアプリケーションの使い方の指導でした。しかし最近ではコンピュータの知識を習得した先生の数が増えており、既にこの分野は彼等に任せて大丈夫である域に達しています。今後は彼等同士でスキルを展開していく段階になりそうです。
 今後私が力を入れるべき分野はネットワーク技術です。配属先でも学校でも全くこの分野についての知識はもっていないからです。しかし、配属先では今現在必要性の低いネットワークに興味を持とうとしません。ネットワーク機器を買うなら、もう一つエアコンが欲しいといった様子なのです。確かに今は島の通信設備が脆弱なためにインターネット接続が困難であり、ネットワークの旨味を十分に享受することができる環境ではないかもしれません。しかし近い将来に必要となる技術であることは明白です。何とか私の在任中に、その知識だけでも引き継いでおく必要があります。
 緊急性が低いという事以外にも、配属先がネットワーク導入に関して及び腰である理由があります。それはネットワークに対する知識の欠乏でした。何物かも知れない物にお金を使えないと感じているようなのです。まずは実際のネットワークに触ってもらい、重要性を認識してもらう事が必要だと考えました。しかし利用できる場所と物を見つけるのは容易ではなく、行動に移す事ができずにいました。
 そんな折、幸運が転がり込んできました。今年の1月、来比した小泉総理がフィリピンのIT教育に対しての助成金を約束していたのです。その額、6億ペソ(約14億4千万円)。このお金を使いフィリピン政府は国内の1000校の学校に20台ずつコンピュータを導入する計画を立てました。そしてなんとカミギン島の2つの高校がその恩恵を受けられることになったのです。ちなみにこの2校を加え、島で現在コンピュータの導入された高校の数は6校になりました。
 早速、日本政府から20台のコンピュータの導入をうけた高校に出向いて、私の構想を説明させて貰いました。日本からのODAという事で、先生方は普段以上に気前良く親切に私の話に耳を傾けてくれました。そして快く賛同してくれました。私の構想は、インターネットサーバを室内に構築する事でした。そうすることで、ホームページ参照、メールのやり取り等、生徒のクライアント端末から実際にインターネットにアクセスしているのと同じ操作ができる様になります。ネットワーク技術を習得できる上に、通信コストをかけずにインターネットの仕組みを学べます。
 早速作業にとりかかり、20台の内の1台に無料で使えるLINUXOSをインストールしてインターネットサーバとして仕立てました。後は機器を揃えてLAN(Local Area Network)を構築するだけです。当面これらの機器は私が用意する事にしました。これによって配属先がネットワーク導入の意義について考えを改めてくれるなら有難い事です。
 日本政府からODAとして導入されたコンピュータを心置きなく協力隊活動に活用させて頂いている最中です。


 ◇◆ [New!!] ODAホームページ新着情報 ◆◇ 

◆ミレニアム開発目標(概要)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs/mdgs_gai.html

◆ミレニアム開発目標 古田経済協力局長基調講演

(日本語版)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs/mdgs_kk.html
(英語版)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs/mdgs_kk_e.html

◆地球温暖化対策関連ODA評価 調査報告書(全文)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/gai/g_warm/index.html

◆「ODA総合戦略会議」第4回会合・議事録

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/kondankai/senryaku/4_gijiroku.html

◆平成14年度NGO・外務省定期協議会連携推進小委員会 議事骨子

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/ngo_rs1.html

◆人口・エイズに関する地球規模問題イニシアティブ(GII)
 評価調査(全文)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/gai/gii/index.html

◆無償資金協力(平成14年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_13.html

◆有償資金協力(平成14年度の交換公文締結日別)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou/siryo_5_15.html

◆対ニカラグア国別評価(全文)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/gai/nicaragua/kn01_01_index.html

◆ODA改革:三項目の実施について

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/ugoki/sochi/3_komoku/index.html


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