ODABOOK_vol2
26/32

24 SERIES ODA NOW 「 測って終わり 」にせず活用することで現地へ還元避難先への恩返しとしてマチュピチュ遺跡の保存に貢献福島県 株式会社ふたばふたば代表取締役遠藤 秀文氏「 マチュピチュ地区での3D測量技術による文化遺産の保全と活用のための基礎調査 」当社が本社を置く福島県双葉郡富岡町は、2011年に発生した東日本大震災・東京電力福島第一原発事故で全町避難となり、当社も事業存続の危機に陥りました。その際、町民の避難をいち早く受け入れてくれたのが同県の安達郡大玉村でした。そ れ がODA事 業 の き っ か け と な り ま し た。 大 玉 村 が ペルーのマチュピチュ村と友好都市協定(注1 )を結んでおり、マチュピチュ遺跡の情報をうかがう中で、遺跡が人為的被害や自然災害によって風化・劣化が進み、将来的に崩壊が懸念されていることを知ったのです。そこで、東日本大震災の復旧・復興に関連する測量事業や文化財保護事業に取り組んでいた当社は、独自の3D測量技術 (注2 )を使えばマチュピチュ遺跡の保全にも貢献できるのではないかと考えました。当社にとって初めての遺跡・文化財に関する海外展開で不安はありましたが、大玉村への恩返しという思いが強く、マチュピチュ村でのJICA民間連携事業応募を決意しました。基礎調査では、日本から測量機器をマチュピチュ遺跡へ持ち込み、実際に計測したデータを分析することを目標としました。ところが、マチュピチュ遺跡の管理局からは「これまで各国の調査団がたくさんのデータを取っている。新たなデータを取る必要があるのか 」と指摘を受けた一方、これまで取得されたデータが遺跡の管理や保全等に十分活用されていないことがわかりました。そこで、調査内容を既存データの評価及び活用方法の提案へと方向転換をしました。コロナ禍で渡航が難しくなったため、現地コーディ2019年12月〜2022年11月三次元(3D )測量技術などを駆使し、建設・環境・空間情報コンサルティング、地域デザインを行っている株式会社ふたばは、東日本大震災の苦難を乗り越え、JICA民間連携事業を通じて、ペルーのマチュピチュ遺跡の保存・保全に関わっています。その経緯と展望などについて、同社の遠藤秀文代表取締役にうかがいました。調査 ではドロ ーンやハンデ ィ ス キ ャ ナ、 地 上 レ ーザー スキャナ などによる測量 調査を予 定していたが、 現 地 の ニ ー ズ を 受 けて蓄 積データ の分析や活用方法の提案を実施した。マチュピチュ村内の豪雨被災状況の視察。現地訪問では自然災害による被害の実態把握の必要性も確認した。ペルー防衛省での技術紹介プレゼンでは、日本での測量実績やデータ分析結果も活用しながらの事業説明を行った。クスコ市役所への表敬訪問時の様子。FUKUSHIM A23最新の三次元測量技術でマチュピチュ遺跡の保全を支援

元のページ  ../index.html#26

このブックを見る