ODABOOK_vol1
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1現在、国際社会は歴史の転換点にあり、複合的危機に直面しています。そのような状況において、中小企業を含む日本の民間企業が様々な分野で有する優れた製品・技術・ノウハウの中には、開発途上国の社会的・経済的課題の解決に貢献する可能性を持っているものもあり、開発途上国において、それら製品・技術・ノウハウの活用が期待されています。また、日本の民間企業が海外で行うビジネス活動は、日本国内の経済成長や地域活性化にも大きく貢献しています。新たに改定され令和5年6月に閣議決定された「開発協力大綱」においても、開発協力における中小企業を含めた民間企業の役割の重要性が指摘されています。外務省及び独立行政法人国際協力機構(JICA)は、政府開発援助(ODA)を通じてこれまでに築いてきた開発途上国政府とのネットワークや信頼関係、ノウハウを活用し、開発途上国へのビジネス展開を検討される民間企業の皆様を支援してまいりました。JICA民間連携事業に参画することで、開発途上国政府・自治体・業界団体の紹介や、開発途上国でのビジネスに造詣の深いコンサルタントの確保・連携、現地パートナーへのアクセスなどが期待できます。実際に、これまでに多くの中小企業が本事業に参画することで、現地におけるビジネスモデルを構築し、現地政府機関等からの信頼を獲得し、知名度向上やパートナーの拡大、金融機関からの信用力向上、更なる海外展開へとつなげてきました。本冊子は、ODA事業に参画した中小企業の方々へインタビューを行い、事業参画までの経緯や成果、ODAへの思いなどを語っていただいたものをまとめた事例集です。本冊子を通じて、中小企業による開発協力分野における貢献策について理解を深めていただくとともに、ODAが中小企業の海外展開支援や地域活性化に資するツールであることへの理解と関心が高まれば幸いです。なお、掲載されている協力各社の記事は取材時期がそれぞれ異なります。各社の現状については、記事に記載の各社ホームページ等で御確認ください。2024年3月外務省 国際協力局発刊にあたって

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