ODABOOK_vol1
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社:沖縄県中頭郡中城村立:2001(平成13)年27火山噴火及び津波被害後の対応2022年1月に発生したトンガ北部での海底火山の噴火後、可倒式風車内部への火山灰の侵入を危惧したトンガ電力公社の独自判断により、機器の清掃が行われました。通信回線の復旧後は当社からも重点点検・清掃箇所の情報を共有し、不具合箇所の特定などを通じて可倒式風力発電の運用支援を継続しています。(2022年3月現在) http://pec.ne.jp/トンガ王国(Kingdom of Tonga)首都: ヌクアロファ人口: 106,017人(2021年 世界銀行)面積: 約720㎢(対馬とほぼ同じ)気候: 熱帯雨林気候(首都近辺)(年間平均気温:約24.1℃) 会社名:株式会社プログレッシブエナジー本設代表者:代表取締役社長 島袋 久哉従業員:33名(2023年11月現在)事業内容:ガス供給事業、エネルギーサービス事業、可倒式風力関連業務(建設・メンテナンス)、自家発電システム関連事業、太陽光発電事業AustraliaNew ZealandNuku'alofaFiji(注) トンガにおける再生可能エネルギーの導入推進南半球のポリネシアに属するトンガは、国際市場から遠く、天然資源にも乏しいことなどから、電気代が日本の約2.5〜3倍近くとなっています。同国政府は自国での電力資源の確保および温室効果ガスの排出抑制に対処するため、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入を進めています。討したうえでの資料作成や沖縄での実機研修を盛り込むなど、より分かりやすく、かつより深く理解してもらえるように努めた結果、無事に事業の採択を受けることができました。普及促進に向けた現地での活動でも、聞き取り調査や建設、運転・メンテナンスの各工程において、現地事業者の方々へ丁寧かつ確実に技術を伝える体制を整えました。事業後半にはトンガ人技師を沖縄へ招いて定期メンテナンスの指導や説明会を実施し、風車の運用・保守についての理解を深めてもらいました。より分かりやすく伝えられるように試行錯誤したことは、自分たちが持っている技術や経験を見つめ直すことにもなり、他の事業の継続や発展においてもプラスになったと感じています。当社の若手がスキルを磨き、自信をつけるための良い機会にもなりました。また、2021年には沖縄電力グループの技術の強みを活かした海外事業展開を目的とし、当社、沖縄電力、グループ4社と共同で「シードおきなわ合同会社」を設立しました。今後もトンガだけでなく近隣諸国を含めた太平洋島嶼国及び国内外での事業にも挑戦していくつもりです。 (取材時期:2021年11月)現地建設作業員との集合写真。EPISODE 1「分け与える国」トンガには古くから、食事やもてなしを周りの人に「シェアする」「分け与える」という習慣があります。1773年に海洋探検家キャプテン・クックがトンガで受けた親切にいたく感動し、トンガタプ島を「友情の島」(Friendly Islands)と名付けてヨーロッパに紹介した記録が残っています。EPISODE 2「始まりはソロバン留学」良好な関係にあるトンガと日本。きっかけは「ソロバン留学」でした。1975年、日本の大学ラグビー部がトンガを訪れたことを機とします。トンガ国王がソロバンに興味を持っていたことと、ラグビー部の部長がソロバンの先生だったことが重なったからです。以来、ソロバンとラグビーを通した交流が始まり、現在ではラグビー日本代表にも多くのトンガ出身の選手が選ばれています。JICA民間連携事業の成果事業完了後は、日本政府による無償資金協力「風力発電システム整備計画」を通じて、当社の可倒式風車が同国の主島であるトンガタプ島に導入され2019年7月より運転を開始しました。同国は再生可能エネルギー導入率向上を国家目標として掲げており、当社が建設した可倒式風車は、国家目標達成に貢献しています。TONGA

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