26「沖縄可倒式風力発電システム普及促進事業」 2014年8月〜2015年12月 プログレッシブエナジー技術営業部電機課 課長津波古 利章氏可倒式風車での海外展開を検討していた当社は、関連会社との話がきっかけでJICA民間連携事業を知り、各国の風力発電のニーズについて情報収集を進めました。その中で最有力候補国として挙がったのがトンガです。トンガは再生可能エネルギーの導入を推進(注)する一方、台風や塩害など沖縄と似た気象課題を抱えていました。それらの解決に、当社の可倒式風力発電システムの建設・運用ノウハウがぴったりマッチするのではないかと考えたのです。そこで2回目の応募では、国内事業と現地の実情を比較検現地建設会社との打ち合わせの様子。波照間島(八重山郡竹富町)での実機研修では、稼働中の風車を活用してのレクチャーを行った。可倒式風車落成後には、地元学生を対象とした見学会も実施された。国内で初めての可倒式風車を建設した、株式会社プログレッシブエナジー。台風の多い沖縄で培われた技術とノウハウは、「開発途上国の社会・経済開発のための民間技術普及促進事業」を通じて、太平洋島嶼国であるトンガの再生可能エネルギー導入に貢献しています。沖縄県 株式会社プログレッシブエナジー沖縄と似た気象課題を抱えているトンガ当社は、2009年に国内で初となる可倒式風車を親会社である沖縄電力向けに沖縄県内離島へ建設し、同設備の保守・維持管理を行っています。可倒式とは、風車そのものを傾倒させることでタワーやブレードを地面に固定し、強風による破損被害を防止する仕組みで、台風時の強風など沖縄の過酷な気象条件に耐える設計になっています。分かりやすく伝える努力が、自社技術の向上につながる自社の風力発電システムに自信をもって臨んだ開発協力でしたが、その道のりは決して“順風満帆”とはいきませんでした。最初の応募で不採択となってしまったのです。不採択の理由をJICA沖縄に尋ねたところ、現地に即した説明をより丁寧にする方が良いのでは、ということでした。「日々、可倒式風車を扱う御社には当たり前のことでも、初めて設備を見る人たちにとっては知らないことばかり。もっと分かりやすく説明することが必要」と指摘されたのです。相手の立場に立って考えることの大切さを再認識させられました。12OKINAWA沖縄で培った技術で、台風に負けない風力発電を導入
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