社:北海道河西郡中札内村立:2012(平成24)年1月23ThailandCambodiaVietnamKuala LumpurSingaporeIndonesia(注1) フードバレーとかち農業・畜産業の流通シェアは全国でもトップクラスの十勝地域。2011年に域内の19市町村が協働で食を通じた産業振興に取り組む「フードバレーとかち推進協議会」を設立し、自治体、企業、農家、大学などが連携して、国内外に十勝ブランドをアピールしています。(注2) ハラルハラルとは「イスラム教を信仰するムスリムが食べられるもの」を示しています。「ハラル=合法」「ハラム=非合法」で、その内容は聖典コーランで詳細に規定されています。代表的なハラムとしては、豚肉やアルコールがあります。また、2020東京オリンピック・パラリンピックの開催で日本に多くのイスラム教徒が訪問し、ハラル商品の需要が高まることが予想されていました。そのため、日本でハラル認証を取得することもチャンスになると思い、両国での認証取得を目指しました。とはいっても、ハラル認証の取得は簡単ではありません。豚やアルコールを使わなければOKというわけではなく、豚やアルコール由来の原料もすべてNGです。原料には成分が表示されていないことも多く、遡って調べなければなりません。その作業に多くの手間と時間を要すことになりました。また、生産面もHACCP(危害要因分析重要管理点)に基づいた厳しい管理体制が求められます。製造工程を細分化し、工程ごとのリスク管理を行う必要があり、これにも苦労しました。しかし、想定外の結果として、日本でのハラル認証取得はマレーシアの取引先に高く評価され、「また現地で販売したい」と再び日本産の和菓子の引き合いをいただけることになりました。今後は、当社の商品と北海道の他の商品を一緒にし、定期的にコンテナで輸送しようと思っています。そうすれば現地において在庫調整がしやすくなると同時に、マレーシアを拠点としてインドネシアや中東諸国へもハラルビジネスを展開できるのではないかと考えています。最後に、これだけは伝えておきたいことがあります。ODA事業は順調に進みましたが、それでも商習慣の違いやハラルの導入などで幾度も迷い、悩むことがありました。その都度、的確なアドバイスで強く背中を押してくれたのが帯広商工会議所とJICAの方です。これには感謝しかありません。 (取材時期:2021年8月)EPISODEお腹いっぱいの餅大福餅の前身は室町時代からあった「鶉(うずら)餅」。大ぶりの鶉餅は、お腹いっぱいになることから、「大腹(だいふく)餅」とも呼ばれていました。味は塩味でしたが、江戸時代中期になると、砂糖で味付けしたあんこが入ったものが登場し大ヒット。名前もめでたい字をあて「大福餅」となりました。マレーシア(Malaysia)首都: クアラルンプール人口: 3,350万人(2023年 マレーシア統計局)面積: 約33万㎢(日本の約0.9倍)気候: 熱帯気候(首都近辺)(年間平均気温:約25.8℃)会社名:株式会社とかち製菓本設代表者:代表取締役 駒野 裕之従業員:38名(2019年10月現在)事業内容:和菓子等の製造・販売http://tokachiseika.com/マレーシアを拠点としたハラルビジネスの展開へもうひとつのハードルはハラル(注2)のクリアです。イスラム教徒が60%以上を占めるマレーシアでは、豚肉やアルコールなどを制限したハラル認証の取得は欠かせない条件です。MALAYSIA
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