社:滋賀県甲賀市立:1965(昭和40)年21http://www.tsujiko.com/ラオス人民民主共和国(Lao Peopleʼs Democratic Republic)首都: 首都ビエンチャン人口: 約733.8万人(2021年 ラオス統計局)面積: 約24万㎢(ほぼ本州大)気候: 熱帯サバンナ気候(首都近辺) 会社名:ツジコー株式会社本設代表者:代表取締役 辻 昭久従業員:102名(2021年8月現在)事業内容:照明器具の設計・生産、メカトロ設計・生産、植物工場システム、植物育成用LED開発・生産、食品原料開発・生産、人材派遣などChinaViangchanThailandCambodiaVietnam(注) PF3ラオスは社会主義国家ですが、PF3はヘルスケア製品やエッセンシャルオイルを扱う独立採算性の企業で、国からの予算はありません。一方、PF3 の建物・設備は財務省の資産で、それを無償で利用できる代わりに、利益の60%を政府に納付しています。り心配しませんでした。普及・実証事業では、健康食品生産会社PF3(注)に各種の機材を運び込んで、実際に現地の原料を加工し、高品質の製品ができることを確認しました。問題は品質管理についての意識です。特に、日本的品質管理を理解していただくには、少し時間がかかりました。当社では、作業標準書や品質管理マニュアルをラオス語で準備し、従業員研修を繰り返し行いました。2020年にGMP(適性製造基準)を取得し、今では品質管理が世界的に認められた工場になっています。現在、バタフライピーはラオスやタイの5カ所で栽培され、日本や欧州などに毎月4トンの乾燥花を輸出しています。仕事ができて若者が村に戻ってきた、地域が元気になった、という話を聞くと嬉しくなります。もちろん無農薬栽培は簡単ではなく、大雨や病害虫で収穫量が落ちた年もありました。しかし、現地の方々と栽培技術の模索も重ねて、収量は着実に増えてきています。販路も拡大されつつあり、本事業によってビジネス化の道筋をつけることができました。現在は、欧州の大手着色料メーカーとの共同プロジェクトを進めています。また、提供できるのは技術だけではありません。現地で接したラオス大学の卒業生も、日本人の仕事ぶりを見て、いつか起業を志すようになって欲しい。そういった意識の種まきが、ラオスの将来につながると信じています。 (取材時期:2021年8月)EPISODE 1「アーユルヴェーダのハーブ」東南アジア唯一の内陸国であるラオスには、さまざまな固有植物が自生しています。ホーリーバジル、ブゾロイバナ、食用ハイビスカスなど薬効のあるものも多く、中でもホーリーバジルはインドの伝統医学アーユルヴェーダの基本のハーブとして広く知られています。EPISODE 2「障がい者の仕事をつくる」途上国では一般に障がい者への支援策が十分ではなく、ラオスも例外ではありません。ツジコーでは、ODA事業後、現地でのバタフライピー栽培を通じた障がい者雇用支援を行っています。日本のNPO「Support for Womanʼs Happiness」がビエンチャンで運営するバタフライピー農園で障がい者に住居や働く場所を提供し、障がい者の自立を後押ししています。(年間平均気温:約25.6℃)若者が村に帰ってきた植物の調達から原料化、健康食品の製造・販売までのバリューチェーンも、各省庁と検討を重ねて整備しました。しかし、健康食品の商品化には時間がかかるため、まずはバタフライピー粉末の商品化を先行させました。食品用の青の天然着色料は世界に例がなく、需要が大きいためです。発表後の反響は大きく、すでにお茶やお菓子に加工されて販売されています。青いハーブティーや青いチョコレートは“インスタ映え”すると好評です。相手国のために何ができるかODA事業で大切なのは、相手国のために何ができるかを、現地を見て考えることです。文化や慣習が異なる国では、日本の基準で考えてもうまくいきません。LAOS
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