20「固有植物の高付加価値化に向けた加工技術の普及に関する案件化調査」2015年6月〜2016年4月 「固有植物の高付加価値化に向けた加工技術に関する普及・実証事業」2017年1月〜2018年12月 ツジコー代表取締役辻 昭久氏ラオスは農業国ですが、農産品の加工技術がなく、国内での消費で終わっています。外貨獲得の手段が欲しいラオス政府は、当時農業政策として加工技術の向上を掲げていました。当社の技術はラオスの発展に貢献できると考え、JICAの民間連携事業に応募、採択されました。当社は研究員の調査に同行して国中を周り、ホーリーバジルや青い花が美しいバタフライピーなどをピックアップ。それらの植物の薬効分析に加え、市販されている健康食品の分析も行ったところ、細菌や大腸菌が多数検出されました。しかし、当社には殺菌技術も加工技術もあります。国際基準を満たす製品は問題なく生産できると、そこはあまJICAラオスでの最終調印式。事業では食品のバリューチェーン構築に加えて、加工・品質管理のマニュアル作成や指導なども行った。ODA事業から始まった「青い花の農園」は、ラオスの雇用創出や自立支援にもつながっている。バタフライピー農園での収穫の様子。バタフライピーから作られた「青いチョコレート」はビエンチャン土産としても好評を得ている。独自の食品加工技術を駆使して植物原料の健康食品事業を展開するツジコー株式会社は、固有植物に恵まれながらも食品加工技術を持たないラオスでJICA民間連携事業を行いました。技術供与により、有用植物の栽培から6次産業化までを実現しつつある同社の辻昭久社長に、参画の経緯と事業内容などをうかがいました。滋賀県 ツジコー株式会社農産品加工技術で経済成長を当社は栄養素や色をそのまま残せる粉末加工技術や非加熱殺菌技術に強みがあり、その技術はアイスプラント由来の健康食品などに結実しています。新たな原料植物を探していたとき、ラオスには多数の固有植物があることを知りました。また、ラオスには農薬の使用歴のない土地が多く残っていることも分かり、無農薬農業を模索していた当社はラオスに興味を持ったのです。品質管理を徹底し輸出を可能にラオスは社会主義国であり、同国企業との連携にあたっては国の機関や担当者と話をする必要がありました。どうアプローチすべきか考えていたところ、JICAの仲介により保健大臣との面会が実現し、そこから保健省傘下の伝統医療研究所とコンタクトを取り、最終的に健康食品会社との交渉に辿り着くことができました。事業を不安なく進められたのは、JICAが長年にわたって蓄積してきたネットワークを活かし、連携に必要な組織・人物へ適切に繋いでくれたからこそです。SHIGA09ラオスに自生する青い花が世界が欲しがる 天然着色料に変わった
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