社:京都府京都市本立:2006 (平成18)年設代表者:代表取締役社長 15http://www.wadaman-s.com/index.htmlパラグアイ共和国(Republic of Paraguay)首都:アスンシオン人口:約678万人(2022年 世界銀行)面積:40万6,752㎢(日本の約1.1倍)気候: 湿潤亜熱帯気候(首都近辺) 会社名:株式会社従業員:約50名事業内容:ごま製品の企画・開発・BoliviaAsunciónChileArgentina (2021年8月現在)Brazil(注) 小規模農家農畜産業が盛んなパラグアイには約25万戸の小規模農家があり、全農家の80%ほどを占めています。生産物の種類や量が限られる小規模農家は、流通や価格競争の影響を受けやすく、それらに起因する貧困や都市部との格差改善が国家的な課題となっています。アスンシオン大学担当者を対象としたゴマ調理方法ワークショップの様子。に好評で、農牧省や農協、農家、レストラン経営者の方々を招いた試食会では「ゴマってこんなに美味しかったのか」と驚く声も聞かれました。特に、ゴマと砂糖を混ぜた「ゴマシュガー」は大人気で、「muy rico !(とても美味しい!)」という感想をいただき、大きな手ごたえを感じました。その他、農協や農家の方々の協力、アスンシオン大学との連携、そして多くの日系人の方々のサポートなどで助けられることばかりでした。JICAの普及・実証事業が終了したとき、達成感はもちろんありましたが、それ以上に、多くの人たちと一緒に活動した時間が終わってしまうことに寂しさを感じました。それぐらい楽しいひと時でした。現在は現地に対してリモートでの技術指導をしています。本事業を機に、ゴマ加工事業で起業した人も現れました。今後は現地で生産した焙煎ゴマなどの卸売業へ参入し、将来的には日本への加工品の輸出など、さらに多くの国へ販路を広げていければと考えています。途上国での事業のポイントは「相手国の人々と共に歩んでいくこと」だと思います。ビジネスを優先するのではなく、まず、共に歩むことを考える。そうすれば、結果的に事業も持続可能になるのではないでしょうか。 (取材時期:2021年8月)EPISODE 1遠くて、近い国パラグアイ国民は90%以上が日本人と同じモンゴロイド系の血を引いています。また、パラグアイは、日系パラグアイ人が約6,400人在住していて、日本にとって非常に遠い距離にある、最も身近な国のひとつです。EPISODE 2はじまりは日本人ゴマの歴史は古く、紀元前4000年〜3000年頃のエジプトでは食用やミイラ加工に、中国では薬用としても用いられてきました。パラグアイでゴマ栽培が行われたのは、1989年、日本からの移住者が両国の架け橋となる作物として提案したことがはじまりです。(年間平均気温:約23℃)わだまんサイエンス深堀 勝謙販売大切なのは、相手国と共に歩んでいくこともちろん苦労がなかったわけではありません。特に当初計画していた工場の建設が行き詰まった際は、頭を抱えました。用地の確保ができなかったからです。「これはもう無理だ」と諦めかけたとき、声をかけてくれたのがJICAの方でした。「ゴマの開発はフライパン1つでもできますよ」という励ましの言葉で勇気づけられ、最後まで頑張り抜くことができました。PARAGUAY
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