ODABOOK_vol1
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社:鳥取県米子市立:1965(昭和40)年10月(2009(平成21)年 11インド(India)首都: ニューデリー人口: 14億1,717万人(2022年 世界銀行)面積: 328万7,469㎢(インド政府資料 パキスタン、 気候: 温帯夏雨気候(首都近辺)(年間平均気温:約25℃)会社名:大成工業株式会社本設代表者:代表取締役 三原 博之従業員:15名(2021年3月現在)事業内容:生活排水処理施設の設計および施工、浄化槽の設計施工および販売、浄化槽維持管理 ほかPakistanhttp://www.taisei-kg.co.jp/about/index.htmNew DelhiSri Lanka12月 分社)ChinaNepalBangladeshMyanmar(注1) TSS(Taisei Soil System)自然の浄化力を利用し、トイレの汚水を処理。処理水はサイホン現象と毛細管現象によって地上に拡散(蒸発)させます。そのため、電気のない所にも設置でき、放水する必要もありません。半永久的な使用が可能で、最長で30年以上の実績があります。(注2) インドのトイレ普及率インド独自の宗教であるヒンドゥー教では、「浄」と「不浄」の観念が重要視されており、人の排泄物は遠ざけるものと考えられています。そのため、トイレが住宅の施設内に設置されないことが多く、トイレ普及率が低いことの一因となっています。根絶、環境の再生などに取り組むNGO団体で、地域社会の生計支援から、就業訓練、企業の市場開拓の支援、関係組織・団体との調整までを幅広く行っています。今回も本事業に対し、試験導入先候補の選定、州や市機関との調整、現地生活習慣の教示など、多くの助言やキメ細かなサポートをしてもらい、とても助かりました。やはり海外展開で成功するためには、豊富な経験とノウハウを持つ優れたパートナーを見つけることが重要だと思います。今回設置したトイレは有料化される予定で、料金徴収や清掃作業などの維持・管理に女性を雇用することが検討されています。これは女性の社会進出の一助となるだけでなく、同性の管理者がいることで女性が安心してトイレを利用できるようになると期待されています。また、大学の学生寮でも、「これを機に学生たちの衛生教育に役立てたい」という声をいただいています。今回の知見をもとに、環境配慮型トイレの普及を図り、インドの生活環境の向上と衛生教育の推進、女性の自立支援などに貢献していきたいと考えています。 バラナシ市内に完成した公衆トイレ。(取材時期:2020年12月)EPISODEトイレのないインドの家庭では、近くの藪などで用を足すため、女性には危険がともない、性的暴力事件となることが少なくありません。そのため、近所の女性で集まって夜明け前に集落の外で用を足すことも多く、それが心身の大きなストレスになっています。中国との係争地を含む)(2011年 国勢調査)公衆衛生を雇用と教育へつなぐもちろん苦労もありました。それは現地での「土」の調達です。インドの土壌は、沖積土や黒土など主に8つの種類があります。これらは地域ごとに土質や土に住む微生物が異なり、土壌によってはTSSの浄化処理がうまく機能しないことがあります。そのため、現地関係者と連携しながら検討を重ね、均一な品質を提供する土壌の確保に格闘しました。採取した土を眺めながら何度もため息をついたことを覚えています。INDIA

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