ODA(政府開発援助)

平成27年度 草の根・人間の安全保障無償資金協力を活用した官民連携案件

平成28年6月15日

  1. 我が国企業がCSR(企業の社会的責任)活動を通じて事業を実施(予定を含む)する国・地域において,途上国の経済社会開発に貢献することを支援するため,外務省では,草の根・人間の安全保障無償資金協力(以下「草の根無償」という。)を活用して,我が国企業がNGO等と協力して行うCSR活動との連携などの官民連携を推進しています(草の根無償の詳細及び申請書については「草の根・人間の安全保障無償資金協力」ページ参照)。公益性の高い企業活動とODAによる経済協力活動が連携することにより,経済社会開発上の課題のより効果的かつ効率的な達成が期待されます。
  2. 平成27年度に採択した草の根無償のうち,上記のように官民が連携して実施した案件の代表的事例を以下のとおり紹介いたします。本取組に御関心をお持ちの企業,NGO等の皆さまにおかれては,御検討の参考にしていただければ幸いです。

(1)インドネシア「西ヌサ・トゥンガラ州西スンバワ県における太陽光発電式浄水施設整備計画」

概要
 太陽光発電を利用した浄水装置を設置し,維持管理委員会を組織し,施設の維持管理に関する研修を実施することで安全な生活用水を確保する。また,この太陽光発電装置の余剰電力を活用し,無電化地帯の学校の図書館兼職員室等に電力を供給することで,就学環境の改善を図るもの。
企業との連携
 ヤマハ発動機株式会社は,浄水装置の導入研修を支援。パナソニック株式会社は,同社の発電装置に関する研修やメンテナンス指導とあわせ,案件終了後,定期総合点検(蓄電池劣化診断等)を4年間支援。さらに,両社は右技術的支援の他に,維持管理運営委員会への研修を行う。

(2)インドネシア「東南スラウェシ州ワカトビ県における電化促進による医療サービス及び教育環境改善計画」

概要
 太陽光発電装置を設置し電力供給を行い,あわせて運営・管理委員会を組織し,技術指導及び運用維持管理体制に関する研修を実施することで,地域の医療サービス及び教育環境等の改善を図るもの。
企業との連携
 パナソニック株式会社は技術者等を派遣し,太陽光発電装置の輸送及び工事を支援するとともに,被供与団体や運営・管理委員会に対し,この設備に関する技術研修やメンテナンス指導を支援し,事業完了後も定期総合点検を4年間実施。また,学校に対しLED照明器具,テレビ,コミュニティ施設にオーディオ等を寄贈する。

(3)タイ「就労移行支援事業所兼販売所整備計画」

概要
 就労移行支援事業所兼販売所の整備工事及び移動販売車を整備することで,障がい者のエンパワーメントとインクルーシブな社会の実現を目指すもの。
企業との連携
 山崎製パン株式会社の現地法人であるタイヤマザキは,パン製造や販売の指導,経営アドバイスの提供等を支援するとともに,就労移行支援事業所兼販売所の開設後に監督者(店長)1名を派遣。

(4)ウルグアイ「フローレス県水質管理機材整備計画」

概要
 フローレス県の井戸水の水質管理に必要な分析機器を整備することで,井戸水を使用している住民の飲料水の安全を確保するもの。
企業との連携
 株式会社島津製作所がフローレス県と連携し,同社開発の分析機器の技術移転を支援。

(5)イラン「テヘラン州における乳がん検査のためのマンモグラフィ機器導入計画」

概要
 テヘラン市第15区のアフガン難民を含む貧困層の35歳~60歳の女性に対し,安価若しくは無料にて乳がん検査を行うため,マンモグラフィを整備するもの。
企業との連携
 富士フイルム株式会社の職員が機材の使用方法について技術指導を実施。

(6)エチオピア「ティグライ州メケレ市メケレ大学保健科学部アイデレ病院への乳がん検査機材整備計画」

概要
 メケレ大学保健科学部アイデレ病院に,乳がん早期発見の他の検診に使用するデジタル・マモグラフィーを整備する。
企業との連携
 富士フイルムホールディングスが同病院と連携し,同機材設置後10年間のアフターサービスを行うとともに,放射線科専門医,放射線技師及び生体医療工学士に対し専門技術者による研修を実施する。

(7)エチオピア「オロミア州ブラユ町タチェ ポリグル簡易浄水器の導入による水供給計画」

概要
 ブラユ町タチェ地域に対して,日本製の水質浄化剤及び簡易浄水器を供与する。
企業との連携
 日本ポリグル株式会社がローカルNGOと連携し,技術者を派遣するなどして浄化剤並びに浄水器の利用法に関する技術移転を行う。

(8)エチオピア「オロミア州東ショア県ドゥグダ郡ソーラー・ポンプとフッ素除去を利用した持続可能で安全な水供給計画」

概要
 ドゥグダ郡2村のポンプの壊れた井戸にソーラー・モーター・ポンプ及びフッ素除去装置を設置する。
企業との連携
 おかもとポンプ株式会社がソーラー・ポンプの取り扱いと修理方法について,現地技術者とコミュニティを対象とした技術移転を実施する

(9)カメルーン「エンダマ第1村浄水システム設置計画」

概要
 太陽光発電機付き浄水装置を整備し,エンダマ第1村の深刻な飲料水・生活用水不足を緩和し,水因性疾病等の予防を図るもの。
企業との連携
 ヤマハ発動機株式会社が,浄水システムの管理委員会に対し,技術的メンテナンスにかかる研修を実施。

(10)ガンビア「ガンビア防疫強化計画」

概要
 バンジュール国際空港にサーモグラフィーカメラ3台を設置し,全入国者に対する体温検査を行う体制を整えることで,感染症の流入を防止するもの。
企業との連携
 日本電気株式会社がガンビア・イスラム共和国保健・社会福祉省と連携し,同社開発のサーモグラフィーカメラの運搬・設置を支援し,同省及び空港職員に対する運用・維持管理の研修を実施。

(11)コンゴ共和国「マトゥンブ区浄水装置設置計画」

概要
 太陽光発電機付き浄水装置を整備し,首都ブラザビルの郊外に位置するマトゥンブ区の深刻な飲料水・生活用水不足を緩和し,感染症等の予防を図るもの。
企業との連携
 ヤマハ発動機株式会社の浄水装置を設置し,同社が水管理委員会の組織作りや運用・維持管理のノウハウを支援。

(12)コンゴ民主共和国「ルブンバシ大学病院医療用焼却炉設置計画」

概要
 ルブンバシ大学病院敷地内に太陽光発電機付き医療廃棄物用小型焼却炉を設置することで,医療廃棄物の放棄による環境汚染や感染症等の予防を図るもの。
企業との連携
 株式会社ジャサコーポレーションが,株式会社ステラ環境科学の医療廃棄物用小型焼却炉を設置し,設置やメンテナンス指導にかかる技術者の派遣を実施する。

(13)コンゴ民主共和国「キンシャサ特別州近郊保健地区ソーラーランタン設置計画」

概要
 キンシャサ特別州近郊(マルク区,ンセレ区,ビエラ区,モンガフラ区)に所在する赤十字の連携保健センター100箇所にソーラーランタンYuasa Akari mini Community kit(アカリミニコミュニティーキット100セット/合計ランタン600個)及びYuasa AKARi Solar Light Kit(アカリソーラーライトキット100セット/合計ライト200個)を整備し,夜間の診療や往診時に照明用の電力を供給することで,診察環境および医療スタッフの労働環境改善を図るもの。
企業との連携
 株式会社GSユアサおよび株式会社ジャサコーポレーションが,専門家派遣による現地でのメンテナンス指導を行い,現地ユーザーの便宜のためマニュアルを仏語で供給する。

(14)コンゴ民主共和国「バンドゥンドゥ州ブルング区浄水装置設置計画」

概要
 太陽光発電機付き浄水装置を整備し,バンドゥンドゥ州ブルング区の深刻な飲料水・生活用水不足を緩和し,感染症等の予防を図るもの。
企業との連携
 ヤマハ発動機株式会社の浄水装置を設置し,同社が水管理委員会の組織作りや運用・維持管理のノウハウを支援。

(15)ザンビア「東部州ムフエ郡バナナペーパー製造事業拡大計画」

概要
 東部州ムフエ郡にてさらなる雇用を創出し地元住民の社会的・経済的自立を助け,生活環境を改善するため,バナナペーパー製造工場2棟を増設(総面積各62m2),1棟を改修し(総面積各65m2),パルプ製造機械,紙製造機械,ソーラーシステム,コンテナを整備するもの。
企業との連携
 株式会社ワンプラネット・カフェはバナナペーパーの製造工程において必要となる器具を供与及び技術指導を実施。また,被供与団体によって製造されたパルプ及び紙・紙製品は同社を通じて日本に輸出され,紙メーカー,紙代理店,紙製品メーカー・印刷会社を経て最終ユーザーに販売。

(16)ザンビア「南部州モンゼミッション病院レントゲン機材整備計画」

概要
 モンゼミッション病院での検査診断能力を向上させるため,デジタルレントゲン機材(デジタルX線撮影装置,デジタルX線画像読取装置,X線写真フィルム現像機)を整備し,一般診察室をレントゲン室に改修するもの。
企業との連携
 供与品目のレントゲン機材は全てFUJIFILM South Africa (Pty) Ltd. から調達し,同社はCSRの一環として技術者派遣による機材の設置作業を負担するほか,被供与団体へ機材の取扱い指導を実施。

(17)セネガル「乳癌検診機材整備計画」

概要
 ダカール市のセネガル癌対策協会にマンモグラフィー及び関連機材一式を整備し,近郊在住の女性が乳癌検査を受けられる環境を整え,早期発見の増加によって乳癌による死亡率の減少を図るもの。
企業との連携
 富士フイルムホールディングスが,デジタル式マンモグラフィー一式及び読影ワークステーション,プリンターの費用の一部を負担。同機材設置後,7年間のアフターサービス(1年間の無償修理)及び,専門技術者による現場での研修等を定期的に実施。

(18)ベナン「アヴィノウェ村安全な水へのアクセス改善計画」

概要
 モノ県ロコサ市ウェデメ地区アヴィノウェ村に,太陽光発電機付ろ過装置を整備し,周辺地域住民の安全な飲料水及び生活用水へのアクセスを改善するもの。
企業との連携
 ヤマハ発動機株式会社が機材設置の監督及び水管理委員会の立ち上げ支援を行い,また同社技術員を派遣しメンテナンスや技術トレーニングを実施。

(19)南アフリカ共和国「ハウテン州ボックスバーグ地区セイントフランシスケアセンター施設修復計画」

概要
 貧困層に対する訪問看護・HIVケア施設であるセイントフランシスケアセンターの修繕・塗装及び機材提供を実施する。
企業との連携
 関西ペイント株式会社が同ケアセンターと連携し,カビ・細菌・ウイルス等の抑制作用を持つ塗料を一部提供。

(20)モザンビーク「ソファラ州ベイラ市X線画像診断システム整備計画」

概要
 被供与団体であるカトリカ大学医学部内に,デジタルX線設備一式(診断用X線装置(撮影装置),テーブルトップ型デジタルX線画像読取装置,プリンター)を整備するもの。
企業との連携
 FUJIFILM South Africa (Pty) Ltd. がデジタルプリンター(DRYPIX LITE)を提供する(15,000米ドル相当)とともに操作指導テクニカルサポート(5,000米ドル相当)を5日間行う。

(21)レバノン「アマティーエ村ナドワ診療所医療機器整備計画」

概要
 山岳レバノン県アレイ郡アマティーエ村にある診療所において,周辺住民及びシリア難民の医療サービスへのアクセスを改善するために内視鏡検査機材及びポータブルX線検査機材を新たに整備するもの。
企業との連携
 富士フイルム株式会社は,同機材設置後,内視鏡検査機器一式については2年間の無料修理を行う他,ポータブルX線検査機器については1年間の無料修理を行う。さらに,同社の専門技術者が同診療所の医師に対して導入研修を実施する。