ODA(政府開発援助)

平成26年度 草の根・人間の安全保障無償資金協力を活用した官民連携案件

平成28年5月23日

  1. 我が国企業がCSR(企業の社会的責任)活動を通じて事業を実施(予定を含む)する国等において,途上国の経済社会開発に貢献することを支援するため,外務省では,草の根・人間の安全保障無償資金協力(以下「草の根無償」という。)を活用して,我が国企業がNGO等と協力して行うCSR活動との連携などの官民連携を推進しています(草の根無償の詳細及び申請書については「草の根・人間の安全保障無償資金協力」参照)。公益性の高い企業活動とODAによる経済協力活動が連携することにより,経済社会開発上の課題のより効果的かつ効率的な達成が期待されます。
  2. 平成26年度に採択した草の根無償のうち,上記のように官民が連携して実施した案件の代表的事例を以下のとおり紹介いたします。本取組に御関心をお持ちの企業,NGO等の皆さまにおかれては,御検討の参考にしていただければ幸いです。

(1)インドネシア「アチェ州ジジム村における浄水整備計画」

概要
 上水道が未整備のため飲料水が不足しているジジム村に浄水装置,監視小屋及び倉庫を設置し,水(管理)委員会の組織作り及び維持管理についての研修を支援することで飲料水を確保するもの。
企業との連携
 ヤマハ発動機株式会社が,ローカルNGOと連携し,水管理委員会の組織作りや,同社開発のクリーンウォーターシステムの運用・維持管理の調整といったノウハウを支援。

(2)インドネシア「ジャカルタ特別州グロラ交差点における渋滞緩和・環境改善計画」

概要
 ジャボデタベック地域の中で特に渋滞の激しい交差点の一つであるグロラ交差点を対象に,渋滞緩和を通じた大気汚染,騒音問題といった交差点付近の沿道生活環境の改善のため,既存施設の移設・解体,車線改良,安全地帯の設置,信号機・交通標識の敷設を行うもの。
企業との連携
 トヨタ自動車株式会社の現地法人であるPT. Toyota Motor Manufacturing Indonesiaを始め,日本の自動車会社合計9社が案件の詳細設計・施行管理を支援。

(3)インドネシア「西ジャワ州バンドン県バンジャルサリ村における電化促進による初等教育環境改善計画」

概要
 西ジャワ州バンドン県バンジャルサリ村に所在するマラバル第4小学校に独立型太陽光発電装置を設置し,同校に対し電力の供給を行うことで,初等教育の学習環境改善を図るもの。
企業との連携
 パナソニック株式会社は,技術者などを派遣し,独立型太陽光発電装置の輸送及び工事を支援するとともに,被供与団体や運営・管理委員会に対し,右設備に関する研修やメンテナンス指導を実施。また,学校に対しLED照明器具等を寄贈するほか,マルチメディア教育の導入に向けて,被供与団体と共に教員への指導などを実施。事業完了後は定期総合点検を4年間支援。

(4)タイ「タイ-ミャンマー国境沿い遠隔村の学校における初等教育環境改善計画」

概要
 貧困遠隔村にある学校に対し,太陽光発電設備を整備することで電気を使えるようにし,併せて,生徒の教育に必要な設備を整備することで,学校の教育環境を改善するもの。
企業との連携
 シャープ株式会社が,太陽光パネルの安価な提供,設置後のOJTやサポート支援のほか,学校の子どもたちをメガソーラー見学ツアーに招待。

(5)ベトナム「ニンビン省学校衛生環境改善計画」

概要
 ニンビン省タムディエップ町に所在する小学校及び中学校にそれぞれトイレ一式を建設し,学校内の衛生環境を改善するもの。
企業との連携
 共英製鋼グループであるキョウエイ・スチール・ベトナム社に加え,エバラベトナム,オルガノベトナム,ニッケンインターナショナルアジア,美建ベトナム,富士電機ベトナム,ベトナム・ギソンセメント,前田ベトナム,LIXIL/INAXベトナム,計9社が,総額約1万9千ドルに相当する資材を無償提供するほか,施工期間を通じ本邦企業の下請けとなる現地施工業者に対し,日本の施工方法の技術移転を図る。案件完了後は,定期的に学校を訪問し,設備のメンテナンス指導を支援。

(6)パキスタン「シンド州カラチ市ハムダルド財団移動式診療車整備計画」

概要
 被供与団体が所有する老朽化した移動式診療車の更新及び新規診療地域のために計10台の自動車を購入するとともに,診療車として使用するために必要な棚・薬箱等を調達することで,貧困層における医療機会を向上・改善するもの。
企業との連携
 スズキ株式会社の子会社であるPak Suzuki Motor Co., Ltd.(自動車供与元)が通常のアフターサービス2年間に加え,更に2年間延長し,合計4年間のアフターサービスを実施。

(7)パキスタン「バロチスタン州クエッタ市ジャメ・シャファ協会救急車配備計画」

概要
 ジャメ・シャファ協会が,クエッタ市内で2台の救急車を更新するとともに車載用医療機材を供与することにより,同市民に対する救急医療を向上するもの。
企業との連携
 トヨタ自動車株式会社,豊田通商及びハビブ財閥(House of Habib)の合弁生産販売会社であるインダス・モーター社(Indus Motor Company Limited)が救急車に搭載する医療機材1セットを支援。

(8)ブラジル「サンタ・クルス病院外科センター医療機材整備計画」

概要
 サンタ・クルス病院外科センターの老朽化した手術用医療機材を整備することにより,手術件数が増加し,手術を必要とする患者の待機日数が減少するなど,地域の医療環境の改善に貢献するもの。
企業との連携
 三井物産株式会社の現地法人であるブラジル三井物産が医療機材の一部購入を支援。

(9)ベリーズ「ベリーズ海島綿産業機材整備計画」

概要
 サトウキビ以外の農産物開発が喫緊の課題であるベリーズのオレンジ・ウォーク州に海島綿栽培用の農業機材を導入し,地域住民の雇用拡大及びベリーズ農産業の開発と安定的発展を図るもの。
企業との連携
 株式会社べリーズ海島綿生産者グループが,専門家による機材の維持・管理に係る技術指導を実施。

(10)コンゴ共和国「ゴマツェツェ区浄水装置設置計画」

概要
 太陽光発電機付き浄水装置を整備し,ゴマツェツェ区ゴマツェツェ村の深刻な飲料水・生活用水不足を緩和し,感染症等の予防を図るもの。
企業との連携
 ヤマハ発動機株式会社が,水管理委員会の組織作りや運用・維持管理のノウハウを支援。

(11)コンゴ民主共和国「キンシャサ警察中央病院透析センター建設計画」

概要
 キンシャサ市内に所在する警察中央病院敷地内に,透析センターの建物を新築し,透析に関連する機材の一部を供与するもの。
企業との連携
 一般社団法人徳洲会が透析機器などの医療機材を整備し,医療従事者や技術者に使用・維持管理のノウハウを支援。

(12)コンゴ民主共和国「モンガフラ区ンジリキランブ地区浄水装置設置計画」

概要
 太陽光発電機付き浄水装置を整備し,キンシャサ市モンガフラ区ンジリキランブ地区の深刻な飲料水・生活用水不足を緩和し,感染症等の予防を図るもの。
企業との連携
 ヤマハ発動機株式会社が,水管理委員会の組織作りや運用・維持管理のノウハウを支援。

(13)アンゴラ「ウイジェ州キンデヌコ村浄水システム整備計画」

概要
 給水施設がないウイジェ州ウイジェ市キンデヌコ村に,湧水の水源からポンプで水を引き,浄水装置により,飲用可能な安全な水を提供する給水施設2か所を整備するもの。
企業との連携
 ヤマハ発動機株式会社が,装置設置や据付などの指導を行い,水委員会による運営維持管理のノウハウを支援。

(14)南アフリカ「マンモグラフィー巡回検診車輌整備計画」

概要
 保健医療サービスが行き届いていないクワズールー・ナタール州及び東ケープ州の低所得者層の女性に対して,乳がんの啓蒙活動,乳がん予防法やセルフチェック法の保健教育,専門家によるカウンセリング,マンモグラフィー装置を搭載した巡回検診車輌1台を導入するもの。
企業との連携
 富士フイルム株式会社の現地法人であるFUJIFILM South Africa (Pty) Ltd. が,マンモグラフィー周辺機器(レコーダー)の消耗品の支援を実施し,機材の使用・維持管理に関するノウハウを支援。

(15)ガボン「エボラ対策検査機材設置計画」

概要
 ガボン共和国首都における国際空港にサーモグラフィー2台を設置し,出入国者のエボラ出血熱等の体表面温検査を行うとともに,エボラ出血熱発生国滞在歴質問カードの印刷を行い,各国境に配備することで,エボラ出血熱の感染拡大を最小限に抑えるもの。
企業との連携
 日本電気株式会社(NEC)の現地法人であるNEC West Africa Limitedが機材の運搬・設置を行い,空港検疫担当職員に機材の使用・維持管理に関するノウハウを支援。

(16)ナイジェリア「ナイジャー州グララ地方行政区ソーラーライト整備計画」

概要
 カボ・コミュニティ内の公共施設5か所に超軽量薄型太陽光パネル及びLEDライトを設置し,主要道路沿いに現地調達の丸太に同パネルを使用したLED街灯65本を整備することで,日没後の住民の社会経済活動の促進を図るもの。
企業との連携
 Kens. coが,住民及び被供与団体職員に対して,パネルの設置及び使用・維持管理方法等の技術指導を行い,専門家を派遣。

(17)モロッコ「シディ・カセム県病院乳がん検診機材整備計画」

概要
 シディ・カセム県病院に乳がん早期発見のための検診に使用するデジタル・マンモグラフィーを整備する。
企業との連携
 富士フイルムホールディングスが,デジタル・マンモグラフィー設置後,アフターサービス及び専門技術者による現場での研修等を定期的に実施。

(18)チュニジア「ダールエルアマル癌対策協会乳がん検査機材整備計画」

概要
 乳がん検診等を行う団体に対し,早期発見のための能力向上に資するデジタル・マンモグラフィーを整備する。
企業との連携
 富士フイルムホールディングスが,デジタル・マンモグラフィー設置後,使用方法を指導するとともに,無償保証期間を設け,随時修理・メンテナンスを行う。