ODA(政府開発援助)

平成30年7月19日
  1. 我が国企業がCSR(企業の社会的責任)活動を通じて事業を実施(予定を含む)する国・地域において,途上国の経済社会開発に貢献することを支援するため,外務省では,草の根・人間の安全保障無償資金協力(以下「草の根無償」という。)を活用して,我が国企業がNGO等と協力して行うCSR活動との連携などの官民連携を推進しています(草の根無償の詳細及び申請書については「草の根・人間の安全保障無償資金協力」ページ参照)。公益性の高い企業活動とODAによる経済協力活動が連携することにより,経済社会開発上の課題のより効果的かつ効率的な達成が期待されます。
  2. 平成28年度に採択した草の根無償のうち,上記のように官民が連携して実施した案件の代表的事例を以下のとおり紹介いたします。本取組に御関心をお持ちの企業,NGO等の皆さまにおかれては,御検討の参考にしていただければ幸いです。

(1)インドネシア「タンゲラン及びブカシにおける車いす利用者のためのバリアフリー環境改善計画」

概要
 西ジャワ州ブカシ市,ブカシ県及び南タンゲラン市の特別支援学校2校及び障がい者支援施設2か所において,バリアフリー環境改善のために以下を実施する。ア 特別支援学校2校において各5日間,教師,生徒,保護者,近隣地域の車いす利用者とその家族に対して,車いす,バリアフリートイレ及びバリアフリー設備の使用法,衛生と健康管理,障がい者ケアに関する講習を実施する。イ 各障がい者施設スタッフ15名に対し,車いすのメンテナンスに関する研修(基礎研修5日間,中級研修10日間,メンテナンス・組み立て研修5日間)を実施する。
企業との連携
 株式会社豊通オールライフが各施設への日本製車いす計20台(予定)を提供する。郵船ロジスティクス株式会社が日本からの車いす輸送費を負担する。株式会社デンソーが一部トレーニング機材(車いす)調達費用,一部人件費を負担する。

(2)インドネシア「バリ州タムラン村における浄水施設整備計画」

概要
 バリ州タムラン村に浄水装置を設置し水環境に関する啓発活動をすることで,安定的な飲料水の確保と住民の健康状態の改善を図る。
企業との連携
 ヤマハ発動機株式会社が,ア 水質の事前調査及びプロジェクト中の水質検査,イ 浄水装置の導入・メンテナンス研修(約10日間),それに伴うエンジニア(日本人含む)派遣費,ウ 水管理委員会の組織及び指導,エ プラグラム中のモニタリング及び5年ごとのモニタリング,オ ポンプを含む部品の定期交換(一部有償),カ 各種アフターフォロー(プログラム終了後の経過確認,カスタマーサポート,故障等緊急時のスタッフ派遣)を実施する。

(3)タイ「マハーサラカーム県ドンヤイ区行政機構給水車整備計画」

概要
 例年渇水の被害を受けているドンヤイ区行政機構に給水車1台(9.5トン車,約5,000リットルの水を積載することが可能)を整備することにより,効率的な飲料水及び生活用水の給水及び森林火災時の消防用水として使用できる体制を整える。
企業との連携
 Hino Motors Sales (Thailand) Ltd.は,トラック販売メーカーとして,給水車の特別価格に加え,5年間のフルメンテナンス保証(通常は2年),運転手への低燃費運転教育や日常点検教育の提供を実施する。

(4)タイ「チュンポーン県カオチャイラート区行政機構多目的消防車整備計画」

概要
 例年,渇水および森林火災被害を受けるカオチャイラート区行政機構に消防車1台(9.9トン車,約5トンの水を積載することが可能)を整備することにより,森林火災時の消防及び乾季の生活用水の給水として使用できる体制を整える。
企業との連携
 Hino Motors Sales (Thailand) Ltd.は,トラック販売メーカーとして,消防車の特別価格に加え,5年間のフルメンテナンス保証(通常は2年),運転手への低燃費運転教育や日常点検教育の提供を実施する。

(5)タイ「ノンタブリ県における要援護高齢者等のための送迎車輌整備計画」

概要
 ノンタブリ県バーンクルアイ郡バーンシートーン町において,要援護高齢者等のための送迎車輌1台の整備に併せて,歩行補助具を整備するもの。
企業との連携
 タイ国トヨタ自動車株式会社は,ドライバーの運転教育研修,車輌の定期点検等の支援を実施。

(6)キューバ「ピナル・デル・リオ県小児科病院医療機材整備計画」

概要
 ピナル・デル・リオ県小児科病院付属医療遺伝子センターに,超音波診断装置(2機)を導入することにより,当県における母子の健康改善に資する。
企業との連携
 医療遺伝子センターに導入する超音波診断装置のメーカーである日立製作所が,当該装置の設置・運転に係る技術指導を実施する。

(7)キューバ「青年の島ココドリロ地区における含塩水脱塩造水装置整備計画」

概要
 青年の島ココドリロ地区における地下水が塩水化している井戸に含塩水脱塩造水装置1台を設置し,当地区における飲料を含む生活用水の供給を行う。
企業との連携
 井戸に設置する含塩水脱塩造水装置のメーカーである水処理エースが,当該装置の設置・運転に係る技術指導を実施する。

(8)パキスタン「イスラマバード市移動図書館配備計画」

概要
 移動図書館用車両を2台配備することで,イスラマバード市周辺に存在する小学校を巡回し,教科書や参考書及びその他の書籍を無償で貸し出しできる環境を整備し,同地域における初等教育環境の改善を図るもの。
企業との連携
 トヨタ自動車と現地企業との合併会社であるインダス・モーター社は,移動図書館として車両を改造し,販売後一定期間無料で修理を行う。また,移動図書館用車両に据付ける児童向け図書一式を寄贈する。

(9)アンゴラ「ベンゲラ総合病院白内障手術器導入計画」

概要
 ベンゲラ総合病院眼科センターに,白内障患者への医療サービスを向上させるため,日本製の高品質な白内障手術器を導入するもの。
企業との連携
 ロート製薬株式会社が同病院と連携し,株式会社ニデック製の白内障手術器の購入・輸送・設置・技術指導に係る支援を行うとともに,ロート製薬株式会社製の眼内レンズを100枚無償提供する。

(10)イラク「エルビル県デバガキャンプにおける国内避難民のための移動式医療ユニット整備計画」

概要
 エルビル県マフムール郡にある国内避難民・難民用のキャンプ4か所で支援を行うイラク赤新月社に対し,各キャンプを巡回する形で予防医療及びプライマリーヘルスケアを提供するための移動式医療ユニットを整備するもの。
企業との連携
 住友商事株式会社が,移動式医療ユニット及び医療機材の使用方法についてイラク赤新月職員に対し研修を実施するほか,移動式医療ユニット及び機材のメンテナンス費用を2年間負担する。

(11)エチオピア「アディス・アベバ市聖ポール病院への消化器関連医療機材整備計画」

概要
 アディス・アベバ市聖ポール病院の消化器科において,内視鏡専門医の育成機会及び消化器系がん等の検査・治療の機会の拡充を目的として,内視鏡検査装置2セットを整備するもの。
企業との連携
 FUJIFILM Middle East FZEが,内視鏡専門医の育成や機器の維持管理体制などを継続的に支援する。

(12)コートジボワール「アビジャン市トレッシュビル大学中央病院小児救命救急センター機材整備計画」

概要
 アビジャン市内及び地方都市の乳幼児約75万人に対し,十分な救急・集中治療サービスを提供するため,アビジャン市トレッシュビルにおける中央病院小児センター内の救命救急センターに機材を供与するもの。
企業との連携
 株式会社太知ホールディングス協力のもと,株式会社アトムの保育器,日本光電株式会社の生態監視モニター,株式会社平山製作所の滅菌装置等の本邦企業の医療機材を供与するとともに,被供与団体の技術者を本邦に招聘し,各メーカーによる機材取り扱い指導を実施。

(13)コンゴ民主共和国「モンガフラ区ンゴンベ=ルテンデレ地区ソーラーポンプ付き井戸建設計画」

概要
 キンシャサ市モンガフラ区ンゴンベ=ルテンデレ地区に,おかもとポンプ株式会社製のソーラー駆動ポンプを有する井戸1基を建設し,同地区の深刻な飲料水・生活用水不足を緩和し,感染症等の予防を図るもの。
企業との連携
 おかもとポンプ株式会社の技術者が,井戸の維持管理委員会メンバーに対するマネージメント研修,および現地技術者とコミュニティを対象としたソーラー・ポンプの維持管理研修を実施。

(14)ザンビア「ルサカ市ベイトキュア病院レントゲン機材整備計画」

概要
 ベイトキュア病院での検査診断能力を向上させるため,デジタルレントゲン機(デジタルX線撮影装置,デジタルX線画像読取装置,X線写真フィルム現像機)を整備するもの。
企業との連携
 供与品目のレントゲン機材は全て日本企業のFUJIFILM South Africa (Pty) Ltd.から調達し,同社はCSRの一環として技術者派遣による機材の設置作業を負担するほか,被供与団体へ機材の取扱い指導を実施。

(15)ザンビア「西部州カオマ郡マンガンゴ浄水施設整備計画」

概要
 ザンビア共和国西部州マンガンゴにおいて,ルエナ川沿いに浄水施設1基を整備するもの。
企業との連携
 本件実施後の浄水施設の運営について,ヤマハ発動機株式会社の社員がトレーニングを行い,コミュニティで維持管理ができる体制を整備。

(16)セネガル「プラトー保健センター・レントゲン機材整備計画」

概要
 プラトー保健センターにおいて,レントゲン室及び待合室を拡張し,レントゲン機材一式を整備する。
企業との連携
 FUJIFILM Middle East FZEが技術者派遣による機材の設置作業を負担するほか,一年間の無償修理と専門技術者による被供与団体へ機材の取扱い指導を実施。

(17)南アフリカ共和国「ハウテン州ソウェト区オルランド孤児院自立支援センター建設計画」

概要
 太陽光発電システムによる電力供給が可能な孤児の健全な発達と自立支援のための施設を建設するもの。
企業との連携
 Kens.co株式会社の職員が機材の使用・保守方法等について技術指導を実施。

(18)レバノン「ラフィーク・ハリーリ国立大学病院医療機材整備計画」

概要
 ラフィーク・ハリーリ国立大学病院において,住民(シリア難民及びパレスチナ難民含む)がより質の高い医療サービスへアクセス出来るために内視鏡検査機器を新たに整備するもの。
企業との連携
 FUJIFILM Middle East FZEは,CSR活動の一環として同社製品である内視鏡検査機器一式の費用の一部を負担し,同機材設置後1年間の無償修理を行う。また,同社が提携するレバノン国内の医療技術センターにおいて,被供与団体の医師及びスタッフに対して3日間のトレーニングを無償で提供する。
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