犯罪

第52会期国連麻薬委員会(概要と評価)

平成21年3月23日

 3月11日から20日まで、ウィーン国際センターにおいて、第52会期国連麻薬委員会が開催されました。今年の会合では、通常会合に加え、最初の2日間にハイレベル・セグメント(首脳・閣僚級)が開催され、1998年国連麻薬特別総会(麻薬特総)のレビューと今後の取組についての政治宣言・行動計画の採択が行われました。

1.会議の概要

(1)ハイレベル・セグメント(11日及び12日)

(イ)国連加盟国政府からハイレベルが参加し(我が国からは、伊藤副大臣が日本国政府代表団長として参加)、1998年の麻薬特総で採択された政治宣言の達成状況に対する評価が行われました。

(ロ)また、2019年までの達成を目標とする新たな政治宣言とその付属文書である行動計画(「世界の麻薬問題に対処するための統合的且つ均衡のとれた戦略のための国際協力に関する行動計画」:1)薬物の乱用予防、2)薬物の不正供給対策、3)合成薬物・前駆物質規制、4)薬物の不正栽培対策、5)資金洗浄対策、6)司法協力の6本の柱から構成)が採択されました。

(ハ)会議では、1998年以降、薬物の不正栽培の削減、法執行、薬物の乱用防止、薬物中毒者に対する治療・社会復帰支援、国際協力等の分野において各国が取り組んできた対策の内容、その成果について紹介が行われ、麻薬特総で採択された政治宣言及び行動計画に基づき国際的・国内的な薬物対策が進められたことに対する一定の評価が行われました。

(二)また、アフガニスタンにおける薬物問題やアフリカ・カリブ地域における不正取引の増加等、薬物問題は依然深刻な国際課題であることが確認され、2009年以降も国際社会がこの重要課題に一丸となって取り組む必要性が認識されました。

(ホ)さらに、薬物情勢、国際協力、需要削減、供給削減をテーマとする円卓会合が開催され、我が国代表団もこれらの円卓会合に参加し、各々のテーマに関する我が国の知見・経験について積極的に発言を行いました。

(2)通常会合(13日から20日)

(イ)通常会合では、テーマ別討論として、効果的な薬物統制を実施するためのデータ収集・共有の在り方について意見交換が行われました。また、不正薬物の需要削減(乱用防止、麻薬中毒者に対する治療・社会復帰支援等)、供給削減(不正取引防止、司法協力の推進等)、薬物分野における国連の政策、行財政問題等について協議が行われました。

(ロ)最終日(20日)には、我が国が提出した大麻種子に関する決議を含め計14本の決議が採択されました。

2.評価

(1)今年の麻薬委員会では、毎年開催されている通常会合に加え、2003年以降6年ぶりにハイレベル・セグメントが開催され、1998年以降11年ぶりに、国際的な薬物対策に関する政治宣言・行動計画が策定されるなど、改めて、薬物問題に関する国際社会の一致した取組姿勢を確認する機会となりました。

(2)ハイレベル・セグメントでは、伊藤副大臣がスピーチを行い、日本として今後も薬物対策に積極的な役割を果たしていく姿勢をしました。

(3)我が国は、昨年から累次にわたり開催されてきた準備会合に積極的に参加し、ハイレベル・セグメントにおいて採択された政治宣言及び行動計画に、我が国が重視してきた合成薬物・前駆物質対策の強化などを反映させました。

(4)通常会合では、我が国から大麻種子に関する決議案を提出し、「不正目的のための大麻種子の使用に関するあらゆる側面の探求(Exploration of all aspects related to the use of cannabis seeds for illicit purposes)」に関する決議として、そのコンセンサス採択に貢献しました。これによって、我が国で問題となっている、不正栽培に使用される大麻種子の問題について国際的な検討を促すことに成功しました。

(5)今回の会合には、外務省の他、警察庁、財務省、厚生労働省、海上保安庁の各省庁が参加し、専門的な見地から我が国のこれまでの取組について積極的に紹介しました。

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