9障害者権利条約に署名する高村正彦外務大臣(当時)障害者権利条約の批准書を寄託条約起草と日本日本は、条約の起草段階から関わっています。2002年から8回開催されたアドホック委員会において、日本の政府代表団は、障害当事者を顧問に 迎え、起草交渉に積極的に関与しました。また、 日本から延べ200人にのぼる障害者団体の関係者が 国連本部(ニューヨーク)に足を運び、アドホック 委員会を傍聴しました。日本は、障害者権利条約が 採択された翌年の2007年9月28日に条約に署名 しました。一方、条約の締結(批准)については、国内の障害当事者等から、条約の締結に先立ち国内法の整備を始めとする障害者に関する制度改革を進める べきとの意見が寄せられました。政府は、これらの意見も踏まえ、2009年12月に内閣総理大臣を本部長、全閣僚をメンバーとする「障がい者制度 改革推進本部」を設置し、集中的に障害者に関する 日本の締結2013年6月の障害者差別解消法の成立を もって、一通りの障害者制度の充実がなされたことから、同年10月、国会において日本の障害者 権利条約の締結について議論が始まりました。そして、同年11月19日には衆議院本会議に おいて、12月4日には参議院本会議において、 日本の障害者権利条約の締結が全会一致で 承認されました。これを受けて、2014年1月20日、 日本は条約の批准書を国連に寄託し、日本は 日本における定義日本では、2011年に改正された障害者基本法において、障害者は「身体障害、知的障害、精神 障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の 障害(以下、「障害」と総称する。)がある者であつて、 障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」制度改革を進めていくこととしました。これを 受けて、障害者基本法の改正(2011年8月)、障害者総合支援法の成立(2012年6月)、障害者差別解消法の成立と障害者雇用促進法の改正(2013年 6月)等、様々な制度改革が行われました。この ように、条約の締結に先立って国内の障害者制度を充実させたことについては、国内外から評価 する声が聞かれています。141番目の締約国・機関となりました。と規定されています。これは、障害者権利条約における、いわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえたものです。同様に、社会的障壁についても「障害 がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む 上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のもの」と規定されました。条約に関する日本の取組
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