外務省の障害者権利条約
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6条約の概要「障害者の権利に関する条約」(以下、「障害者 権利条約」又は「条約」という。)は、障害者の権利 擁護を包括的に規定した初めての条約です。障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、 障害者の権利を実現するための措置等について 規定しています。その内容は、一般原則(障害者の尊厳、自律及び自立の尊重、無差別、社会への完全条約起草の経緯障害者権利条約が採択されるまでに国連では様々な取組が行われました。1975年には「障害者の権利宣言」が採択され、翌1976年には1981年を「国際障害者年」とすることが決議されました。 1982年には「障害者に関する世界行動計画」と 「国連障害者の十年」(1983年~1992年)決議が採択されました。1993年には「障害者の機会均等 “私たちのことを、私たち抜きに決めないで”条約の起草交渉は、政府間で行われることが 通例ですが、このアドホック委員会では、障害者 団体は傍聴できるだけでなく、発言する機会も 設けられました。それは、障害者の間で使われているスローガン「“Nothing About Us Without Us”(私たちのことを、私たち抜きに決めないで)」に表れている、障害者が自身に関わる問題に主体 的に関与するとの考え方を反映し、名実ともに 障害者のための条約を作成しようという、国際 社会の総意の表れでした。日本の政府代表団は、 障害当事者を顧問に迎え、起草交渉に積極的に 関与したほか、日本から延べ200人にのぼる障害者団体の関係者が国連本部(ニューヨーク)に足をかつ効果的な参加及び包容等)、一般的義務(全ての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に 実現することを確保し、及び促進すること等)、 権利実現のための措置(身体の自由、拷問の禁止、表現の自由等の自由権的権利及び教育、労働等の 経済的、社会的及び文化的権利)、実施の仕組み (締約国による報告等)といった幅広いものとなっています。化に関する標準規則」が採択され、障害者の社会的 障壁を取り除くべきとの理念が示されました。2001年12月の国連総会では、「障害者の権利及び尊厳を保護・促進するための包括的・総合的な国際 条約」決議が採択され、条約を起草するための 「アドホック委員会」を設置することが決まりま した。運び、実際にアドホック委員会を傍聴しました。 2002年から8回にわたるアドホック委員会を 経て、2006年12月13日、障害者権利条約が国連総会で採択されました。2008年5月3日、障害者権利条約は、効力発生の要件が整い発効しました。Nothing About Us Without Us(私たちのことを、私たち抜きに決めないで)障害者の権利に関する条約

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