14障害者権利委員会への報告日本は、条約の第35条(締約国による報告)に 基づき、障害者政策委員会における議論やパブリック コメントを踏まえて作成した第1回政府報告書を、 障害者権利委員会に2016年6月に提出しました。 その後、その内容を審査した同委員会より質問 事項が送付され、それに対する回答を2022年 5月に提出しました。今後に向けてこれまでみてきたように、日本が障害者権利 条約を締結したことにより、障害者の権利の実現に向けた取組が一層強化されてきました。また、 日本は、障害と開発分野における国際協力にも 積極的に取り組んできました。障害者権利条約の目的を実現するためには、全ての人が障害の有無第1回政府報告書及び質問事項への回答を踏まえ、国連欧州本部(スイス(ジュネーブ))にて、 2022年8月22日及び23日、日本に対する条約の 第1回政府報告の審査が行われました。この審査は 一般的に建設的対話(constructive dialogue)と 呼ばれており、条約に基づく障害者の権利の実現の ために、よりよい制度や環境の整備・改善を行う ための前向きな協議の場といえます。上記審査を踏まえ、2022年9月に、障害者権利委員会により総括所見が公表されました。政府報告審査は、日本の障害者施策を前進させる 上で重要なプロセスです。政府としては、同委員会から示される建設的な助言や勧告により、一層充実した施策へと発展させる機会になると考えて います。2023年3月に閣議決定された「障害者 基本計画(第5次)」の策定過程においては、総括 所見等も踏まえた議論が行われました。同基本 計画には、「各府省において、本基本計画に盛り 込まれていない事項も含め、勧告等を踏まえた 適切な検討や対応が求められる。」旨が記載されました。今般示された同委員会の勧告等については、政府において引き続き内容を十分に検討していく考えです。によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の実現を目指し、引き続き、国際社会と連携した取組を進めていくことが重要です。日本はこれからも、障害者権利条約の締約国として、日本国内を含めた世界の障害者の権利向上に貢献していきます。条約の実施に関する仕組み
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