11施設及びサービスの利用の容易さ ~バリアフリー~条約の第9条(施設及びサービスの利用の容易さ)に関して、日本では「どこでも、誰でも、自由に、使いやすく」というユニバーサルデザインの考え方に基づいて「高齢者、障害者等の移動等の円滑化 の促進に関する法律(バリアフリー法)」が制定され ています。この法律には、建築物や旅客施設、車両 等を新設等する際に、バリアフリー基準に適合させ ること等が定められています。このようなハード面の 取組に加え、バリアフリー化の促進に関する国民の 理解を深め協力を求める「心のバリアフリー」に ついても定められています。自立した生活及び地域社会への包容 ~地域における共生~条約の第19条(自立した生活及び地域社会への包容)に関して、障害者基本法では、障害の有無にかかわらず共生する社会の実現を図るに当たって 旨とするべき事項として「全て障害者は、社会を 構成する一員として社会、経済、文化その他あら ゆる分野の活動に参加する機会が確保されること」が規定されています。また、2011年の同法の改正で新たに、全ての障害者は、可能な限り、「地域社会において他の人々と共生することを妨げられない こと」「言語(手話を含む。)その他の意思疎通の ための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること」が規定されました。このほかユニバーサル社会の実現に向け、ICT (情報通信技術)による歩行者の移動支援や、障害 者を含む誰もが安心して旅行を楽しむことがで きる「ユニバーサルツーリズム」等が進められて います。情報バリアフリーに向けたICTの活用については、 障害者の利用に配慮した情報通信機器・システムの 研究開発が行われています。また、2022年には、 「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通 に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセ シビリティ・コミュニケーション施策推進法)」が 制定されました。障害者の社会参加を支援する システムの開発・普及や、手話や点訳等によるコミュ ニケーション支援体制の充実も進められています。また、同法では、国及び地方公共団体は、障害者 が「医療、介護、保健、生活支援その他自立のための適切な支援を受けられるよう必要な施策」を 講じることが義務付けられています。これに関連 して、障害者総合支援法に基づき、地域において 暮らすことができるよう、障害福祉サービス等の充実が図られています。
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