核軍縮・不拡散

令和3年6月11日

IV 統合保障措置(Integrated Safeguards)

1 概要

(1)統合保障措置(IS)は、包括的保障措置協定(CSA)に基づく保障措置手段と追加議定書(AP)に基づく保障措置手段の有機的な組合せである。IAEAは、CSA及びAP双方の下で利用可能な保障措置手段を最適に組み合わせ、国ごとの特異性や関連情報の評価を通じて、従来よりも効率性を高めた保障措置を行うことができる。具体的には、従来の計量管理を基本としつつ、短期通告査察又は無通告査察を強化することで、IAEAの検認能力を維持したまま査察回数を削減することができるようになった。

(2)IAEAは、1990年代前半のイラクや北朝鮮の核問題を踏まえ、追加議定書(AP)の策定等による保障措置の強化を行う一方、不拡散上問題がないと判断される国については、保障措置の効率化を目指すとの方針の下で、1998年頃から統合保障措置(IS)の開発を始めた。その結果、2002年3月のIAEA理事会にて、統合保障措置(IS)の基本を定めた概念的枠組みが決定された。

(3)統合保障措置(IS)が適用されるためには、当該国がCSA及びAP双方に基づく保障措置を一定期間にわたって受け入れ、その結果、IAEAが当該国に対して、「保障措置下にある核物質の転用」及び「未申告の核物質及び原子力活動」が存在しない旨の「拡大結論(Broader Conclusion)」を導出する必要がある。拡大結論が得られた国については、当該国政府とIAEA事務局の合意に基づいて統合保障措置(IS)への移行がなされる。また、この統合保障措置(IS)が継続して適用されるためには、IAEAが毎年6月に発表する保障措置実施報告書において当該国に対する「結論」が維持される必要がある。

(4)統合保障措置適用の前提となる「拡大結論」を得ている国は72か国(我が国含む)であり、そのうち66か国(我が国含む)で2020年通年で統合保障措置(IS)が実施されている(2021年5月現在)。

2 我が国における統合保障措置の実施

(1)我が国は、1977年にCSA、1999年にAPをそれぞれ締結し、以後CSA及びAP双方に基づくIAEA保障措置を実施。その結果、2004年6月、IAEAが我が国について上記1.(3)の「結論」を導出し、同年9月、統合保障措置の実施が開始された。

(2)統合保障措置が継続して実施されるためには、IAEAが毎年6月に発表する保障措置実施報告書において「結論」が維持される必要があるが、我が国については、2003年から2020年までの同報告書において同「結論」が維持されている。

(3)統合保障措置が適用されていることにより、我が国について対象施設に対する通常査察の回数が減っている。

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