オマーン

基礎データ
英語名称:  Sultanate of Oman
首  都: マスカット(Muscat)
面  積: 30万km2
人  口: 207.3万人(人口増加率4.4%)
言  語: アラビア語 
民  族: アラブ人(他ザンジバル人、バルーチ人)
宗  教: イスラム教
略史:1650年イマーム・ヤールバ王朝によるポルトガル人追放、全国統一。1749年サイード王朝始まる。1970年宮廷クーデターにより現カブース国王即位。
政  体: 君主制
元  首: スルタン・カブース・ビン・サイード・アール・サイード(Sultan Qaboos bin Said Al-Said)
首  相: スルタン・カブース・ビン・サイード・アール・サイード(Sultan Qaboos bin Said Al-Said)
外  相: スルタン・カブース・ビン・サイード・アール・サイード(Sultan Qaboos bin Said Al-Said)
軍事力: 総兵力43,500人(陸25,000、海4,200、空4,100、他)96年予算18億ドル
G N P: 107.8億ドル[一人当たり5,200ドル]
経済成長率: 2.0%(1995年)、 3.5%(1994年)、6.4%(1993年)
物価上昇率: 1.5%(1995年)、▲0.7%(1994年)、1.2%(1993年)
失 業 率: n. a.
通   貨: オマーン・リアル(1ドル=0.38オマーン・リアル)
対日輸入:  753百万ドル・自動車、家庭用電気器具等
対日輸出: 1,694百万ドル・石油等
我が国の政府開発援助: 9.48百万ドル(1位)
    無償資金協力: ----百万ドル
      技術協力: 9.48百万ドル
     政府貸付等: ----百万ドル
日本からの直接投資: 260万ドル(1992年)
在 留 邦 人 数: 101名

 内政面では、治安当局は国内を掌握し、過激派の活動や原理主義運動はみられず、引き続き国内情勢は平穏であった。11月にはオマーンで初めての成文憲法が公布され、王位継承者の選定方法が規定された。また、より民主的な政策決定プロセスを実現するものとして、諮問評議会に加えて国家評議会の設立が定められた。
 経済面では、96年は新5カ年計画(第5次)が開始した。国家収入の7割を占める石油収入が、国際石油市場での好調な価格水準などを反映して、大幅な増収が見込まれており、財政赤字の解消を当面の課題とする政府にとり極めて好ましい展開となっている。また、政府が推進中の長期的経済政策「ヴィジョン2020」の柱である経済多様化政策に呼応して、11月にスールにLNGプラント建設プロジェクトが開始し、2000年には一年あたり660万トンのLNGが生産され、韓国やタイに輸出される予定である。またもう1つの柱である人材開発及び民間企業の育成についても積極的に取り組んでいる。
 対外政策については、96年も、善隣友好・全方位外交を継続・推進し、地域的・国際的に積極的な外交活動を展開した。4月のペレス首相(当時)のオマーン訪問に続き、イスラエルとの間で相互に通商代表部事務所を開設し、イスラエルとの経済・通商関係に大きな進展がみられた。しかしながらネタニヤフ政権誕生後の中東和平プロセスの停滞を理由に、12月、イスラエルとの接触凍結を宣言した。その一方、5月にはアラファト議長が公式訪問し、オマーンがパレスチナに対し700万ドルの支援を行う旨発表された。
 日本との関係では、9月にアラウィ外務担当相及びハリーリー商工会議所会頭が訪日した。また、JICA、金属工業事業団による銅鉱の発見や、石油活性化センター(PEC)とスルタン・カブース大学及び石油鉱物省の間で両国初の共同研究プロジェクトがスタートするなど、技術・学術交流が盛んに行われた(97年2月にファハド副首相が訪日した)。