イラン

基礎データ
英語名称:  Islamic Republic of Iran
首  都: テヘラン(Tehran)
面  積: 164.8万km2
人  口: 6,576万人(人口増加率3.3%)
言  語: ペルシャ語、トルコ語、クルド語等
民  族: ペルシャ人(他にクルド人、トルコ人)
宗  教: イスラム教(シーア派)、キリスト教、ゾロアスター教
略史:BC510アケメネス朝ペルシャ成立。651年ササン朝ペルシャ滅ぶ。1925年パフラヴィ朝成立。1979年イラン・イスラム革命。
政  体: イスラム共和制
最高指導者: セイエド・アリ・ハーメネイ師(Seyyed Ali Khamenei)
大統領
(元首):
アクバール・ハーシェミー・ラフサンジャニ(Akbar Hashemi Rafsanjani)
外  相: アリ・アクバル・ベラヤティ(Ali Akbar Velayati)
軍事力: 総兵力51.3万人(陸34.5万、海1.8万、空3.0万)96年予算34億ドル
G N P: n. a.
経済成長率: 2.8%(1995年)、 0.9%(1994年)、 2.1%(1993年)
物価上昇率: 49.4%(1995年)、35.2%(1994年)、22.9%(1993年)
失 業 率: n. a.
通   貨: リアル(1ドル=1,749リアル)
対日輸入: 729百万ドル・機械類、化学品、車両、鉄鋼等
対日輸出: 2,564百万ドル・原油等
我が国の政府開発援助: 58.14百万ドル(2位)
    無償資金協力: -----百万ドル
      技術協力: 12.79百万ドル
     政府貸付等: 45.35百万ドル
日本からの直接投資: n. a.
在 留 邦 人 数: 500名

 3月の国会選挙以降、伝統的保守派聖職者グループとテクノクラートを中心としたラフサンジャニ大統領支持グループとの間での勢力争いにより政局が流動化しており、97年5月の大統領選まで各派間の駆け引きが続くと見られる。次期大統領候補は、保守派擁立のナーテク・ヌーリ国会議長が最有力であるが、憲法上3選が認められないラフサンジャニ現大統領について、選挙後の国家体制上の役割が注目される。
 経済面では、累積債務の返済を優先した経済運営を行っており、高インフレ、高失業を余儀なくされている。8月には米国でイラン・リビア制裁法が成立し対イラン制裁が強化され、一層の先行き不透明感がもたらされた。他方、96年には、原油価格高止まりによる輸出収入の増加、為替レートの安定、インフレの沈静化などの好材料も見られた。
 外交面では、95年5月の対イラン経済措置に加え、8月の対イラン・リビア制裁法の成立により、米国のイラン封じ込め政策はますます徹底された。また6月のアルコバール米軍基地爆破事件についても米とサウディ・アラビアにおいてイランの関与が取り沙汰されており、今後の本件への米側の対応振りは湾岸地域の安定上、注目を要する。独、仏を始めEU側は、米国による制裁法に反対するなど独自の「批判的対話路線」を展開している。米国との関係改善の兆しが見えない中、イランにとってもEUとの関係は一層重要となっている。その他、タジクやアフガニスタンにおける和平努力への貢献、中央アジア諸国との関係強化、中国やマレイシアなど東アジア諸国との交流の活発化が注目される。
 日本は、中東地域の主要国であるイランとの関係を重視し、また、中東地域の安定を図るとの見地より、イランとの友好協力関係の維持に努めているが、あわせてイランの行動について国際社会が有する懸念を払拭するよう、活発な対話を通じて働きかけを行っている。懸案となっているカルーン第4ダム建設への円借款第二期分供与については、イランを取り巻く内外情勢、ODA大綱の原則等に則り引き続き検討中である。