テュニジア

基礎データ
英語名称:  Republic of Tunisia
首  都: テュニス(Tunis)
面  積: 16万km2
人  口: 882万人(人口増加率2.3%)
言  語: アラビア語(公用語)、フランス語
民  族: セム系アラブ人・ハム系黒人
宗  教: イスラム教スンニ派が殆ど
略史:B. C.9世紀より都市国家が成立。146年にローマ帝国により占領。7世紀にアラブが侵入、1574年にオスマン帝国の属州になる。1881年仏の保護領下に。1956年に独立。1987年にベン・アリ大統領就任。
政 体: 共和制
元 首: ズイン・エル・アビディン・ベン・アリ(Zine El-Abidine Ben Ali、大統領)
首 相: ハミード・カルイ(Hamed El-Karwi)
外 相: アブデラヒム・ズアーリ(Abderrahim Zouari)(97年1月以降:内閣改造により)
軍事力: 総兵力ε35,000人(陸27,000、海ε4,500、空3,500)96年予算4億ドル
G N P: 158.7億ドル[一人当たり1,800ドル]
経済成長率: 2.5%(1995年)、3.3%(1994年)、2.0%(1993年)
物価上昇率: 6.3%(1995年)、4.7%(1994年)、4.0%(1993年)
失 業 率: 15%(1994年)
通   貨: テュニジア・ディナール(1ドル=0.9997テュニジア・ディナール)
対日輸入: 141百万ドル・自動車、機械類、電子機器等
対日輸出: 16百万ドル・水産物、パルプ、衣類等
我が国の政府開発援助: ▲8.69百万ドル(13位)
    無償資金協力: ----百万ドル
      技術協力: 6.98百万ドル
     政府貸付等: ▲15.68百万ドル
日本からの直接投資: 40.9万ドル(1986年)
在 留 邦 人 数: 101名

 内政面では、ベン・アリ大統領の強力な指導の下、厳しい治安維持もあり安定的に推移した。野党育成という複数政党制促進のための努力も試みられているが、今後は政治的安定を維持しつつ、いかにかかる民主化の動きを推進していくか注目される。
 経済面では、天候に恵まれての農業収益の増加及び観光収益の増加等を受け、96年は6.9%の高度成長が見込まれている。97年も一般的には順調な経済発展が予測されているが、他方95年に締結されたEUとのパートナーシップ協定が実施段階に入ったことから、国内産業の競争力強化が課題となっている。
 外交面では、ベン・アリ大統領が7月に日本、11月にドイツを公式訪問をしたのを始め、積極的な外交が展開された。特に、近隣諸国関係においては、10月のカダフィ元首の訪問を機にリビアと大幅な関係改善を遂げ、モロッコとは11月に首相レベル合同委員会を開催し、またアルジェリアとも12月に首相レベル合同委員会を開催した。一連の積極外交は、機能停止状態にあるアラブ・マグレブ連合(AMU)の再開に向けての環境作りに大きな役割を果たしている。中東和平については、交渉進展のための積極支援を基本としつつ、96年にイスラエルとの利益代表部交換に踏み切ったが、ネタニヤフ政権発足後は、イスラエルとの関係正常化に関し慎重な姿勢を見せている。
 96年は日本との二国間関係が近年にない盛り上がりを見せた年であった。6月には高円宮同妃両殿下が日本の皇族として初めてテュニジアを訪問され、大統領を始めとする国民全体からの暖かい歓迎を受けた。7月にはベン・アリ大統領が初の公式訪日を行い、テュニジアでも連日大統領の訪日特集が紙面上で組まれ、対日関心が非常に高まった。文化・スポーツ面における交流も進み、経済協力においては7月に草の根無償の導入、10月には年次供与国化後初めての4案件に対する円借款供与も合意され、技術協力も青年協力隊の派遣等を含め順調に進んでいる。