シリア

基礎データ
英語名称:  Syrian Arab Republic
首  都: ダマスカス(Damasucus)
面  積: 18.5万km2
人  口: 1,417万人(人口増加率3.5%)
言  語: アラビア語(公用語)、英語
民  族: アラブ人(8割以上)、クルド人、アルメニア人、チェルケス人
宗  教: イスラム教(8割以上)、キリスト教
略史:1946年フランスの委任統治領より「シリア・アラブ共和国」として独立。1958年にはエジプトとの統合により「アラブ連合共和国」が成立するが2年で崩壊。1963年にバアス党単独政権成立。1970年にアサド政権誕生。
政  体: 社会主義共和制
元  首: ハーフェズ・アル・アサド(Hafez Al-Assad、党書記長、国軍最高司令官)
首  相: マフムード・アル・ゾアビー(Mahmoud Al-Zou´bi)
外  相: ファールーク・アル・シャラ(Farouk Al-Shara)
軍事力: 総兵力42.1万人(陸31.5万、海ε0.6万、空4.0万)96年予算18億ドル
G N P: n. a.
経済成長率: 5.0%(1995年)、 5.5%(1994年)、 3.9%(1993年)
物価上昇率: 8.0%(1995年)、15.0%(1994年)、13.2%(1993年)
失 業 率: 6.8%(1991年)
通   貨: シリア・ポンド(1ドル=11.23シリア・ポンド)
対日輸入: 196百万ドル・自動車、タイヤ、鋼管、機械類等
対日輸出: 百万ドル・綿花、石鹸等
我が国の政府開発援助: 122.27百万ドル(1位)
    無償資金協力: 17.60百万ドル
      技術協力: 14.63百万ドル
     政府貸付等: 90.03百万ドル
日本からの直接投資: n. a.
在 留 邦 人 数: 192名

 政権樹立26周年を迎えたアサド体制に大きな変化は見られず、内政は概ね安定的に推移した。ダマスカスにおいて数件の爆発事件が発生したものの、内政面で特に表立った影響は見られなかった。7月に行なわれた石油相ら閣僚数名の異動は汚職絡みであったとの見方が強い。
 国内経済は、社会主義体制から市場経済化への漸進的移行が継続し、特に民間部門の成長が顕著であるが、経済の活性化には外資導入が必要であり、そのために金融改革など国内諸施策の改善が課題となっている。
 外交面では、95年12月から再開されていた対イスラエル和平交渉は、自爆テロ事件(2月、3月)、イスラエルの南レバノン攻撃(4月)、さらにネタニヤフ新政権成立(6月)等により頓挫し、シリア・イスラエル関係は緊張の度合いを高めた。シリアの働きかけで、カイロにおいてアラブ諸国首脳会議が開催され(6月)、イスラエルに対するアラブ陣営の連帯強化が図られた。8月から9月にかけ、シリアはレバノン駐留シリア軍の一部をゴラン高原方面に移動し、その意図につき種々の憶測を呼んだが、9月末にアサド大統領はこれが防衛的措置に過ぎない旨を言明した。シリアは、「領土と和平の交換」原則に基づく対イスラエル交渉再開の用意がある旨表明しているが、ネタニヤフ首相はこれを拒否しており、シリアとしては米国の対イスラエル圧力に期待をかけている。この他、仏との関係強化が見られたほか、95年から関係が悪化していたトルコ及びジョルダンとの関係についてもトルコの政権交代及びジョルダン国王の来訪を機に改善傾向にある。
 日本との間では、2月、ゴラン高原の国連PKO(UNDOF)に自衛隊が派遣され、8月には池田外務大臣がシリアを訪問し、アサド大統領と会談したほか、日本とシリアとの関係は一層緊密化した。日本の経済協力は引き続きシリアの民生安定に貢献しており、電力分野に対する円借款に加え、農業、工業、医療・保健などの分野での無償援助や技術協力はシリア官民から高い評価を受けている。