アラブ首長国連邦

基礎データ
英語名称:  United Arab Emirates
首  都: アブダビ(Abu Dhabi)
面  積: 83.6万km2
人  口: 186万人(人口増加率3.3%)
言  語: アラビア語
民  族: アラブ人
宗  教: イスラム教
略史:18世紀アラビア半島南部から移住した部族が現在の基礎。1892年英国保護領。1971年英国がスエズ以東から軍事撤退し、アブダビ・ドバイを中心とする6首長国が結合、アラブ首長国連邦結成。翌年、ラアス・ル・ハイマ首長国も同連邦に加盟。
政  体: 7首長国による連邦制
元  首: シェイク・ザイード・ビン・スルターン・アール・ナヒヤーン(Sheikh Zaid Bin Sultan Al-Nahyan、連邦大統領、アフダビ首長国首長)
首  相: シェイク・マクトゥーム・ビン・ラシード・アール・マクトゥーム(Sheikh Maktoum Bin Rashid Al-Mktoum、ドバイ首長国首長)
外  相: ラシード・ビン・アブドゥラー・アール・ヌアイミ(Rashid Bin Abdulla Al-Nuaimi)
軍事力: 総兵力ε64,500人(陸59,000、海ε1,500、空4,000)96年予算19億ドル
G N P: n. a.
経済成長率: 3.0%(1995年)、1.1%(1994年)、▲1.5%(1993年)
物価上昇率: 3.6%(1995年)、4.6%(1994年)、 4.7%(1993年)
失 業 率: n. a.
通   貨: ディルハム(1ドル=3.67ディルハム)
対日輸入: 2,316百万ドル・機械、自動車、鉄鋼等
対日輸出: 9,248百万ドル・石油、ガス等
我が国の政府開発援助: 2.53百万ドル(1位)
    無償資金協力: ----百万ドル
      技術協力: 3.63百万ドル
     政府貸付等: ▲1.10百万ドル
日本からの直接投資: 1,800万ドル
在 留 邦 人 数: 1,046名

 アラブ首長国連邦は、96年、連邦結成25周年を迎え、12月の記念式典を頂点とする形で、秋口より様々な記念行事が開催された。折しも、アブ・ダビ首長就任30周年を迎えた建国の父ザーイド大統領が9月に米国において頸部の手術を受け、約4ヶ月ほど当国を不在の後、11月中旬に帰国し、同大統領の帰国に対する国を挙げての祝賀とも相俟って、式典前後には各国よりの要人往来が相次いだ。内政面では、連邦結成以来25年間、憲法及び首都アブ・ダビは暫定的なものであったが、5月にこれらの恒久化が決定された。この連邦結成25周年を契機に、連邦としての国の基盤は堅固になったと言える。経済的には、96年には原油価格が高水準で推移し、また、建設・サービス業など他の部門が引き続き堅調な成長を見せ、経済は全般的に安定的に推移している。
 対外関係では、イランとのアブー・ムーサ及び大小トンブ島の問題が最大の懸案であり、95年に引き続き、この問題の平和的解決との自国の立場に対する国際社会の支持を強めるべくアピールを行ったが、何ら進展は見られなかった。対イラク関係では、イラクによる国連決議の履行が必要との立場は堅持しつつも、イラク国民の窮状救済は別個の重要問題と捉える立場を鮮明にし、1月より対イラク人道物資援助を開始した。中東和平の関係では、対パレスチナ支援を軸とし、95年に引き続き首脳会談及び援助が行われた。経済面では、湾岸の商業拠点としての地位を利用し、欧米・アジア諸国に加え、東欧諸国・旧ソ連邦構成諸国との間でも、引き続き商業・貿易に拡大傾向が見られた。
 また、日本との関係では、連邦結成25周年記念式典に総理特使として高村政務次官が出席し、ザーイド大統領及びハリーファ皇太子他の政府要人と会談を行うなど、二国間関係の強化が図られた。経済面でも極めて良好で、96年もアラブ首長国連邦は日本への最大の原油供給国としての地位を維持し、また、日本は引き続き輸出入とも最大の貿易相手国になる見通しである。