カザフスタン

基礎データ
英語名称:  Republic of Kazakhstan
首  都: アルマティ(Almaty)(アクモラ(Akmora)への首都移転計画あり)
面  積: 271.7万km2
人  口: 1,702.7万人(人口増加率0.8%)
言  語: 公用語はカザフ語
民  族: カザフ人(44%)、ロシア人(35%)、ウクライナ人(5%)。他は少数民族。
宗  教: カザフ人の間ではイスラム教スンニ派が有力。
略史:15世紀後半にカザフ・ハーン国として史上に登場。19世紀後半にロシア帝国の支配下に入り、ロシア革命後はソ連邦の下1929年カザフ・ソヴィエト社会主義共和国となった。ソ連邦崩壊後の91年12月に独立。
政  体: 大統領制
元 首: ヌルスルタン・ナザルバーエフ(Nursultan Nazarbaev、大統領)
首 相: アケジャン・カジェゲルディン(Akezhan Kazhegeljdn)
外 相: カスムジョマルト・トカーエフ(Kasymzhomart Tokaev)
軍事力: 総兵力ε40,000人(陸ε25、000、空ε15、000)96年予算4億ドル
G N P: 189.0億ドル[一人当たり1,110ドル]
経済成長率: ▲8.9%(1995年)、 ▲25.0%(1994年)、 ▲12.0%(1993年)
物価上昇率: 176.3%(1995年)、1,879.9%(1994年)、1,662.3%(1993年)
失 業 率: 1.0%(1993年)、0.9%(1992年)、0.1%(1991年)
通   貨: テンゲ(1ドル=73.3テンゲ)
対日輸入: 17百万ドル・自動車、化学製品等
対日輸出: 38百万ドル・フェロシリコン/フェロクロム鉱石、チタン鉱石等
我が国の政府開発援助: 4.40百万ドル(3位)
    無償資金協力: 0.51百万ドル
      技術協力: 3.89百万ドル
     政府貸付等: ----百万ドル
日本からの直接投資: 147万ドル(1994年)
在 留 邦 人 数: 89名

 カザフスタンは、ナザルバエフ大統領の安定した権力に支えられ民主化を推進してきたが、2月の新議会の開会に伴い、制度的には民主国家としての骨格をほぼ整えた。他方で副首相、主要閣僚の頻繁な交替、行政組織の度重なる再編が行われ、行政面での不安定性が見られた。
 マクロ経済改革は、インフレの更なる沈静化(約30%へ)、自国通貨(テンゲ)の安定継続、生産低下の底打ちなど、順調な成果を収めた。一方、マクロ経済指標の安定を重視する政府の政策は、年金・賃金の未払い、失業問題、エネルギー(ガス、電気)供給の一時的な停止、金融不安等を引き起こし、社会不安を増大させつつある。
 ナザルバエフ大統領は、旧ソ連邦諸国との連携強化を目指す「ユーラシア同盟構想」に基づき、ロシア、ベラルーシ、キルギスとの間で4か国統合深化条約を締結し、ロシアを軸とする近隣諸国との関係強化を明確に打ち出すとともに、中国との国境信頼醸成措置協定の締結や米国との安全保障面での協力の推進など、バランスのとれた外交を展開した。さらに、アジア諸国との首脳往来が活発に行われ、経済発展を遂げるASEANとの関係強化を目指す動きが見られた。
 10月、11月に東京で行われた世界銀行の主催による投資セミナー及び対カザフスタン支援国会合にはカジェゲルディン首相が出席し、日本側よりイルティシュ川橋梁建設計画に対し215億3,000万円の円借款の供与と中小企業育成を目的とする5,000万ドル相当円のアンタイド・ツーステップローンの供与が表明された。また、10月に東京で行われた第3回日カザフスタン経済合同委員会では、カザフスタンの主要閣僚が出席する中、日本の民間投資の進出に関し真剣な議論が行われた。政治面では、上記会合に伴い訪日したカジェゲルディン首相が橋本総理大臣及び池田外務大臣等との会談を行うとともに、日本からは日カザフスタン議員連盟の会長である武村衆議院議員が来訪し、ハイレベルでの政治会談が行われた。