ウクライナ

基礎データ
英語名称:  Ukraine
首  都: キエフ(Kiyv)
面  積: 60.3万km2
人  口: 5,147万人(人口増加率0.1%)
言  語: ウクライナ語
民  族: 主要民族はウクライナ人(73%)、ロシア人(22%)。他は少数民族。
宗  教: ウクライナ正教、ロシア正教、カトリック(ユニエイト)など。
略史:17世紀に独立運動が本格化するが、18世紀には完全にロシア領となる。1919年にはソヴィエト政権が樹立され、1922年のソ連邦形成に参加。しかし1991年8月に独立宣言を発し、同年末のソ連邦解体に伴い独立。
政  体: 大統領制
元 首: レオニード・クチマ(Leonid Kuchma、大統領)
首 相: パーヴェル・イヴァノヴィッチ・ラザレンコ(Pavel Ivanovich Lazarenko)
外 相: ゲンナジー・ウドヴェンコ(Gennadii Udovenko)
軍事力: 総兵力ε40.1万人(陸18.8万、海ε1.6、空12.4万)96年予算7.5億ドル
G N P: 809.2億ドル[一人当たり1,520ドル]
経済成長率: ▲11.8%(1995年)、▲23.7%(1994年)、 ▲16.8%(1993年)
物価上昇率: 376.0%(1995年)、 891.0%(1994年)、4,734.9%(1993年)
失 業 率: n. a.
通   貨: グリブナ(※1ドル=1.87グリブナ)
対日輸入: 42百万ドル・機械、自動車及び部品等
対日輸出: 112百万ドル・金属製品等
我が国の政府開発援助: ---百万ドル
    無償資金協力: ---百万ドル
      技術協力: ---百万ドル
     政府貸付等: ---百万ドル
日本からの直接投資: 50万ドル(1993年)
在 留 邦 人 数: 93名

 6月28日、独立以来懸案となっていた新憲法が制定され、独立国としての重要な体制基盤の整備が行われた。但し、新憲法制定に伴う議会での必要な法律の改正及び新たな立法措置は進捗しておらず、10月に制定・施行された憲法裁判所法も未だ実際に機能していない。行政府と立法府間の権限を巡る確執は、新憲法制定後も続き、経済政策を含む行政の円滑な運営が阻まれている。
 経済面では、9月に新通貨「グリブナ」が導入され、これまでの通貨が10万分の1に切り下げられた。この後の物価上昇もわずかであり、為替レートも安定するなど新通貨導入は成功裏に行われたが、依然としてエネルギー債務をはじめとする対外債務、大企業の民営化、公務員に対する未払い賃金問題、不良炭坑の閉鎖等の問題を抱え、さらに、財政難の中で公共料金を引き上げざるを得ない厳しい状況にある。
 外交面では、クチマ大統領が6月に中・東欧非核化地域構想を提唱した後、パリにおける西欧同盟(WEU)議員総会に出席し、欧州との統合意思を表明した。米国との間では、9月に「クチマ・ゴア委員会」が設置されるなど、対米関係強化が積極的に進められている。また、ロシアとの間では、CIS首脳会議出席を含めクチマ大統領が3度訪問しているが、最大の懸案事項である黒海艦隊分割問題については最終的な合意をみておらず、ロシア議会の動きともあいまって、対ロシア関係の正常化が大きな課題となっている。核兵器廃棄については、6月にロシアへの核弾頭の移送完了を宣言した。また、11月末にはG7とのメモランダムに従いチェルノブイリ原子力発電所第1号炉が閉鎖された。
 日本との関係では、4月の原子力安全サミットの際に短時間ながら首脳会談が行われ、また、7月には池田外務大臣が日本の閣僚として初めてウクライナを訪問し、両国関係の拡大、ウクライナの市場経済化への支援継続を表明した。また、5月には経団連ミッションが訪問するなど経済界の交流も始まり、9月には貿易保険の適用も開始された。