オランダ

基礎データ
英語名称:  Kingdom of the Netherlands
首  都: アムステルダム(Amsterdam)
面  積: 4.1万km2
人  口: 1,539万人(人口増加率0.7%)
言  語: オランダ語
民  族: ゲルマン系
宗  教: キリスト教(カトリック32%、プロテスタント25%)
略史:1568年対スペイン独立戦争(80年戦争)。1648年オランダ連邦共和国独立。1813年オランダ王国独立。第二次世界大戦時、1940年から45年にかけドイツによる占領。
政  体: 立憲君主制
元 首: ベアトリックス女王(Queen Beatrix)
首 相: ウィム・コック(Wim Kok)
外 相: ファン・ミーロール(Van Mierlo)
軍事力: 総兵力6.3万人(陸3.2万、海1.4万、空1.2万)96年予算81億ドル
G N P: 3,381.4億ドル[一人当たり21,970ドル]
経済成長率: 2.4%(1995年)、2.7%(1994年)、0.2%(1993年)
物価上昇率: 2.0%(1995年)、2.3%(1994年)、2.1%(1993年)
失 業 率: 7.1%(1995年)、6.8%(1994年)、6.2%(1993年)
通   貨: ギルダー(1ドル=1.74オランダ・ギルダー)
対日輸入: 5,261百万ドル・コンピュータ、自動車、複写機等
対日輸出: 1,954百万ドル・球根、ポリエステル等
我が国の政府開発援助: ---百万ドル
    無償資金協力: ---百万ドル
      技術協力: ---百万ドル
     政府貸付等: ---百万ドル
日本からの直接投資: 15億936万ドル
在 留 邦 人 数: 5,931名

 紫内閣と呼ばれる左右の三つの政党による連立政権は、高い人気を誇るコック首相の指導の下、困難な社会保障制度改革及び政府機構改革等を成し遂げるなど安定している。また、経済は、経済成長率2.5%、 インフレ率2.2%、失業率7.0%で前年に引き続き好調を維持し、欧州統一通貨加盟基準を公的債務を除き達成している。このような中、9月の国会開会冒頭の女王陛下施政方針演説は、「欧州の将来は、オランダの将来である。」と述べ、政府は予算案を欧州の深化統合に向けた編成とした。オランダは、着実に欧州の深化統合へ向け準備を進めていると言える。
 対外関係では、95年9月の外交政策見直しにおいて、米国の役割の重要性は認識しつつも、外交政策の重点が欧州に置かれ始めた。特にベネルックス諸国、フランス、ドイツとの関係強化に動き、首脳間を始め様々なレベルでの連絡調整が進んできている。この中で、95年核実験を巡り悪化したフランスとの関係改善が課題であったが、フランスの核実験停止後も、オランダの麻薬政策を巡り、同国との交渉、国内麻薬対策の強化に大きな力を割かねばならなかった。97年前半はEU議長国にあたり、オランダ政府は、マーストリヒト条約見直し交渉のとりまとめ、EU共通外交政策の強化に重点を置いている。
 日本との関係については、まず、11月にコック首相が訪日した。近年の両国経済関係の増進を背景に、また、97年のEU議長国就任を念頭に行われたものであるが、経済関係のみならず、政治、文化の分野でも関係強化基礎をつくったものと評価される。この訪日に際し、両国首脳間で日蘭交流400周年事業の開始が発表された。一方、96年中、旧蘭領インドネシア戦争関係者と在蘭日本大使館との対話が継続されるとともに、平和友好交流計画も歴史研究プロジェクトや戦争関係者の訪日招待が開始された。