ルクセンブルグ

基礎データ
英語名称:  Grand Duchy of Luxembourg
首  都: ルクセンブルグ(Luxembourg)
面  積: 2.586km2
人  口: 40万人
言  語: ルクセンブルグ語、独語、仏語
民  族: ゲルマン系
宗  教: キリスト教、カトリックが大勢
略史:1815年大公国として自治を回復するが、ドイツ連邦の一部となる。1867年永世中立国として独立。1921年ベルギー・ルクセンブルグ経済同盟。1944年第二次世界大戦中のドイツ占領より解放。
政  体: 立憲君主制
元 首: ジャン大公(Grand Duke Jean)
首 相: ジャン=ニクロード・ユンカー(Jcan-Claudc Junker)
外 相: ジャック・ポース(Jacgucs Poos)
軍事力: 総兵力800人(陸800)96年予算1億2,100万ドル
G D P: 170億ドル[一人当たり31,002ドル]
経済成長率: 3.5%(1995年)、4.1%(1994年)、8.5%(1993年)
物価上昇率: 2.9%(1995年)、4.6%(1994年)、2.2%(1993年)
失 業 率: 2.7%(1994年)、2.1%(1993年)、1.6%(1992年)
通   貨: ルクセンブルグ・フラン(1ドル=32.01ルクセンブルグ・フラン)
対日輸入: 207百万ドル・
対日輸出: 52.1百万ドル・
我が国の政府開発援助: -----百万ドル
    無償資金協力: -----百万ドル
      技術協力: -----百万ドル
     政府貸付等: -----百万ドル
日本からの直接投資: 1億722万ドル
在 留 邦 人 数: 444名

 就任2年目を迎えたユンカー首相は、強力な指導力の下に極めて安定した政権を維持している。96年は国政及び地方のいずれの選挙もなく、また、昨年の公務員恩給制度の改革問題のような内政上特に紛糾した問題もなく、極めて平穏裡に推移した。政府は昨95年来、憲法改正問題に取り組んできたが、7月改正憲法案が議会を通過した。この憲法改正により、より厳密な三権分立主義を図るとの立場から、国家参事院が有していた行政訴訟裁判権を喪失させ、同院を立法府に対する諮問機関としての役割に限定する旨を定めた規定、及び憲法裁判所の新設に関する規定が現行憲法に盛り込まれた。新改正憲法は97年1月から発効する。
 対外関係では、ユンカー首相の中国訪問(2月)、ASEMへの出席(3月)、ポース外相のベトナム(3月)及びインド(9月)訪問があり、10月にはゴー・チョクトン首相、孔魯明外相がそれぞれ来訪するなど、積極的な対アジア外交が注目された。また、グンツ・ハンガリー大統領(9月)、チモシェビッチ・ポーランド首相(10月)など、対EU外交を進める東欧諸国要人の来訪が目立った。
 国内経済は、欧州全体の景気回復の遅れの中での輸出の伸び悩みにより若干の成長の鈍化が見込まれている(95年の3.5%に対し96年は2.4%)。インフレ率は2%以下にとどまると予想され、物価水準は安定している。経済指標は基本的に順調であり、95年の一人当たりGDPは世界第2位に位置付けられるなど世界で最も豊かな国の一つとされる。この繁栄を支えるのは金融業の隆盛であり、ルクセンブルグ所在の銀行数は200を超え、世界有数の国際金融センターとしての地位を誇っている。
 日本との関係では、日本の皇室とルクセンブルグ大公室との間に親しい関係が存在し、また対日感情も極めて良く、加えて3月には日本の初代常駐大使が着任し一層の関係強化が図られている。従来から経済面では日系企業が金融、製造業を中心に26社が進出する等順調に推移しており、今後の発展が期待される。