イタリア

基礎データ
英語名称:  Republic of Italy
首  都: ローマ(Rome)
面  積: 30.1万km2
人  口: 5,715万人(人口増加率0.1%)
言  語: イタリア語(地域により独、仏等少数言語あり)
民  族: 地中海人種が中心(歴史的に諸民族が混合)
宗  教: キリスト教(カトリック)が国民の約95%。その他プロテスタント、ユダヤ教、イスラム教。
略史:1861年イタリア王国建設。1929年ヴァチカンとラテラーノ条約締結。1943年にファシスト党ムッソリーニ政権が崩壊し、1946年国民投票により王制廃止、1994年までキリスト教民主党を中軸とした政治が続く。
政  体: 共和制
元 首: オスカル・ルイジ・スカルファロ(Oscar Luigi Scalfaro、大統領)
首 相: ロマーノ・プローディ(Romano Prodi)
外 相: ランベルト・ディーニ(Lambert Dini)
軍事力: 総兵力32.5万人(陸16.7万、海4.4万、空6.8万)96年予算200億ドル
G N P: 11,012.6億ドル[一人当たり19,270ドル]
経済成長率: 3.0%(1995年)、 2.2%(1994年)、▲ 1.2%(1993年)
物価上昇率: 5.2%(1995年)、 4.0%(1994年)、  4.5%(1993年)
失 業 率: 11.1%(1994年)、10.2%(1993年)、 11.4%(1992年)
通   貨: リラ(1ドル=1,530イタリア・リラ)
対日輸入: 4,484百万ドル・乗用車、TVカメラ等
対日輸出: 5,353百万ドル・バッグ類、衣類等
我が国の政府開発援助: ---百万ドル
    無償資金協力: ---百万ドル
      技術協力: ---百万ドル
     政府貸付等: ---百万ドル
日本からの直接投資: 1億1,996万ドル
在 留 邦 人 数: 6,174名

 ディーニ首相は、1月にスカルファロ大統領に辞表を再提出し、同大統領は、マッカニコ元行政改革相を首相候補に指名した。しかし、同相の組閣工作は失敗、2月に上下両院が解散され、4月に総選挙が行われた。総選挙では、「左翼民主党」が中心の中道左派連合が勝利し、戦後初の左翼政党主導政権たるプローディ内閣が成立した。同政権の重要政策は、欧州統合への参加、雇用確保、政治改革の3つである。他方、混迷する中道右派連合をよそに、同選挙で予想外の成果を挙げた「北部同盟」は、中央政府との対決姿勢を強め、9月に北部地域の「独立」を宣言したが、これを支持する者は極く少数である。
 経済面では、景気は減速傾向にあり、失業率は依然高い(約12%)。他方、インフレ率は3%を切り、輸出も好調で、リラも概ね安定し、11月には欧州為替レート・メカニズムに復帰した。経済面の最大の課題は、欧州通貨統合参加のための経済構造改革の推進であり、大幅な財政赤字削減策を内容とする97年度予算法案が9月以降政治の中心となった。
 伊は、96年前半を、EU議長国としてEU外交を主導し、3月のIGCトリノ会合の開催のほか、EUの対KEDO拠出実現やASEMの開催に尽力した。旧ユーゴー問題でも、主要国際会議を開催したほか、常時2300名程度の要員をIFORに派遣した。中東和平問題では、首脳、外相レベルで各種働き掛けを行うなど、政治的役割を果たした。また、国連安保理改革問題では、非常任理事国議席のみ増大するとの独自の提案を行っており、各国に対し、精力的な働きかけを行った。
 日本との関係では、95年10月より開始された、69の企画からなる大型文化行事「イタリアにおける日本95/96」が、成功裡に終了した。6月には、トリノ・リヨン高速鉄道計画に関係して、日伊の関係者間で技術協力協定が結ばれ、アルプストンネル掘削に関する技術協力が開始された。9月には、経団連訪欧ミッションが来訪した。