チェッコ

基礎データ
英語名称:  Czech Republic
首  都: プラハ(Prague)
面  積: 7.9万km2
人  口: 1,330万人(人口増加率0.0%)
言  語: チェッコ語
民  族: チェッコ人(94.8%)、スロヴァキア人(3.1%)
宗  教: キリスト教
略史:1918年、オーストリア・ハンガリー帝国よりチェコスロヴァキアとして独立。1948年共産体制化、1989年民主化革命、1993年スロヴァキアと平和裏に分離、独立。
政  体: 共和制
元 首: ヴァーツラフ・ハヴェル(Vaclav Havel、大統領)
首 相: ヴァーツラフ・クラウス(Vaclav Klaus)
外 相: ヨセフ・ジエレニエツ(Josef Zieleniec)
軍事力: 総兵力7.0万人(陸2.8万、空1.6万)96年予算11億ドル
G N P: 330.5億ドル[1人当たり3,210ドル]
経済成長率: 4.8%(1995年)、 2.6%(1994年)、▲ 0.9%(1993年)
物価上昇率: 9.1%(1995年)、10.0%(1994年)、 20.8%(1993年)
失 業 率: 3.4%(1995年)、 3.8%(1994年)、  3.8%(1993年)
通   貨: コルナ(1ドル=27.3コルナ)
対日輸入: 224百万ドル・輸送機械、電気機械、一般機械等
対日輸出: 83百万ドル・ホップ、ガラス、アルミ、麦芽等
我が国の政府開発援助: 2.57百万ドル
    無償資金協力: ---百万ドル
      技術協力: 2.57百万ドル
     政府貸付等: ---百万ドル
日本からの直接投資: 4,587万ドル
在 留 邦 人 数: 277名

 96年は、上下両院選挙が実施され、89年の革命後及び93年独立後のチェッコ政府の方針の是非につき国民の判断が示された。6月の下院選挙の結果、クラウス首相の率いる市民民主党はとりあえず第1党の地位を確保したが、野党の社会民主党が大躍進し第2党となり、従来の連立与党は少数内閣に転落し、国民の関心が体制転換から社会政策等の生活改善に移行しつつあることを示した。憲法に規定されながら4年間未設置であった上院については、11月中旬に選挙が行われたが、国民の上院設置に対する関心は低く、投票率は30%台であった。連立与党は議席の過半数を確保したが、社会民主党も下院に続き第2党の座を維持した。
 経済面では、市場経済化等の体制移行の第一段階を終了し、企業のリストラなど移行の第二段階にさしかかりつつある。マクロ経済は引き続き堅調に推移し、外国からの投資と個人消費の増加が経済成長を牽引した。旺盛な内需の拡大による輸入の急増と、独経済の不調による輸出の伸び悩みにより貿易赤字が大幅に拡大しているが、政府は将来の輸出に貢献する資本財の輸入による短期的現象と見ており、為替レートは安定している。また、資本市場の透明性の確保が今後の課題の一つとされる。
 対外関係面では、96年はEU加盟申請で始まり、対独共同宣言署名の目途が立つところで終了したように、西側機構への加盟を着実に進めつつある。対独宣言については、ズデーテン問題が実質的には未解決であるとの批判もあるが、その採択は中・東欧の西側機構への加盟の後援者でもある独との過去の問題を政治的に終結させる意味で有益とされる。また、NATOとのハイレベルでの累次の会談を通じ、NATO拡大の第一陣として交渉を開始する可能性も非常に高いと見られる。NATO拡大との関係で重要な米国との関係も、総じて極めて緊密かつ安定している。
 日本との関係では、9月にクラウス首相が公式実務訪問を行い、10月に清子内親王殿下の御訪問が実現した。また、民間企業の大型投資が成果を結びつつある。